東京ドームはなぜホームランが出やすい?ドームランのまとめ!

"Tokyo, Japan - February 14, 2008: famous Tokyo Dome arena building in Korakuen district of Japanese capital with scenic evening illumination. Also, Tokyo Dome is known as largest concert hall in Japan."

東京ドームはよくホームランが出やすい球場と言われますが、一体何が原因なのでしょうか?

また元巨人の桑田真澄さんも、以前『ドームラン』って本音をYOUTUBEで発信してますが、どのような打球が思ったより飛ぶのでしょうか?

今回は東京ドームは本当にホームランが出やすいのかを解説しつつ、ドームランについても触れていきます。

他球団のホーム球場ではどれだけホームランが出ているのかも数値化してみていきましょう。

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東京ドームでの1試合当たりのホームラン数は?

東京ドームでの1試合当たりのホームラン数をまずは見ていきましょう。

こちら色々とデータを見てきたのですが、パーツファクターなどの数字は残っているのですが、各球場当たりのホームラン数をわかりやすくまとめているサイトが非常に少なかったので、多少古いデータから見ていくしかないでしょう。

参考にするのは、『打者有利か投手有利か…球場次第で倍以上の差、12球団本拠地の本塁打数は? | Full-Count』という2015年度の数字を見ている記事です。

打者有利か投手有利か…球場次第で倍以上の差、12球団本拠地の本塁打数は?
本塁打の出にくいヤフオクドームを改修することで、本塁打ランキングのトップ5人中3人を占めるなど、多くのホームランを増やすことに成功したソフトバンク。それだけ、球場の形状によって野球の質は変化するものだ。

2015年度の記録では、東京ドームの1試合当たりのホームラン数は1.51本となっています。

ソフトバンクのホームで2.13本という異次元の数字を出しており、横浜スタジアムが1.88本、明治神宮球場が1.81本というかなり衝撃的な数字を出しているので、東京ドームは少ない方と言えるでしょう。

さらに前の記録になりますが、2010年だと1試合当たりのホームラン数が東京ドームが2.88本という飛び抜けた数字を出しているので、2015年度の東京ドームはおとなしかったと言えるでしょう。

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他球場と比べてどうなの?

いくつか参考になるサイトがありましたが、最もわかりやすかったのは『【2019最新】プロ野球・ホームランの出やすい球場はここだ! | あおなろぐ』というサイトだったので、この数字を参照させていただきます。

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東京ドームの2019年の試合ではホームラン率が42.8%で、このホームラン率は『総ホームラン数÷総打数』という計算で求められます。

2019年度の記録では、セリーグだと東京ドーム明治神宮球場横浜スタジアムが圧倒的にホームランが出やすく、マツダスタジアム阪神甲子園球場ナゴヤドームは圧倒的にホームランが出にくいことがわかっています。

ちなみに、パリーグではソフトバンクのホームがホームランが出やすく、日本ハムオリックスのホームはホームランが出にくい傾向にあります。

こういった傾向は『12球団パークファクター』を見るのが一番わかりやすいです。

パークファクター比較

パークファクターとは、球場の特性を評価する指標であり、もっと具体的に解説すると『同じリーグの平均的な球場と比べて何倍出やすいか』を数字にして表したモノです。

1試合当たりのホームラン数などは見ることができませんが、この数字からどれだけその球場がホームランが出やすいのかが簡単に見えてきます。

参考にするサイトは、『2020年12球団パークファクター – 日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめ』で、この数字を見るのがホームランの出やすさを知る上でとても大切になります。

2020年12球団パークファクター
前:2019年PF 次:2021年PF 年度202220212020201920182017201620152014201320122011201020092008200720062005200420032002200120001999199819971996199519941993199219911990198919...

2020年度のパークファクターはこのサイトから見てみると、東京ドームより明治神宮球場の方が圧倒的にホームランが出ていることがわかります。

ただし2019年度の記録になると、東京ドームが明治神宮球場を逆転しているのです。

これが2018年度になると、再度明治神宮野球場に抜かれてしまうので、東京ドームよりも圧倒的にホームランが出やすいのは明治神宮球場と言えるのです。

ちなみに、セリーグでこういったホームラン指数が常に最下位なのはナゴヤドームで、阪神甲子園球場もナゴヤドームがいるから目立ちませんが、上位にくることはありません。

東京ドームがホームランが出やすい原因とは?

これはいくつかの理由がありますが、調べれば調べるほど思ってしまうことは、『東京ドームがホームランが多くなりやすい理由は、FA補強を巨人が大量にしていることと、単純に東京ドームが狭いこと』が理由だと感じてしまうことです。

まず東京ドームには、『ドームの天井を膨らませるためにドーム外へ向けて空気の流れを作っており、その上昇気流に乗ることでホームランが出やすくなる』という意見や『ドーム内部の空調によってホームランが出やすくなる』という意見があります。

一部の専門家の方々も、『人為的に空気の流れを作っているのであれば、ホームから外野方向へのフライが風に乗って運ばれるので飛距離は伸びる』と指摘しており、実際にそういった風があるのならば確実にホームランは出やすいでしょう。

いわゆる空調操作になりますが、これは何度も球場側が否定している意見でもあります。

気圧の差をつくることで、ベルヌーイの定理を人為的に作り出すというやり方もありますが、これはかなり難しく実行しているとは考えにくいです。

また、ドーム内の気圧はむしろちょっと高いので、空気抵抗が増すと思いますし、気圧差もほんのわずかで0.3%程度と言われているので、気圧の差で飛距離が伸びたとは考えにくいでしょう。

これらの情報から、東京ドームが圧倒的にホームランが出やすくなっている理由は、長距離打者のFA補強を巨人が大量にしていることと、単純に東京ドームが狭いことと結論づけているのです。

実際に東京ドームは左中間右中間までの距離が、他の球場と比べると最も狭い110mなので、左中間や右中間への大きなフライがホームランになる確率はかなり高くなります。

両翼が100mという数値は横浜スタジアムの両翼94.2mよりは大きいので、ファールギリギリの当たりになると逆にホームランは出にくいのが、東京ドームの特徴にもなっています。

両翼100mとの発表ですが、東京ドームが完成した直後のオープン戦での試合前に、故野村元監督が実際に100mあるか計測しようとしたら、東京ドームの職員に止められてしまいました。

空調により打球が伸びる?

