最近スーパーなどで販売されているレトルトカレーで、よく見かけるのが『新宿中村屋』のカレーです。
パッケージの裏に、『昭和2年に創業。インド独立運動の志士ラス・ビハリ・ボースが、日本への亡命を手助けした創業者夫妻に、御礼として心を込めてふるまった祖国のカレー。
その感動が中村屋純印度式カリー』の始まりとレトルトカレーの裏に書いてあります。
そこで今回はこの内容をより詳しくご紹介いたします。
種類はどんなカレーがあるの?全国で販売されているの?
出典:新宿中村屋
新宿中村屋は新宿区に本社がある食品メーカーの一つで、カレー以外に和菓子・洋菓子・菓子パン・レトルトなど様々な食品を扱っています。
その歴史はとても古く、1901年に個人経営で創業したのが始まりで、100年以上の歴史がある食品メーカーなのです。
そんな中村屋ですが、とても美味しくて、多くの種類のレトルトカレーを扱っております。
一つ一つの商品を詳しく知りたい人はこちらの公式ホームページを見てもらいたいのですが、カレーだけでも多くのカテゴリーが存在します。
参考資料
『インドカリー』『純欧風ビーフカリー』『世界のスパイスカリー』『東京洋食』『技あり仕込みビーフカリー』『民族レストラン』など、とてつもなく多種多様なカレーが揃っているので、全部のカレーを楽しむために毎日カレーを食べられる人でも、一ヶ月以上の歳月が必要になります。
どこで売っているの?
出典:中村屋
基本的に中村屋のレトルトカレーは、ホームページの通販ショップからも購入できますし、Amazonや楽天といった大手通販サイトでも購入可能です。
ただし、公式ホームページに記載があるように、コンビニ・スーパー専用の『インドカリーシリーズ』や『極めるシリーズ』がありますが、中村屋直売店専用の『民族レストラン』などがあるため、一部のカレーを購入するには、限定ショップやスーパーなどに訪れないといけないでしょう。
また関西では大手スーパーの『MATSUGEN』さんで販売しています。
『民族レストラン』シリーズは、通信販売を行っているとのことなので、通信販売でも購入可能です。
ただし昭和2年に発売したインドカリーを食べたい方は、新宿中村屋ビル『レストラン&カフェ Manna』と『カジュアルダイニング Granna』、直営店舗の『オリーブハウス新宿高島屋店』と『洋食レストラン池袋東武店』でしか食べられません。
ラス・ビハリ・ボースとはどんな人物だった?
出典:中村屋
中村屋のカレーと大きく関わってくる人物のひとりに、『ラス・ビハリ・ボース』というインド人がいます。
この人は1886年にインドのベンガル地方で生まれたインド人で、転勤族である父親の元にうまれてきました。
転勤族の父を持っていたラス・ビハリ・ボースは、シャンデルナゴルやカルカッタなど居をたびたび移しますが、そういった環境の中革命家精神が目覚め、反乱のためのインド兵に加わります。
ただし兵士としては肉体的に失格の烙印を押され、父の強制で森林研究所化学部門の実験補助員にさせられてしまうのです。
しかしその後も革命家精神は薄れることなく、そこで兵士に革命思想を叩き込むことに邁進し、さらには爆弾製造の部品や薬品を調達して革命の支援をしていたのです。
その後、1914年のデリー事件でのボースの主犯が判明してしまい、逃げるためにインドを脱出して日本に来ることになったのです。
それが1915年のことで日本は当時イギリスと同盟を結んでいたので、革命活動を続けていたボースに国外退去命令が下されるのです。
最終退去期限が12月2日であり、その前日である12月1日に官憲の尾行を変装などを駆使して逃げます。
そこで逃げ延びた先がなんと『中村屋』だったのです。
ここで初めて中村屋との繋がりができます。
中村屋でかくまった期間は約3ヶ月とされていますが、そこでインド式のカレーライスを知り1927年に『純印度式カリーライス』が発売されるのです。
新宿中村屋のご夫妻はどんな手助けをした?
出典:中村屋
中村屋は逃亡していたボースを助けるために約3ヶ月間かくまいましたが、そこで繋がりが途切れたわけではありません。
その後もイギリス政府と日本政府から逃げるために、隠れ家を次々と移り渡る逃亡生活を続けることになるのですが、その支援を中村屋が行ったと言われております。
本格的に支えていたのは相馬夫妻の長女である俊子と言われており、この俊子は1927年に頭山の媒酌で結婚までするのです。
ボースは1923年に日本国籍を取得しており、1927年の結婚も国籍上は日本人同士の結婚という扱いになっていたのでしょう。
大手スーパーで販売されているが人気急上昇
出典:中村屋
様々なコンビニやスーパーで販売されている中村屋のカレーですが、スーパー以外に通販サイトでも気軽に購入できるので知名度は非常に高いです。
実際に話題に事欠かない食品メーカーで、2017年には栄養価の高いファンケルの『発芽米』とコラボをして『発芽米のために作ったカレーセット』を売りに出しています。
実際に多くのレトルトカレーを扱っている大手メーカーの一つですので、スーパーなどの大きなお店では数多くの中村屋のカレーを見ることができるでしょう。
鶏の飼育方法やお米などにこだわり!
中村屋のカレーには様々な特徴が有ります。
その中でも有名なのが鶏へのこだわりです。
カレーを売りに出した時から鶏へのこだわりがあり、鶏肉取扱業者に色々と条件を出していたのです。
その当時の記録では、『年を取り過ぎても若すぎてもダメ』という指摘をしていたのです。
しかし、一部の鶏に最優良品ではなく普通品が発覚して、最終的には自分の手で飼育するに至ったのです。
今では直営の飼育場はなくなっていますが、飼育法などの情報はしっかりと残っており、それらの情報を元に指定の飼育法で育ててもらった鶏をカレーに使っているのです。
また、お米へのこだわりも強く新宿中村屋ビルにある直営店『レストラン Granna』では、インドカリーのソースに合わせるために、お米にこだわって白目米を使っています。
江戸時代にも白目米は存在していましたが、稲の背丈が通所のお米より高くなりやすいため、倒れやすいなどの理由で栽培が難しく、収穫量も少ないため、育てている農家が少ないレアなお米だったのです。
さらに戦後は米穀統制で廃止され、国内でそもそも飼育されない消滅してしまったお米になってしまいました。
しかし、このお米へのこだわりを捨てられないために、平成に入ってから本格的な種籾探しや栽培をスタートして、今ではお店で供給できるようになったのです。
このように鶏肉やお米へのこだわりは非常に強く、美味しいカレーを食べるためのこだわりが強く出ているお店となっています。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は中村屋について様々な情報をお届けしました。
中村屋は本格的なインドカレーを堪能できる食品メーカーとして有名でしたが、調べてみるとインド人から教わった作り方を100年以上守り続けてきているからこそ、本格派インドカレーと言えることがわかりました。
なかなかに壮絶な歴史を持っている企業なので、調べると色々と面白い情報が大量に発見できるスゴイ企業でもあるのです。
大手通販サイトでも購入できる中村屋のレトルトカレーがたくさんありますので、気になる方は是非おためしください。
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