時間を有意義に過ごすために様々な動画を見て楽しむとか、何かをしながら見る通称『ながら見』をする人は多いと思います。
現在30代よりも上の方は、基本的にゲームはプレイしてなんぼだと思っている方が多いと思いますが、今の人たちは見て楽しむものと思っている人も多いのです。
今回はそういった見るコンテンツとなっているゲームの実況やゲームの動画配信が、プラスになっているのかをご紹介いたします。
ゲームメーカーにとって実況やプレイ動画はプラスになるか?
まず結論から記載すると、大きくプラスになるケースもありますが致命的なマイナスになってしまうケースもあります。
なので、一概にマイナスとは言えませんし、プラスになるとも言えません。
要するにゲームメーカー側からすると、動画配信に使われることや実況で使われることは一長一短になるということです。
しかし、この実況や配信はすでに日本だけじゃなく世界に根付いているものなので、ゲームというコンテンツを提供する側はうまく取り入れないといけない状態になっています。
そのためにも、うまくメリットやデメリットを理解した状態で実況者や動画配信者によって売り上げが伸ばせるような状況やコンテンツにするのがメーカーの責務になっているのです。
実況や動画の歴史
ゲームを実況する歴史のスタートについては諸説ありますが、日本では2003年放送開始された『ゲームセンターCX』が元祖であるという意見は多めとなっています。
同年にADSLの普及とP2Pの誕生によってゲーム実況が始まったとされていますが、間違いなく火付け役となったのは『ゲームセンターCX』でしょう。
そして、2005年にYouTubeが始まり、2007年にニコニコ動画が始まったことで一気に実況者や動画投稿者が増えます。
ここから爆発的にゲームを扱った動画が増えていくことになるのです。
2008年にニコニコ生放送が始まったことで、現在にもつながる実況者の形にかなり近づきます。
さらに2009年には非常に多くの方が、配信のために扱うゲームソフト筆頭の『Minecraft』が登場し、この界隈を非常に活性化させました。
2011年にはTwitchが登場し、2013年にYouTube Liveが始まって配信や実況が加速していきます。
実況や動画による具体的なメリットやデメリットまとめ
それでは具体的にゲームというコンテンツを実況されたり、動画配信されることで生じるメリットやデメリットをまとめていきましょう。
それぞれ箇条書きにして紹介してから掘り下げるというスタイルでいきます。
メリットについて
・作品に興味を持ってもらえることで、気になっていた人が購入してくれる
・ゲームの内容を具体的に伝えられ、気になっていた人が購入してくれる
・見ているだけでは満足できず、自分もプレイしたくなることで購入してくれる人が増える
・『あの人がやっていたから自分もやりたい』という層が出て購入してくれる人が増える
こういったメリットがあります。
一言でまとめると最大のメリットは『ゲームが気になる人やほしい人が増えて売り上げ向上につながる可能性がある』ということです。
これらのメリットをどれだけ享受できるのかは作品によっても大きく変わってきますが、一番恩恵を受けやすいパターンは『有名実況者がかなりマイナーなコンテンツを配信する』というケースでしょう。
他にも『有名実況者がネタバレにほとんどならないコンテンツを配信する』というケースも恩恵を受けやすいです。
その一例を紹介します。
こちらの動画はゲーム実況をする方の中でも非常に有名な『兄者弟者』の配信の一つで、日本ではかなりマイナーな超絶激ムズゲー『ポゴスタック』をプレイした動画です。
この動画は2020年9月にライブ配信されていますが、今では90万回以上の再生数を稼いでいます。
かなりのマイナーゲーだったのですが、生配信や動画配信によって知名度が爆発的に上昇して、日本国内でのゲーム売り上げもめちゃくちゃ伸びました。
こういった現象が日本だけではなく間違いなく世界中で発生しています。
これはメリットである『作品を知ってもらえるきっかけとなる』『作品に興味を持ってもらえる』『ゲームの内容を具体的に伝えられる』が全部うまく発揮された一例となっています。
デメリットについて
・動画でつまらなそうと判断されて、売り上げマイナスにつながる
・致命的なバグが動画などでアップされることで、評価が下がり売り上げマイナスにつながる
・マルチプレイ可能なコンテンツで悪質なユーザーが現れた結果、そういったユーザーがいることが知れ渡り売り上げマイナスにつながる
こちらも一言でまとめると、最大のデメリットは『バグや悪質ユーザーやネタバレを見た人は購買意欲が削がれて売り上げマイナスにつながる』ということになります。
わかりやすいのが、以下のような動画のようにバグがネット上で流されてしまうことです。
これは非常に有名なコンテンツである『ファイナルファンタジー15』のバグだけを集めた動画です。
こういったバグ動画などが大量に世の中に配信されてしまうと、ネタとしては笑ってくれる人が増えたとしても購買意欲はマイナスに突入する可能性が出てきます。
笑えるバグだけではなく致命的なバグも動画などでネット上にアップされてしまったら、大きなマイナスイメージがついてしまい、間違いなく売り上げに響いてくるのです。
また、ストーリーが大切なゲームでストーリー部分をまるごと紹介されてしまうことで、動画を見て満足されてしまうというケースもあるでしょう。
これはメーカー側やゲーム側でネタバレになりそうな部分を配信させないようにするケースもあります。
ゲーム実況や動画配信で売り上げプラスになりやすいジャンルとなりにくいジャンル
最後にこういったゲーム実況や動画配信が売り上げプラスになりやすいコンテンツや、売り上げプラスになりにくいジャンルについて考えていきます。
・格闘ゲーム
・アクションゲーム
・シューティングゲーム
・サンドボックスゲーム
・オフライン対戦が主体のゲーム
・オンライン対戦が主体のゲーム
・知名度が元から低いゲーム
など
・ノベルゲーム
・ロールプレイングゲーム
・ストーリーが重要なゲーム全般
・知名度が元から高いゲーム
など
あくまでもこれは筆者の考察ですが、一般的にネタバレが致命的なストーリーを扱う作品はその部分が映ってしまうと売り上げ的に大きなマイナスにつながってしまうと思います。
それ以外に個人的な見解ですが、知名度が大きい作品ほどそこまでプラスにはなりにくいけどマイナスにつながることが多くなり、知名度が小さい作品ほどマイナスは少なめでプラスになることが多くなると思っています。
知名度小さめの作品はメリットが大きいと思いますが、そもそも扱われることが少ないという問題があるので、そこは忘れないようにしましょう。
知名度が高い作品も高評価できる作品であることをしっかりとアピールできる動画配信をすることで、マイナスを防げるというメリットがあるので、無駄では決してありません。
まとめ
今回はゲームメーカーにとってゲーム実況や動画配信はプラスになっているのかを考察してきました。
自分たちの作品が良いものだという事をうまくアピールすることができれば、間違いなく配信してもらうことはプラスにつながります。
しかしネタバレされたりするとマイナスにもつながってしまうのです。
なかなかゲームを作る側の人たちは大変だと思いますが、実況者とうまく付き合ってアピールできる作品をもっと世に送り出してください。
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