この様に、動画ではバックスクリーン上にある『TOKYODOME』のロゴが、空調の風の影響でかなり後ろに揺れています。

空調を操作しているのが事実ならば、100%飛距離は伸びます。

こちらの『HR多い東京ドーム空調操作説を運営会社と施工会社が否定|NEWSポストセブン』を見てみると、『ホーム側から外野方向へ1mの風を吹かせると、滞空時間が4秒のフライの飛距離は約4m伸びます』といった記載があり、このように操作しているのなら確実に飛距離は伸びると思います。

HR多い東京ドーム空調操作説を運営会社と施工会社が否定

この空調操作が本当に行われているのかどうかは、はっきり言って見ない部分なのでなんとも言えません。

元巨人軍の桑田真澄さんが言ったドームランとは?

ニコニコ動画

こちらの動画は2013年3月12日に東京ドームで行われた、WBCの日本対オランダ戦で桑田真澄さんが解説していた一部を抜粋した動画です。

この動画を見ると解説で桑田氏は、『もう、ホームランの打ち方を知っていますね。東京ドームはどうしたらホームランになるかをよく分かってますね』と『ホームランというかドームランってよく言うんですよね』と発言されています。

この発言からネットの一部界隈にいることが多い野球民以外にも、このドームランという言葉が一気に広がりました。

巨人の投手は不利にならないの?

当然巨人の試合の年間試合の半分が東京ドームになります。

打者有利と言われている球場は、当然投手は不利になるので大変ですが、先発ローテ入り1投手当り5試合前後ですから、まだ年間試合の半分を東京ドームでした方が、球団としては有利になります。

明治神宮球場の方が、もっとホームランが出やすいので、東京ドームで投げる投手はまだマシだと思います。

阪神甲子園球場やナゴヤドームと比べると投手有利にはならないでしょうが、そこまで意識することはないと思います。

他のドーム球場はどうなの?

他の球場がどうなっているのか、パークファクターを見ながら確認しましょう。

パークファクターを含めたわかりやすいデータを紹介している『2021年12球団パークファクター – 日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog』を参考にしていきます。

2021年12球団パークファクター

京セラドーム

京セラドームは長年パークファクターにおける数字はボロボロで、ホームランを出やすくしたマリンスタジアムが抜け出したため、今では札幌ドームと最下位争いをしています。

特に2016年度あたりは、パークファクターにおける本塁打が0.64と全くホームランが出ていないことがわかります。

パークファクターはその年度でそれなりの差が出ますが、京セラドーム大阪のパークファクターにおける本塁打が1.0を超えることは稀です。

西武ドーム

西武ドームも可もなく不可もなしといった推移で、偏ったパークファクターにはなっていません。

常に平均値である1近辺を行ったり来たりしていいます。

これぐらいのパークファクターが理想ではないでしょうか。

ソフトバンク(YAHOO)ドーム

ソフトバンクドームはホームランテラスができてから、パークファクターでも常にパリーグで1位をキープしています。

それほどまでに圧倒的にホームランが出やすい球場になっているのです。

ただし、改修後のマリンスタジアムが、非常にホームランが出やすい球場になったため1位が抜かれる可能性はあります。

札幌ドーム

パリーグでは京セラドーム大阪と争ってホームランが圧倒的に出にくい球場です。

常にパークファクターでは最下位争いをしています。

名古屋ドーム

全球団通じてパークファクターにおける最下位をぶっちぎりでキープしているのがこのナゴヤドームです。

パークファクターにおける本塁打の指数は、0.5前後になることが基本で、よくても0.7です。

総ホームラン数÷総打数という計算で成り立つホームラン率でも最下位になっており、この球場ではホームランは出ないと考えた方が良いでしょう。

東京ドーム設計依頼者は誰?巨人軍オーナー?

東京ドーム1988年に開場した日本初の屋根付き球場で、運営しているのは株式会社東京ドームになります。

設計者は竹中工務店で、モデルとなった球場はアメリカメトロドームです。

どうしても巨人との結びつきから、設計に巨人の渡辺オーナーが絡んでいると思ってしまいがちですが、調べた限りではそこまで深く設計には関わっていなさそうです。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか。

今回は東京ドームとホームラン、そしてドームランについてお話ししました。

結論として、滞空時間が長い高く上がった外野フライがドームランになりすいということです。

東京ドームの試合解説でおもいっきり桑田真澄さんが、『ドームラン』といったのがとても笑えます。

やっぱり東京ドームで試合をしている選手達にとっては、不思議なホームランを大量に見てきたのでしょう。

しかし同じセリーグなら明治神宮球場の方が、よっぽど数値的にひどいことになっているのですが、ごく普通に屋外にある狭い球場なので、やはり東京ドームの方が気になってしまいます。

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