一昔前の日本風景が見られる作品では濃く確率で登場するちゃぶ台ですが、とあるキャラクターが怒りを表す表現として、このちゃぶ台をひっくり返す『ちゃぶ台返し』というものをご存じでしょうか。
今回はちゃぶ台返しの元祖は誰なのかについて詳しく解説し、巨人の星の星一徹と言われているけどそれは本当なのか、このちゃぶ台返しを使った大会があるって本当なのかを見ていきます。
星一徹というお話は聞いたことがありますが、本当に元祖なのでしょうか。
ちゃぶ台とは何かを念のため確認
ちゃぶ台返しを調べる前に、とりあえずちゃぶ台の定義について見ていきましょう。
多くの方々のイメージとして上記の画像のような茶の間にある台がちゃぶ台と思っていますが、具体的な定義については詳しくはわかっていません。
ちゃぶ台の定義を改めて見てみるとWeblio辞書には『《「ちゃぶ」は「卓袱」の中国音からという》和室で用いる、足の短い食卓』と記載してあり、コトバンクには『4本脚の食事用座卓。ふつう方形または円形で,脚は折畳式のものが多い』と書いてあります。
参考資料
要するに、足が短くて円形か方形になっている食事で使うような台がちゃぶ台となっています。
調べて見ると円形でもきちんとした丸になっているタイプもあれば、楕円形になっているタイプもあります。
四角形でも正方形になっているタイプもあれば長方形になっているタイプもあるのです。
大きさについてもかなり種類があり、直径60cm程度の物から2mオーバーのモノまであるので色々とカテゴリーは広いのでしょう。
使われている素材はハリギリ(別名センノキ)製のものが多く、高級なものとなると欅や桜を使っているとのことです。
ちゃぶ台はいつ頃から日本に浸透した?
日本には奈良時代ごろには、すでに今のちゃぶ台に通じている撥脚台盤などを使った食事があったとのことですが、戦国時代になると上下関係を浸透させるべく膳を使用した食事が主流になったようです。
戦国時代が終わっても江戸時代も膳が中心でしたが、出島といった外国と通じていた場所はテーブルを使った食事をしていたとのことです。
庶民の食事のスタイルが大きく変わってきたのは、文明開化となった明治時代になってからであり、この頃には様々な料理店で色んなテーブルが使われるようになったのです。
この洋風テーブルを用いた西洋料理屋を『チャブ屋』と呼び、西洋料理そのものを『チャブチャブ』とする俗語が誕生し、このチャブ屋で用いられるテーブルを『ちゃぶ台』と呼ぶようになったようです。
『ちゃぶ台』という呼び方は明治時代に誕生したのを覚えておきましょう。
その後1800年代後半から1900年前半にかけて折畳み式の座卓が生産されるようになり、雑誌などで使うように推奨されることもあってか一気に一般家庭に浸透していきました。
しかし、ちゃぶ台の生産ピークは1963年までで、その後はダイニングテーブルが主流になり一般家庭から消えていきます。
ちゃぶ台返しの元祖について
それでは今回のお話の本題に入ります、ちゃぶ台返しの元祖は誰なのかです。
結論を記載すると、『世間にちゃぶ台返しといった表現や行動そのものを広めたのは、巨人の星における主人公の父親星一徹なのは間違いないが、元祖となると不明』となってしまいます。
あのアニメのワンシーンは毎回エンドロールにて毎回放送されていたので、巨人の星を見ていた人はあの画像を毎回見ていたため、圧倒的なまでのイメージとして叩きつけられているのは間違い無しです。
ただし、あれが元祖かと言われるとなんとも言えません。
一般家庭においてもああいった怒りの表現をする人が、ちゃぶ台が一般家庭に浸透していた時代にはあったと思いますし、何らかの雑誌や小説などの表現として用いられたこともあるでしょう。
そこまで追いかけることは出来ないので元祖について探ることは不可能なのです。
ちゃぶ台返しって今の子達に通じるの?
個人的な見解になりますが、おそらく『言葉としてのちゃぶ台返しはおそらく通じるが、実際にあの動画や画像を見たことがない子供達は多いと思うので動作としては知らないと』となるのではないでしょうか。
ちゃぶ台返しという言葉は、いわゆる『ある程度の力がある立場にある人が計画や仕様などを強引にご破算させてやり直しをさせる様子』として用いられる事があるため、賢い子供達はこの言葉の意味を知っていてもおかしくないと思います。
逆に今現在20代の人達ならば、その行動も含めてちゃぶ台返しについてしっかりと認識している人が多いと思います。
というのも1990年代に、高視聴率をたたき出していたフジテレビ系列のバラエティ番組『めちゃめちゃイケてるッ!』の一企画で、ある『爆烈お父さん』でちゃぶ台返しを幾度となく繰り返していたからです。
お父さん役が加藤浩次氏だったのですが、このコーナーがある度にちゃぶ台返しをしていたのであのイメージがしっかりと脳に焼き付いている人が多いと思います。
しかし、この番組も色々と放送倫理委員会などが厳しくなってから制限が多くなって、こういった表現をすることがなくなり、ちゃぶ台返しそのものがされにくくなりました。
こういった表現の規制から、ちゃぶ台返しが現代の子供達に動作としては知られていない状態に繋がっているのではないでしょうか。
ちゃぶ台返しの大会について
まずはこちらの『ちゃぶ台返し世界大会⁉の開催について – 矢巾町商工会』をご覧ください。
このように岩手県の紫波郡矢巾町にあるショッピングモール『アルコ』で『ちゃぶ台返し世界大会』が開催されています。
どうも毎年行っている大会のようで、2019年の大会は第13回目とのことです。
他にも『第弐回ちゃぶ台返し世界大会』という情報もありました。
こちらは第2回大会で、まだ深夜帯に放送していた『ナニコレ珍百景』でも撮影されていたことがわかります。
このページを見ると色々とルールについて記載があり、ちゃぶ台のサイズが縦300mm×横400mm×高さ220mmになっています。
ゴザの上の座布団にあぐらをかくスタイルからひっくり返すことなど、気になる事柄がぎっしりと書いてあります。
2020年の大会はこちらの『「第14回ちゃぶ台がえし世界大会⁉」の中止について – 矢巾町商工会』のページで中止になったことが書いてあるので、この大会も新型コロナウイルス感染症の影響を受けてしまっていることがわかります。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回はちゃぶ台とちゃぶ台返しについて色々と調べて参りました。
ちゃぶ台の歴史を調べると軽く日本の歴史に触れることになり、面白い情報が多いです。
ちゃぶ台返しについての情報を追いかけても、大会といったびっくり情報が多かったので驚きました。
昔はちゃぶ台返しといった表現をテレビなどでするのは当たり前だったのですが、今ではこういった表現をするのもNGなのでしょう。
筆者にとっては、それぐらい何の問題も無いと思ってしまうのですが、ダメだと思っている人が一定数でもいると仕えなくなるのが現代社会ですので、子供達にとっては実物を見る機会はこれからも少ないままだと思います。
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