現代野球において先発投手と同じように重宝されているのが、信頼できる中継ぎと抑えです。
しかし、この中継ぎと抑え投手は現代野球に突入するまで評価するための指標が少なく、先発投手と比べるとどうしても格落ちといった扱いをされたり年俸が低くされる傾向にありました。
今回は中継ぎ投手や抑え投手は、近代野球でどのように評価されているのか、評価システムや代表的な選手の成績や年俸推移などを見ていきたいと思います。
クローザーの評価は?
クローザーは、9回に登板して勝ち試合をしっかりと勝ったまま終わらせる投手のことであり、成績としてはセーブポイントの有無が重要視されます。
もちろん、それだけで評価が決まるわけではありませんが、やはり信頼できるクローザーの証がセーブポイントなので、まずはどれだけセーブポイントが獲得できたのかがやっぱり大切なのです。
ただし、このセーブポイントを得るにはいくつかの条件があります。
それが『3点差以内で勝っている状況で、最終回を含めた1イニング以上を登板すること』となります。
他にもあまり知られていないのが、『勝っている試合で、最終回を含めた3イニング以上を登板すること』でもセーブがつきますし、『最終回に打者2人に打たれたら、逆転や同点にされてしまうケース』でもセーブがつくのです。
たとえば、最終回で4点差があり勝っている場面で、満塁で急遽登板した投手がそのまま試合を終わらせたらセーブポイントがつくということです。
満塁なのでホームランを打たれると同点という扱いで、セーブポイントがつくという事になります。
過去のクローザー投手の通算成績は?
クローザーの通算成績を見てみるとかなりスゴイ記録が並んでおり、ココに登場する人達の名前はほとんどの方々が知っているでしょう。
参考にするのは『歴代最高記録 セーブ 【通算記録】 | NPB.jp 日本野球機構』や『日米通算セーブ数ランキング、オリックス平野佳寿は来季にも名球会|【SPAIA】スパイア』といったサイトです。
参考資料
日米通算の記録を見てみると、ランクは以下のとおりになります。
このように超有名人が並びます。
これらの投手に言えることはすさまじい勝負球を持っている投手ばかりということです。
岩瀬仁紀選手は圧倒的なまでのスライダーを武器でしたし、佐々木主浩選手もフォークがびっくりするぐらい落ちてました。
高津臣吾選手のシンカーも代名詞でした。
セーブポイントは絶対的な指標ではない?
チームに対しての貢献度を含めてセーブポイントが稼げるクローザーというのはそれだけで価値がある投手と言えます。
ただし、このセーブポイントは絶対的な指標ではないのです。
というのも、ある程度接戦で勝っている状況じゃないとセーブポイントがつかないのがポイントとなっています。
そこそこ勝てるチームでも勝つときは大差で勝つことが多いチームは、セーブポイントはつきませんし、そもそも弱すぎて勝つことが少ないチームでもセーブポイントがつく試合そのものが少なくなります。
いわゆるチーム状況に大きく左右される成績の一つがセーブポイントなので、それ以外の評価も重要になるのです。
中継ぎ投手の評価はどうなっている?
中継ぎ投手はセーブポイントがつかず勝ち負けもつかないことも多かったため、日本球界では最も評価されにくいポジションにいるとよく言われていました。
しかし、この中継ぎ投手を評価する指標の一つとして、1996年にパシフィックリーグで採用されて、2005年から本格的に導入された『ホールド』と『ホールドポイント』です。
元々はアメリカで考案された考え方なのですが、メジャーでの公式記録には実はなっていません。
ただし、このホールドを獲得するにはちょっと複雑な条件があるので注意しましょう。
まず前提条件が以下のとおりです。
これらの条件を満たした状態で以下の条件を満たすと達成となり、ホールドポイントがつきます。
これらの条件を満たすことでホールドポイントがつきます。
ポイントは、同点や勝っている状態でつくポイントであることという点です。
また、ホールドポイントとは『ホールドと救援勝利の数を合計した数字』となり、また別です。
このホールドとホールドポイントが中継ぎ投手を評価するポイントとなっているため、数値でも気にしている人は多数います。
歴代通算ホールド数について
歴代のホールド数を見てみると頻繁に登板している方々の名前がズラッと並びます。
参考にするサイトはこちらの『プロ野球‥歴代日米通算のセーブ/ホールド数ランキングって? – エンタメ生活 PRiVATE LIFE』です。
こちらを見てみると、1位から5位は以下のようになっています。
日米通算歴代ホールド数ランキング
この中でも宮西尚生投手と平野佳寿投手は、2021年現在現役なので、まだまだ記録を伸ばしそうです。
そもそも投手の評価はどうなっているの?
投手に関する評価は昔はかなりザックリとしていたと言われていますが、現代野球は様々なデータがより明確な数値化をされるようになり、それぞれの評価を細かく見て加点していくスタイルと言われています。
投手を評価する指標としても、勝ち星・防御率・登板数・投球回数・奪三振数・被安打数・与四死球数・QS・HQS・WHIP・ホールド・ホールドポイント・セーブ数などたくさんあるのです。
これらの評価するところを全部チェックして加点していきます。
ただし、投げる場面の重要性によっても加点の仕方が変わると言われています。
大差で勝っている試合や負けている試合で好成績を残す投手より、僅差の大事な場面ばかりで結果を出し続けている投手の方が評価が高くなります。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は中継ぎ投手とクローザーの評価についてお話ししました。
ホールドポイントやセーブ数が中継ぎ投手やクローザーには大切というお話でしたが、それ以外にも評価する部分は大量にあるので、昔よりは中継ぎや抑えの投手も恵まれていると思います。
昔の中継ぎ投手達は、自分で自分を評価するためのデータを集めて契約更改交渉に挑んだというお話もあるぐらいなので、こういったデータが揃えられる現代は正しく評価される様になったと思います。
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