メジャーリーグでホームランが出にくい球場はどこ?ドジャースタジアムはどうなっている?

今回はメジャーリーグでホームランが出にくい球場はどこなのか、なぜ球場の広さやフェンスの高さが違うのかをご紹介いたします。

メジャーリーグは日本のスタジアムよりも左右非対称であったりフェンスの高さが極端に異なるというパターンが多いのですが、そのような形になっているのなら投手有利とか打者有利の球場がいろいろと出てきます。

このいろいろという部分を明確にするために、今回は別記事とは逆にホームランが出にくい球場のチェックです。

また大谷翔平選手が2024年度から移籍するドジャースタジアムはどうなっているのでしょうか?

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メジャーリーグのホームランが出にくい球場はどこ?

参考資料

野球の記録で話したい

参考にするのは別記事の『メジャーリーグでホームランが出やすい球場はどこ?なぜ球場の広さやフェンスの高さが違うの?』でも使用した表です。

こちらの表はESPNが発表している2017年頃のパークファクターです。

記事としては『野球の記録で話したい : MLB30球団本拠地のパークファクターと大谷翔平(http://baseballstats2011.jp/archives/52572285.html)』です。

そして、次は2021年から2023年のデータにより算出されたパークファクターになります。

参考資料

【MLB】60本塁打も可能な、大谷翔平の移籍先候補 二刀流に及ぼす本拠地球場のアドバンテージ

こちらは2023年8月現在の『【MLB】60本塁打も可能な、大谷翔平の移籍先候補 二刀流に及ぼす本拠地球場のアドバンテージ | SPREAD(https://spread-sports.jp/archives/206007)』というサイトでまとめられている表となっています。

この2つの表から今現在ホームランが出にくい球場がどうなっているのかを調べていきましょう。

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ホームランが出にくい球場はどこ?ドジャースタジアムはどうなっている?

先ほどの表から具体的な球場を見ていきましょう。

まずは2017年の表からまとめて、次は2021年から2023年の表からまとめます。

あちらの表のHRの値が一番小さいところが、一番ホームランが出にくいので、ホームランが出にくい5球団を抜粋しましょう。

○2017年パークファクターよりホームランの出にくい球場
1位:AT&T Park(サンフランシスコ・ジャイアンツ) HR0.615
2位:Petco Park(サンディエゴ・パドレス) HR0.781
3位:Citi Field(ニューヨーク・メッツ) HR0.798
4位:Kauffman Stadium(カンザスシティ・ロイヤルズ) HR0.809
5位:Fenway Park(ボストン・レッドソックス) HR0.824
※AT&T Parkは昔の呼び名で、今はOracle Park
○2021年から2023年パークファクターよりホームランの出にくい球場
1位:Comerica Park(デトロイト・タイガース) HR74
2位:Oakland Coliseum(オークランド・アスレチックス) HR79
3位:Kauffman Stadium(カンザスシティ・ロイヤルズ) HR80
4位:Chase Field(アリゾナ・ダイヤモンドバックス) HR82
5位:Oracle Perk(サンフランシスコ・ジャイアンツ) HR85
5位:PNC Perk(ピッツバーグ・パイレーツ) HR85

このようになっています。

今知りたいのは近年のデータの方なので、重要視するべきなのは『デトロイト・タイガース』『オークランド・アスレチックス』『カンザスシティ・ロイヤルズ』『アリゾナ・ダイヤモンドバックス』『サンフランシスコ・ジャイアンツ』『ピッツバーグ・パイレーツ』のホームでホームランが出にくいということです。

これらの球団に属している選手はホームランが出にくいので、投手成績は伸びやすくなって、打者成績は伸びにくいでしょう。

ちなみに、大谷翔平選手が所属していたエンゼルスは打者有利な球場なので、打者大谷は良い成績を残しやすく、代わりに投手大谷は苦戦しやすかったことがわかっています。

また、大谷翔平選手が2024年度から移籍するドジャースタジアムは、2021年から2023年のデータにより算出されたパークファクターでは、HR116で4位とホームランは出やすい球場となっています。

パークファクターとは何?

いろいろと知っている前提のようにパークファクターについて記載していますので、改めてこの言葉の意味をわかりやすく解説していきます。

意味は球場の特性

このパークファクターを非常に簡単に解説すると『球場の特性』で、硬い言葉を使うと『球場ごとの偏りを表す数値指標』となります。

とっても簡単に解説すると、A球場のホームランはホームランが出やすいためその数が100としたときに、B球場はホームランが出にくくホームランの数は60だったとします。

これは、A球場のパークファクターが1.0で、B球場のパークファクターが0.6となるのです。

この数字は所属球団のバッターの成績は加味されておらず、全く同じ選手がA球場とB球場で戦った時の成績としての数値となっています。

要するに、この数値が高ければバッターが有利で、低ければバッターが不利になるという事です。

日本人に馴染みがある言葉で言えば、偏差値が一番近いでしょう。

あれは50が基準で、そこから下になれば平均より下で上回ればそれ以上という数値となっています。

今回のパークファクターにおけるホームランの出やすさは、2021年から2023年パークファクターの表のホームランの部分をチェックしてみると、100が基準でこの数値以下はホームランが出にくくて、100より上がホームランが出やすいということです。

何がここまで影響しているの?

