日本のコンテンツが海外で大ヒットするというケースは多々ありますが、中にはその大ヒットの影響が今でも色濃く残っているものもあります。
その筆頭が遊戯王の漫画やアニメではなくトレーディングカードゲームです。
今回はどうして遊戯王のトレーディングカードが世界レベルで大ヒットし、今でも海外で人気であり続けているのかを調査します。
今でもそこまで海外で人気があるの?
遊戯王の海外人気の高さは昔からいろいろと言われていましたが、今でも人気のコンテンツであることは間違いないでしょう。
2006年頃には当時の世界中で発売されたカードゲームとしては、世界最高峰ということでギネス記録に記載されたという過去があります。
参考資料
他にも2013年に世界最大のカードゲーム大会開催したことでもギネス記録になったという過去があります。
現在の細かい売り上げについては、コンテンツを扱うコナミ側からデータとしては出されていないものの、2022年3月通期の連結決算における報告会の内容をまとめた記事では以下のように記載されていました。
『遊戯王 マスターデュエル』をグローバル向けに配信を開始したほか、『eFootball ウイニングイレブン 2021』(海外名「eFootball PES 2021」)や、グローバル配信から5周年を迎えた『遊戯王 デュエルリンクス』、イチロー氏とのコラボ施策を発表した『プロ野球スピリッツA』といった各モバイルタイトルが国内外で引き続き好評だった、としている。
『遊戯王トレーディングカードゲーム』については、コロナ禍でもグローバル展開を継続したが、厚い支持を獲得し好調を維持した
参考資料
コナミHD、22年3月期は過去最高益を達成 ゲームが高水準の売上・利益 遊戯王TCGも世界から厚い支持 遊技機やカジノ、スポーツが復調
このように好調と記載がありますが、決算発表での報告から来ているので、この内容は間違いないのでしょう。
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遊戯王 マスターデュエルの売上は?
先ほど話しにチラッと出た『遊戯王 マスターデュエル』ですが、こちらは2022年1月19日に各種ゲーム機向けに、2022年1月27日にスマホアプリ向けに登場したのですがこれも海外売り上げを含めて好調なようです。
マスターデュエルの売り上げについて、内訳はこちらの『『遊戯王マスターデュエル』の22年の世界収益は1.3億ドル(176億円)超とジャンルトップに KONAMI内でもシェア2位と収益に貢献 Sensor Tower調査 | gamebiz(https://gamebiz.jp/news/365639)』事細かく書いてあるので、気になる方は見てください。
その中でも筆者が気になった部分を引用します。
世界における2022年の収益は1億3000万ドル(176億7400万円)以上になったとするレポートを公開した。
世界的な人気を誇るトレーディングカードゲームのモバイルゲームだけに海外での支持も厚く、市場別に収益シェアを見ると、日本が77%で最も多く、アメリカが11%、韓国が6%と続いているという。
中略
また、22年1月~23年1月の世界のモバイルカードバトルゲームの収益では、『遊戯王 マスターデュエル』はトップを独走しているという。
『遊戯王 デュエルリンクス』も4位に入り、同ジャンルにおける遊戯王シリーズが強さを示している。日本市場に限定した場合、同期間中においては『遊戯王 マスターデュエル』は1位で、2位の『シャドウバース』とは2倍以上の差をつけたとのこと。
参考資料
『遊戯王マスターデュエル』の22年の世界収益は1.3億ドル(176億円)超とジャンルトップに KONAMI内でもシェア2位と収益に貢献
日本国内での売り上げについてもなかなかにすさまじい数字が並んでいますが、アメリカや韓国からも結構な売り上げは出ているのがポイントでしょう。
このマスターデュエルはいわゆる課金をすることでカードをたくさん購入できるというシステムですが、こういった課金を嫌う人が欧米では非常に多いので、それでもアメリカで11%もあるというのはめちゃくちゃ多い方だと思っています。
要するに、遊戯王というジャンルは国内でも強いけど海外でも十分に通用するコンテンツであると言えると言うことです。
なぜ遊戯王のトレーディングカードゲームがここまで人気なのか?
派生されたコンテンツも含めてなかなかにすごい売り上げがあるのはわかりましたが、どうしてここまで大ヒットしたのかがまだわかっていませんが、掘り下げていきましょう。
当時はアニメや漫画が主体だったコンテンツは希少?
遊戯王のトレーディングカードのライバルは、国内だと今なら『ポケモンカードゲーム』や『デュエル・マスターズTCG』あたりになります。
そもそもここまでトレーディングカードが普及する前は、アニメや漫画で扱っているコンテンツをトレーディングカードとしてリアルで売られるというケースがほとんどありませんでした。
コンテンツの広告素材がアニメや漫画になっているのは子供達への普及という意味では最強なのです。
まず、この遊戯王のトレーディングカードが発売され始めたのは1999年まで遡ります。
この頃のトレーディングカードのライバルはマジック・ザ・ギャザリング(通称MTG)ぐらいだったのですが、このコンテンツは漫画やアニメといったバックアップがほとんどありません。
そのため、アニメや漫画がセットとなっている遊戯王が黒船のようにあちこちに来訪して、カードゲーム市場を一気に席巻してしまったのです。
同じようなことを行い勢力図を大きく塗り替えたのがポケモンカードゲームなのですが、過去の広がりぐらいにより、今でも人気が継続している状態となっています。
価格が安かったから?
先ほどライバルとして取り上げたMTGとの比較になってしまいますが、カードがランダムに封入されたブースターパックの当時の価格差が原因だったと分析する人もいます。
MTGは一つのブースターパックの価格が500円ぐらいだったのに、遊戯王は150円だったと言われているのです。
さすがにここまでの価格差があると安い方を選ぶ子供達は多くなってしまうのも納得してしまいます。
当時はいろいろとシンプルだった
1999年に登場したばかりの頃はいろいろとカードもシンプルで複雑ではなかったのも大きいという意見があります。
今ではいろんなカードがありすぎて意味不明になりすぎている部分も大量にありますが、流行するには入りやすい状況になっているのは重要なことと言えるでしょう。
MTGは1993年に誕生しており1990年代の後半はそこそこ難易度が高いコンテンツになっていたようで、そちらになじめなかった方々が流れてきたことも推測しています。
一部の国でトレカは子供が当たり前に遊べるコンテンツになっている
東南アジアなどの一部の国々では日本よりもキッズのカードゲーマーが多いと言われています。
親世代の方々が遊戯王などにはまって、そういったコンテンツを子供にやらせて当たり前にように子供も夢中になるという下地ができているということです。
は遊戯王ではありませんがタイの首都にて、ブシロードが催すカードゲームイベントなどでものすごく人が集まってすごいことになっていたという画像を見たことがあります。
こういったコンテンツが当たり前のように根付いている国があるというのも、いつまで経っても人気が廃れない大きな理由と言えるでしょう。
まとめ
今回は遊戯王のカードゲームがここまで海外でヒットしたのはなぜかを調査してきました。
やはり1990年代という一部のコンテンツがまだまだ普及していない時代に一気に有名になったのが、非常に大きかったのだと思われます。
世界レベルで見るとポケモンカードゲームがかなり他のコンテンツを駆逐している状況ですが、それでも根強い人気はありますのでまだまだコンテンツとして盛り上がり続けることでしょう。
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