時候の挨拶は同じ時期を表すものでも色んな種類があって慣れていない人にとってわけがわからないと頭を悩ます材料になっています。
そこで、今回は時候の挨拶の一つである『春色の候』について解説しつつ、いつ使うべき時候の挨拶なのか、例文や結びの言葉について色々と解説していきましょう。
春を表す時候の挨拶はかなりたくさんありますが、他の時候の挨拶とは何が違うのかがポイントです。
『春色の候』を使う期間や意味について
それではまずこの時候の挨拶の意味と使うタイミングと読み方について簡単にまとめます。
要点を押さえたいという方はそこだけチェックしていただければ十分です。
意味と使い方:『本格的な春の気配が漂う季節』とか『春らしい雰囲気が楽しめる頃』という意味になり、二十四節気における春が本格化している時期に使う時候の挨拶となる。
元々『~の候』という言葉は『~になった今日この頃』とか『いよいよ~になりましたが』という意味があり、言葉としては本格的な春の雰囲気が感じられる季節になりましたがとなるのです。
また、この『春色の候』は二十四節気によって時期を明確に決められた存在では無いので、3月いっぱいといったザックリとした期間が当てはまります。
いつからいつまで使うのかがある程度決まっていますが、具体的な日付までは言えない変わった時候の挨拶となっています。
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時候の挨拶と二十四節気について
基本的に時候の挨拶は二十四節気と密接に関係があるというケースがほとんどであり、今回の『春色の候』のようなケースの方が稀です。
まず、二十四節気について簡単に解説すると『中国の春秋戦国時代にできあがった1年を12の節気と12の中気の24分割した季節の考え方』となっており、一つの節気がだいたい15日サイクルで回っていると考えてください。
日付とサイクルを入れたものを下記に用意するので、まずはそちらをチェックです。
- 二十四節気のサイクル
立春(2月4日~19日)→雨水(2月19日~3月5日)→啓蟄(3月5日~3月21日)→春分(3月21日~4月5日)→清明(4月5日~4月20日)→穀雨(4月20日~5月5日)→立夏(5月5日~5月21日)→小満(5月21日~6月6日)→芒種(6月6日~6月21日)→夏至(6月21日~7月7日)→小暑(7月7日~7月23日)→大暑(7月23日~8月8日)→立秋(8月8日~8月23日)→処暑(8月23日から9月8日)→白露(9月8日~9月23日)→秋分(9月23日~10月8日)→寒露(10月8日~10月23日)→霜降(10月23日~11月7日)→立冬(11月7日~11月22日)→小雪(11月22日~12月7日)→大雪(12月7日~12月21日)→冬至(12月21日~1月5日)→小寒(1月5日~1月21日)→大寒(1月21日~2月4日)
ここで春にまつわる二十四節気は立春から穀雨までの6つで、これが二十四節気的な春となります。
別記事で紹介した『春寒の候』は立春から啓蟄の前日までであり、『向春の候』は立春から2月終わりまでとなります。
こういった縛りが無いのが今回の『春色の候』であり、二十四節気に関係なく時期がぼんやりと決まっています。
4月でもOKという声もありましたが、さすがにその時期ではちょっと遅いという意見の方が多いので、3月一杯と考えた方がいいと思います。
具体的な『春色の候』を使った例文
それでは具体的なテンプレート文章を見ていきましょう。
慣れていない人は下手にアレンジなんかしないで、ネット上での手テンプレート文章をコピーして貼り付けてしまいましょう。
書き出しの例文
それでは具体的に見ていきましょう。
ここではビジネスのやりとりでも使えるタイプの例文と、親しい友人へ送るときの例文2パターンを紹介します。
- ビジネス上のお付き合いをしている相手での例文
・拝啓 春色の候、貴社におかれましては、ますますご発展の段、大慶に存じ上げます。
・拝啓 春色の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 春色の候、貴社におかれましては、なお一層のご発展のことと大慶至極に存じます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・拝啓 春色の候、〇〇におかれましてはますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 春色の候、〇〇様にはいっそうご活躍のことと慶賀の至りに存じます。
・拝啓 春色の候、御一同様におかれましてはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
- ある程度仲がいい人への例文
・拝啓 春色の候、日に日に暖かさが増し、心躍る季節がやってきました。ご無沙汰していますが、お元気にしていましたか。
・拝啓 春色の候、野山も雪解けをはじめ、水ぬるむ季節を迎えました。
・拝啓 春色の候、春とはいえ朝夕はまだ肌寒いですが、お元気にされていますか。
仕事上で使う文章は、同じ春の時候の挨拶と中身がかなり似たり寄ったりですが、ちょっと違う部分が存在するケースもあるので注意してください。
仲がいい人への挨拶はバリエーション豊富なので、その人との付き合い方で大きく変わってきます。
結びの例文
基本的に仕事での使い方となるとテンプレート化しているので、色々と流用していきましょう。
- ビジネス上のお付き合いをしている相手での例文
・早春の息吹を感じる今日この頃、益々のご活躍をお祈り申し上げます。
・天候不順の時節柄、体調にはくれぐれもご注意ください。
・春の天候は不安定と申します。どうぞご自愛くださいませ。敬具
・皆様が良き門出をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます。謹白
・年度末で何かとお忙しい時期とは存じますが、ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。
- ある程度仲がいい人への例文
・巣立ちの春に、心からのエールを送ります。
・花粉症のつらい時期ですが、何とか乗り切っていきましょう。
・くれぐれも事故にはお気をつけください。
・不安定な天候で風邪などひかぬようにご自愛ください。
仲がいい人への挨拶となるとその人との個人的なやりとりが含まれますので、結びの挨拶もだいぶオリジナルの内容になってきます。
学生のお子さんがいるのなら卒業式のお話を持ってくることも多いでしょう。
どれが正解というのは親しい人が相手ならばハードルが結構下がってくるので、失礼にならない範疇である程度自由に文字を綴ってください。
仕事に関しては定型文になっているので、コピーアンドペーストで対応しましょう。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は『春色の候』について色々と記載して参りました。
時候の挨拶は二十四節気に関係して時期が決まるというパターンが多いのですが、今回はそういったくくりは無く春らしい景色が楽しめる時期に使える時候の挨拶となっています。
この春らしい景色が楽しめる時期はその年の気候や天候などでも左右されるので、使うタイミングが1ヶ月程度前後する可能性もあるのです。
このように、かなりずれる可能性のある時候の挨拶なので使い方には十分に注意してください。
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