次は、なぜ各球場ごとにここまで格差が出ているのかをまとめていきましょう。

○フィールドの寸法が違うから
野球場の内野や外野の寸法は、打球の飛距離やフィールドの広さに大きな影響を与えます。
たとえば、外野が広い球場では本塁打の数が減少し、守備範囲が広いチームが有利になる傾向があるのです。
ホームランが出にくい球場はまず広く作られていると考えてください。
○フェンスの高さが違うから
外野のフェンスの高さも打球の振る舞いに影響を与えます。
フェンスが低い球場では本塁打が増えやすくなりますが、フェンスが高い球場では本塁打が減少するでしょう。
○気象条件が場所によって異なるから
風速や気温、湿度などの気象条件も試合の成績に影響を与えます。
風が吹き込む方向や速さによって、打球の飛び方やボールの動きが変わってくるでしょう。
日本だと甲子園やZOZOマリンが風の影響が強く出ているので、あの球場を想像するとわかりやすいでしょう。
○地形と標高
野球場が位置する地域の地形や標高も重要な要素です。
標高が高い場所ではボールが飛びやすくなる傾向があります。
日本では考えにくいのですが、アメリカは標高が高い球場があり非常に有名なのはコロラド・ロッキーズのCoors Fieldです。
こちらはなんと標高約1600メートルとぶっ飛んで高いので、気圧が低くホームランが出やすくなってます。

ちなみに日本では?

ちなみに、日本のパークファクターは2022年のシーズン終了時点の数値が出ているのでそちらを見てみましょう。

参考資料

2022年12球団パークファクター

ここで見てもらいたいのが本塁打の部分で、日本では基準が1.0となっています。

セリーグは中日のバンテリンドームが『0.76』、阪神甲子園球場が『0.66』と打者にとってはホームランが出にくいと言うことがわかりやすい数字で出ていますね。

次にパリーグは札幌ドームが『0.81』で京セラドーム大阪が『0.88』とこの2つがホームランが出にくいです。

ただし、2023年から札幌ドームではなく新球場での試合となるため、パークファクターも変わってくるでしょう。

なぜ球場の広さやフェンスの高さが違うの?

次は、なぜ球場の広さやフェンスの高さが違うのかを解説します。

ここら辺はホームランが出やすい球場でもお話に出ているところなので、復唱という形に近いです。

立地によっていろんな形になった

アメリカの野球場は街中の空き地に造られているタイプが存在しており、そういった球場は周囲の敷地や建物の影響を強く受けており変な形になります。

具体的に亜H地形に合わせて左右非対称になったり、いびつになったりと今でもその名残が見てわかるレベルです。

最も有名なのがボストン・レッドソックスの本拠地であるフェンウェイ・パークはそのような昔の名残が色濃く残っています。

歴史的背景があるから

アメリカの野球場の多くは19世紀から20世紀初頭に建設され、当初は広い土地に造られたものが多かったため、広大な敷地を生かして独創的なデザインの球場が爆誕していました。

このデザインをアメリカでも大切にする背景があるので、今でも野球場は伝統的なデザインを保持しています。

地域の特性

アメリカは広大な国土を持ち、地域ごとに気候や地形が異なります。

あれだけ国土が広ければ、東西南北天候気候が全く違うのは当たり前でしょう。

野球場もそれらの地域の特性を反映したデザインがされているため、独創的な形になるとのことです。

例えば、南部の州では暑い気候に対応するために日陰を提供する屋根が設置された球場が多くなりがちとなっています。

ルール上OKだから

野球は最低限の大きさを確保できていれば、野球場全体は左右非対称で歪んだ形をしていてもよいし、外野が複雑な形でも問題ありません。

日本だと左右対称が良いとする美学がかなり浸透しているので、いびつな形にはなりませんが、アメリカだとそういった考え方がないのでユニークな球場が爆誕しやすいのです。

フェンスの高さがバラバラでもOKですし、ファールゾーンの広さもバラバラで問題なしなので、好き勝手できてしまいます。

長い野球文化があるから

アメリカでは野球が長い間国民的なスポーツとして親しまれてきました。

長い歴史の中で野球場はスポーツイベントの舞台としてだけでなく、コミュニティの交流の場としても重要な役割を果たしています。

そういった背景があるので、多くの野球場はかなりユニークかつ親しみやすいデザインになっているようです。

まとめ

今回はメジャーリーグでホームランが出にくい球場はどこなのか、なぜ球場の広さやフェンスの高さが違うのかを解説しました。

○最近のメジャーリーグ球場でホームランが出にくいのはデトロイト・タイガースの『Comerica Park』
○アメリカでも球場格差は非常に大きく、日本よりひどい
○変わった形をしているのは複合的な理由が絡み合った結果

日本のパークファクターもなかなかにひどいのですが、標高といった概念まで加わったアメリカの方がやっぱりひどいと言えるでしょう。

しかし、そういった球場格差を含めて楽しむのがメジャーリーグなので、大谷翔平選手の移籍先をいろいろと妄想している方はこういった球場格差も踏まえた上で考えてみるとより楽しめます。

また大谷翔平選手は2024年度シーズンからドジャースへ移籍しますが、本拠地であるドジャースタジアムはパークファクタで4位とホームランが出やすい球場になっています。

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