晩春の候を使う期間はいつ?例文や結びを解説

時候の挨拶になれていない方は自分のメモやネット上の情報から推奨される季節のものを探して使ったり、相手のメールに書いてあるものを引用して用いるということが多いと思います。

今回はそんな時候の挨拶を使い慣れていないという方向けに、『晩春の候』を使う期間はいつなのか、例文や結び詳しく解説します。

そのまま引用してもいい用に具体的な例文も紹介するので、是非とも参考にしていってください。

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『晩春の候』を使う期間や意味について

それではこの『晩春の候』の意味と読み方と使うべきタイミングと使い方について解説します。

細かい説明は不要でザックリとした情報で十分という方は、ここの情報だけで十分です。

読み方:ばんしゅんのこう
使う時期:清明の始まり(4月5日頃)~穀雨の終わり(5月5日頃)まで
意味と使い方:『春の終わりの季節』とか『いよいよ春も終わりを迎えつつある今日この頃』という意味で、二十四節気における晩春の時期が該当する

今回は二十四節気が直接的に関係しているので、二十四節気を知っている方ならば想像しやすいです。

また、『~の候』という言葉は、『~になった今日この頃』とか『いよいよ~になりましたが』という意味があるので先ほどの意味とくっつけると解釈がしやすいでしょう。

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時候の挨拶と二十四節気について

今回の時候の挨拶は二十四節気と密接な関係にあるので、詳しく解説しておきます。

二十四節気を簡単に解説すると『中国の春秋戦国時代にできあがった1年を12の節気と12の中気の24分割した季節の考え方』になります。

この二十四節気のサイクルは以下のとおりです。

  • 二十四節気のサイクル

立春(2月4日~19日)→雨水(2月19日~3月5日)→啓蟄(3月5日~3月21日)→春分(3月21日~4月5日)→清明(4月5日~4月20日)→穀雨(4月20日~5月5日)→立夏(5月5日~5月21日)→小満(5月21日~6月6日)→芒種(6月6日~6月21日)→夏至(6月21日~7月7日)→小暑(7月7日~7月23日)→大暑(7月23日~8月8日)→立秋(8月8日~8月23日)→処暑(8月23日から9月8日)→白露(9月8日~9月23日)→秋分(9月23日~10月8日)→寒露(10月8日~10月23日)→霜降(10月23日~11月7日)→立冬(11月7日~11月22日)→小雪(11月22日~12月7日)→大雪(12月7日~12月21日)→冬至(12月21日~1月5日)→小寒(1月5日~1月21日)→大寒(1月21日~2月4日)

※太陽の動きによって節気は決まる、詳しくはこちらの気象庁のページを参照ください。

参考資料国立天文台 令和 4年(2022) 暦要項

この中で春の節気に該当するのが、立春のスタートから穀雨の終わりまでで掘り下げると以下のようになっているのです。

初春:立春(2月4日頃)~啓蟄の前日(3月4日頃)
仲春:啓蟄(3月5日頃)~清明の前日(4月3日頃)
晩春:清明(4月4日頃)~立夏の前日(5月4日頃)

そして今回登場したのが晩春であり、この節気の後半2つの時期が当てはまります。

また、この清明から立夏の前日までの時期に用いる時候の挨拶と今回紹介する晩春の候の挨拶の仕方はほぼ同じとなりますので、言葉の意味がわかれば使い回すこともできるでしょう。

使う期間について意見が分かれている?

これはネット上の意見を色々とみてきたのですが、どうも意見が割れています。

先ほど記載したように、使う時期は晩春の言葉通りに清明(4月4日頃)~立夏の前日(5月4日頃)というのが一般的なのですが、どうも春の象徴である桜が咲いているタイミングでは使わない方がいいという意見があるのです。

桜が咲いているとどうしても春真っ盛りというイメージがついてしまうとのことで、晩春という春の終わりを意味する言葉は適していないと指摘しています。

筆者的にもある意味納得できる部分もあるので、そういった部分が気になるのならこの言葉は封印して、『残春の候』とか『暮春の候』といった言葉にするといいかもしれません。

具体的な『晩春の候』を使った例文

次はこの『晩春の候』の具体的な使い方です。

書き出しの例文と結びの例文を紹介するので、テンプレートとして流用してください。

書き出しの例文

それでは具体的に見ていきましょう。

  • ビジネス上のお付き合いをしている相手での例文

・拝啓 晩春の候、貴社におかれましては、ますますご発展の段、大慶に存じ上げます。

・拝啓 晩春の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。

・拝啓 晩春の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

・拝啓 晩春の候、貴社におかれましてはなお一層のご発展のことと大慶至極に存じます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

・謹啓 晩春の候、貴社にはますますご清栄の由大慶に存じます。毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

・拝啓 晩春の候、〇〇様にはいっそうご活躍のことと慶賀の至りに存じます。

  • ある程度仲がいい人への例文

・晩春の候、木々の緑が少しずつ濃くなり始めた今日この頃、お変わりなくお過ごしでしょうか。

・晩春の候、行く春が惜しまれる今日この頃、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。

・晩春の候、風に舞う桜吹雪が目にまぶしい今日この頃です。

ビジネスで使う方はほとんどテンプレートになっているので、そのままコピーして用いてください。

親しい人に用いる時は自分の言葉にした方がいいでしょう。

結びの例文

結びの言葉の方も仕事と友達で別途解説します。

  • ビジネス上のお付き合いをしている相手での例文

・皆様が良き門出をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます。謹白

・花冷えの季節、ご自愛専一にてのご活躍をお祈り申し上げます。

・本年度も変わらぬご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。敬具

・今後とも倍旧のご助力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご報告まで。敬白

  • ある程度仲がいい人への例文

・新学期が始まり、新しい環境で慌ただしいことと存じます。どうぞご自愛ください。敬具

・新たな環境での生活でご無理などなさらないでくださいませ。

・新年度は何かと行事が多いことと存じます。お体を大切になさってください。

・新任地での生活が、実り多きものとなりますよう祈っております。

ビジネスの方はやはりテンプレートになっていますが、友達へのやりとりでは新学期や新年度にまつわる言葉が並んでいるのでそちらを意識するといいでしょう。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか。

今回は晩春の候について色々と調べてお届けしました。

時期について調べたときに意見が割れていたので、正直使うのがちょっと難しい言葉と感じてしまいました。

確かに、桜が咲いている時は春がまだ続いていると感じてしまうので、桜の開花や散るのが遅い寒い地方ではこの言葉はあまり使えないのかもしれません。

これは解釈の仕方次第なのですが、その人の考え方までは読めませんので使い方に注意してください。

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