プロ野球をテレビで観ていて時々耳にするのが、解説者が『ここで3塁打が出ればサイクルヒット達成です。』と紹介します。
はたして、このサイクルヒットを達成して、選手は何かいいことがあるのでしょうか?
そこで、今回はサイクルヒットについて詳しく紹介します。
そもそも、サイクルヒットとは何か、いつから記録として残すようになったのか、メジャーではどのような扱いになっているのかも見ていきましょう。
サイクルヒットとの意味は?
サイクルヒットとは『ひとりのバッターが単打・2塁打・3塁打・ホームランを1試合で達成すること』となります。
特に順番は決まっていないので、ホームラン⇒2塁打⇒単打⇒3塁打などどのような順番でもOKなのです。
また、単打⇒2塁打⇒3塁打⇒ホームランと順番に打って達成されたサイクルヒットは『ナチュラルサイクルヒット』と呼ばれ、逆の順番で達成されたサイクルヒットは『リバースサイクルヒット』という呼ばれ方をしており、非常に達成難易度は高いです。
しかし、ナチュラルサイクルヒットもリバースサイクルヒットも、めったに達成した選手はいません。
ちなみに、サイクルヒットはサイクル安打や一巡安打という別名があり、英語では『hit for the cycle』と呼ばれているのです。
サイクルヒットは完全な和製英語となります。
ちなみに、二刀流で大活躍している大谷翔平選手は、2019年6月13日にサイクルヒットを達成したので注目度が一気に高まりました。
サイクル安打の歴史や日本での広まりについて
サイクルヒットは、そういった概念が野球が日本に伝わったことにはないので、記録としても比較的新しいモノとなります。
日本プロ野球機構で認定されている最初のサイクルヒットは、1948年10月2日に藤村富美男選手が達成した記録ですが、これも後日認定なのです。
この後日認定になった理由は、阪急ブレーブスにいたメジャー経験者のダリル・スペンサーという外国人選手が、1965年7月16日に達成したことにあります。
メジャーではサイクル安打の記録は、1800年代からきちんと記録しているため、100年以上前から記念すべき記録として扱っていたのです。
しかし1965年の日本ではそんな考え方はなく、特にこれといって達成者のダリル・スペンサーもそこまで注目されませんでした。
いわゆる今日活躍した選手扱いだったのです。
そんな扱いに驚いたダリル・スペンサーが、『サイクル安打は偉大な記録なのに、取材が少なすぎることがおかしい』といった発言をインタビューのタイミングでしました。
そこから一気に日本で広まり、日本プロ野球機構でも認められた公認記録になります。
つまり、この1965年から日本プロ野球機構が記録をさかのぼれるだけさかのぼって、サイクルヒット達成者の名簿を作ったと言えます。
その残っていた記録を元に最初の達成者とされたのが、1948年10月2日に藤村富美男選手なのですが、もっと古い記録が残っていたらそれ以前の達成者もいたかもしれません。
歴代の達成者は誰?
日本プロ野球機構にはっきりとデータとして残っている達成回数は76回です。
オールスターでも2回ほど達成されているのでそれを含めると78回となります。
一応こちらの『サイクル安打 | 各種記録達成者一覧 | 達成記録 | NPB.jp 日本野球機構に達成者データ一覧がありますので、参考にしました。
一応データを抜粋してまとめたものもありますが、あまりにも細かいので参考にしたサイトも見てもらいたいです。
2000年代以降の達成者だけを見てみると、松井稼頭央選手や井畑選手、福留選手や稲葉選手や小笠原道大選手など、超一流選手ばかりなのもポイントです。
2021年では、横浜の新人選手である牧選手やヤクルトの塩見選手が達成したのも記憶に新しいでしょう。
ちなみにナチュラル・サイクル安打を達成したのは、1950年の藤村富美男選手、1961年の近藤和彦選手、1976年の得津高宏選手、1985年の岡村隆則選手、2003年の村松有人選手ととても少ないことがわかります。
達成選手は賞金や賞品がもらえる?
サイクルヒットを打つと何か特殊なお祝いはあるのでしょうか。
これは各球団任せであり、楽天の場合はホームでヒーローインタビューを受けられるぐらい活躍した選手は、楽天ポイント10万円分を貰えています。
これは色々と調べてみましたが。はっきりとわかりませんでした。
猛打賞の場合は、球場別で契約しているスポンサーや球団から何らかの景品や商品が貰えるとのことなので、同じようにサイクルヒットも所属している球団や契約しているスポンサーから何らかの表彰はあると思われます。
メジャーではどうなっている?
メジャーでは簡単に記載したように、サイクルヒットは『hit for the cycle』という呼び方で、昔から偉大な記録の一つとしてずっと残り続けています。
ただし、メジャーでのサイクルヒットの扱いはどうなっているのかといったデータは非常に少なく、ネット上や家にある野球関連の本で色々と探してみましたがついぞ見つかりませんでした。
メジャーで大谷翔平が達成したことから注目度が高まりました。
ちなみに、大谷翔平がメジャーで達成したサイクルヒットは、日本人初の記録でありかのイチロー選手と松井秀喜選手も達成していません。
ちなみにこちらの『サイクル安打 –』で、メジャーでのサイクル安打達成者を見ることができますが、2021年9月30日現在確認したところ294人がのべ332回ほど達成しているようです。
Wikipediahttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB%E5%AE%89%E6%89%93#%E3%83%A1%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0
その中に名前が入った大谷翔平選手はさすがとしか言えません。
サイクルヒットをあえて逃した人もいる?
サイクルヒットは記録に残りますが、記録よりもチーム状況を優先するべき状況があります。
たとえば、チームが負けている状況だった2001年5月23日の巨人対ヤクルトでは、松井秀喜選手はサイクルヒットを狙える状況だったのに、勝つために単打を選ばず次の塁を狙って2塁打にしたという試合もあるのです。
このように試合の状況によっては、狙うべきではないこともあるため、達成がある意味難しい記録となっています。
猛打賞や連続ホームランといった記録は、試合に勝つために意識しなくても、達成できる記録ですが、このサイクルヒットだけはあえて単打にしたとか、あえて無謀とも言える3塁打にチャレンジしたといった状況が生まれる特殊な記録なのです。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回はサイクルヒットについて様々な情報を集めて提供致しました。
メジャーでは記録としてずっと残っているため、メジャーでの経験がある選手が、日本でサイクルヒットを打ったことに対するインタビューで広まった事が面白いお話だと思います。
試合の状況次第で、サイクルヒットを狙いにくい状態になってしまうというのも含めて、とてつもなく不思議な記録といえるでしょう。
コメント