日本のスポーツ振興と言えばやはりプロ野球にあります。
2021年度もコロナウィルスの影響で、観客導入制限が行われながら開催されている状況ですが、ここ10数年間の地域別のデータを調べてみました。
このプロ野球人気もかなり流動的なものとなっており、近代日本ではその応援しているチーム分布図がかなり変わりつつあります。
今回は今の日本の地域別プロ野球人気について詳しく調査し、各県ごとにどのチームが応援されているのかを、確認してみましょう。
都道府県別応援しているチームは?
それでは野球好きの方が最も気になっている地域別の応援しているチームが、一体どこなのかを表したデータを見てみましょう。
ここでは、日本地図で色分けしている勢力図を参考にして参ります。
最もわかりやすい勢力図があるサイトは『VR Digest plus データ』でイマを読み解くだったので、
そこにある勢力図を引用して細かく分析していきたいと思います。
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2008年では?
参考資料
こちらの『VR Digest plus データでイマを読み解く』のサイトではとっても分かり易く、2008年と2018年の勢力図が用意してありますので、まずは2008年での勢力図から確認して行きたいと思います。
ここ20年でこの勢力図が大きく変わることになったプロ野球界における大きな変わり目は、2004年に日本ハムが北海道に移転して、『北海道日本ハムファイターズ』が誕生したということです。
また2004年に近鉄が消滅し『東北楽天ゴールデンイーグルス』が誕生して、2005年から本格始動したことでしょう。
これで勢力図が大きく動くことになります。
しかし2008年の段階では、東北地方でもまだまだ読売ジャイアンツが大人気で、東北楽天ゴールデンイーグルスはチームがある宮城県での勢力図を、塗り替える力はありませんでした。
東北楽天ゴールデンイーグルスは、できたばかりの頃はとても弱かったでした。
チームとして魅力を感じられる部分がまだまだ不足しており、勢力図を塗り替える力がなかったとしても仕方がなかったと思われます。
他にも気になる点で言えば、千葉ロッテや横浜DeNAベイスターズや西武ライオンズといった、その県にそのチームしかないという状態で、ファン層を獲得できていないチームが多いことでしょう。
地元チームよりも人気を独占していたことから、この時はまだまだ巨人人気が強かったことがよくわかります。
地域密着で騒がれている野球ですが、この頃はそこまで地域密着の効果を発揮していないのです。
2018年では?
参考資料
ところが、2018年になるとこの勢力図が大きく変わります。
地域密着型のチームが増えた効果が、着々と出ているのがよくわかります。
東北楽天ゴールデンイーグルスは、東北にあった巨人人気を楽天色に染め上げることに成功しており、千葉ロッテも横浜DeNAベイスターズも地元人気をしっかりと確保していることがわかります。
また、九州地方はソフトバンクホークスが確実に人気を集め、ソフトバンクホークス色に染め上げることに成功し、中国地方では広島が覇権をとっているのです。
他の野球チームファン勢力図も確認しよう
参考資料
こちらは『ビデオリサーチ オープンカフェ』というサイトにある勢力図です。
巨人ファンが圧倒的に多くなっていることがわかる勢力図ですが、それでも先ほど紹介した勢力図と似たような結果にある程度なっており、地元チームを応援しているということが見えてきます(特に東北と九州と中国地方)。
他にも勢力図を扱っているサイトがあるのでそちらの勢力図も載せます。
参考資料
アンケートをとったサイトによって結果が多少異なっているのは仕方がないと思いますが、それでも似たような結果が出ているのは面白いです。
個人的な感想ですが、阪神タイガースと読売ジャイアンツが勢力図的にかなり強いと感じております。
東日本は巨人ファンがとっても多く、関西では阪神ファンがとっても多いことがこれだけでも見えてくるでしょう。
中日も中部地方ではかなりのファンをつかんでいることも見えてきます。
野球人気は衰退しているのか?
少子高齢化や様々なスポーツの流行により、野球人気は昔よりも低下しているという意見が非常に多くなっております。
この意見には賛成派も反対派もいるのでなかなか難しい議論となっているのです。
地上波から追い出されるようになったのは事実
2003年頃から発生した球界再編問題により、大きな混乱がもたらされ、視聴率が伸び悩み始めました。
野球そのものがコンテンツとしての魅力に欠けているという指摘が各所からされるようになりました。
この頃から色々と視聴率を獲得するために、テコ入れを行ったのですが、裏目に出ることが多くなりますます視聴率が稼げなくなるのです。
そしてテレビ中継は地上波から追い出されることが増えてしまいます。
ちょうどサッカー人気が強烈になり始めた頃と重なってしまったので、視聴率的にはサッカーに押されていた時期となります。
特にわかりやすい数字がフジテレビ系列で放映された、『2015年8月25日のヤクルト対巨人戦』で、視聴率が3.7%というとてつもなく低い数字となっており、決定打になったという見方をされています。
地域密着型にシフトする
地上波で数字が採れなくなったコンテンツと揶揄されるようになりましたが、実は地元ではかなりの視聴率を稼げるコンテンツとなっているのが実状です。
東北楽天ゴールデンイーグルスなら宮城県で視聴率が稼げますし、日本ハムファイターズなら北海道でかなりの視聴率が稼げます。
特に顕著なのが広島で、広島東洋カープの試合はものすごい視聴率を伸ばしたのです。
こちらの『視聴率71%!広島民の尋常ならざるカープ愛 』
という記事を見てもらうとわかるように、2016年はなんと平均視聴率60%という、信じられない数字を残しているのが広島東洋カープなのです。
この試合はセ・リーグ優勝がかかった9月10日の東京ドーム・巨人VS広島戦で、広島県では信じられないような盛り上がりを見せていました。
コアなファンを獲得する動きへ
このように自分たちのチームがある地方では、地元視聴率が圧倒的に稼げるコンテンツとなっているのがプロ野球なのです。
現在のプロ野球チームは、『熱心ではないけどとりあえずテレビ観戦をするようなファン』ではなく、『グッズもたくさん買い球場に訪れて応援するようなファン』を獲得するために、色々と動いています。
実際にコロナウィルスの影響が出るまでは、プロ野球来場者数は年々増加しており、スタジアムが満員となる回数も増えている九段が続出していました。
この動きを目の前で見ている人、知っている人は野球人気が衰退したとは思いにくいですが、野球チームが存在しない地方ではコアなファン獲得の動きに感化されにくいので、野球人気が衰退している可能性もあるでしょう。
このような状況にあるので、衰退しているのかどうかという質問には『地域によって激しく差があるからなんとも言えない』という答えになってしまいます。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は地域別の野球人気勢力図を確認して参りました。
2021年度はコロナウィルスの影響で、球場への観客動員数が制限されていますが、ここ数年でプロ野球チームは、コアなファン獲得のために熱心に動いており、それだけ地域密着型のイベントが行われるようになっているのです。
その効果は確実に出ていると思いますが、20年以上前のように地上波で当たり前のように、プロ野球が放送されることは少なくなったのは紛れもない事実でしょう。
この状態からの視聴率的な巻き返しは、ほぼ不可能だと思いますので、より地域に密着して地元のチームとして邁進することが重要だと思います。
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