春分という言葉は二十四節気の中でも夏至や冬至や秋分と並んで有名な言葉であり、時候の挨拶としてもかなりメジャーなワードと言えるでしょう。
そこで、今回は『春分の候』についてわかりやすく解説します。
一体いつ使うべき言葉なのか、例文はどのようなものがあるのか、結びの言葉はどうしたらいいのかなど時候の挨拶として調べたときに欲しい情報をしっかりと敷き詰めてお届けします。
『春分の候』を使う時期や意味について
まずは皆さんが知りたい『春分の候』の使い方についてまとめて記載します。
とりあえず結論が欲しい方はここだけ見れば十分です。
より詳しく知りたいという人は二十四節気を掘り下げて理解する必要があるでしょう。
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春分の候の注意点
日本人にとって3月下旬と4月上旬というのは新学期の始まりや新生活の始まりも関わってくるので、3月31日と4月1日ではメールの内容がガラリと変わってきます。
他にも月をまたぐ二十四節気はありますが、春分ほど期間中に状況がらりと変わるものはないので時候の挨拶の例文を参照するときでも注意してください。
二十四節気について
時候の挨拶は二十四節気と繋がっているケースがとっても多いので、二十四節気を理解していると時期についても名前から推測できるようになります。
まず、時期やサイクルについては以下のとおりです。
- 二十四節気のサイクル
立春(2月4日~19日)→雨水(2月19日~3月5日)→啓蟄(3月5日~3月21日)→春分(3月21日~4月5日)→清明(4月5日~4月20日)→穀雨(4月20日~5月5日)→立夏(5月5日~5月21日)→小満(5月21日~6月6日)→芒種(6月6日~6月21日)→夏至(6月21日~7月7日)→小暑(7月7日~7月23日)→大暑(7月23日~8月8日)→立秋(8月8日~8月23日)→処暑(8月23日から9月8日)→白露(9月8日~9月23日)→秋分(9月23日~10月8日)→寒露(10月8日~10月23日)→霜降(10月23日~11月7日)→立冬(11月7日~11月22日)→小雪(11月22日~12月7日)→大雪(12月7日~12月21日)→冬至(12月21日~1月5日)→小寒(1月5日~1月21日)→大寒(1月21日~2月4日)
ザックリと15日サイクルで回っているのですが、これは太陽の位置によって定められており天文学が遙かに進歩した現代では明確にこの二十四節気が切り替わるタイミングがわかっており、分単位で発表されています。
参考資料;国立天文台令和 4年(2022) 暦要項
この国立天文台の公式ホームページを見てもわかるように、二十四節気の移り変わりは『太陽黄径』が15度ずつ切り替わったタイミングなのです。
黄経について軽く解説します。
まず、太陽が地球から見て一年かけて一周する移動経路を『黄道』として、地球の赤道をそのまま広げていった『天の赤道』というものがあると認識してください。
この二つの交点を『分点』としたときに黄道が南から北へ交わる点を春分点として起点の0度として、黄道を360度に分けた物が黄経となるのです。
ちょっとわかりにくいと思いますが、二十四節気は太陽の位置によって決まっており、黄経と呼ばれる角度で判断していると認識してください。
具体的な『春分の候』を使った例文
それでは具体的に『春分の候』を使った仕事で使える例文と、友達とのやりとりで使える例文を紹介します。
書き出しの例文
それでは具体的に見ていきましょう。
- ビジネス上のお付き合いをしている相手での例文
・拝啓 春分の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 春分の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 春分の候、貴社におかれましてはなお一層のご発展のことと大慶至極に存じます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・拝啓 春分の候、ご家族の皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
・拝啓 春分の候、貴店に置かれましては、いよいよご発展の由、大慶の至りに存じます。
・拝啓 春分の候、皆さまお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。
・拝啓 春分の候、○○様には、いよいよご壮健にてご活躍の由、心からお喜び申し上げます。
・拝啓 春分の候、暑さ寒さも彼岸までと申しますように過ごしやすい季節となりました。
・拝啓 春分の候、心浮き立つ季節となりました。ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
- ある程度仲がいい人への例文
・拝啓 春分の候、吹く風もすっかり暖かくなり、コートが重く感じられる季節になりました。
・拝啓 春分の候、暑さ寒さも彼岸までと申しますが、彼岸に入ってめっきり暖かかくなってまいりました。
・拝啓 春分の候、お花見のシーズンになると、気持ちまで華やぎます。
・拝啓 春分の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
・拝啓 春分の候、皆様変わらずお元気でお過ごしのことと存じます。
春分は3月下旬か4月上旬かで例文も変わってくるので、どのように用いるのかはよく判断してください。
結びの例文
結びの言葉の方も仕事と友達で別途解説します。
- ビジネス上のお付き合いをしている相手での例文
・新年度を迎えお忙しいことと存じますが、今後共ご支援ご厚情を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
・新天地でのさらなる飛躍をお祈り申し上げます。
・思わぬ花冷えにお風邪など召されませんようご自愛くださいませ。
・今後とも変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。
- ある程度仲がいい人への例文
・桜もちらほら咲き始めていましたから、今から花見を楽しみにしています。
・四月からの新生活、健康には特に気をつけて頑張ってください。
・新しい環境でもあなた様のいっそうのご活躍をお祈り申し上げます。
・花冷えの季節にてお体を大切にお過ごしください。
・季節の変わり目は風邪をひきやすくなりますので、ご自愛専一にてお過ごしください。
親しい人が相手の時はもうちょっと砕けたやりとりでもいいでしょう。
ただし、仕事でのやりとりはある程度決まっているので、テンプレートのコピーでも大丈夫です。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は春分の候について色々と解説しました。
とにかく3月31日と4月1日というとっても大きな分岐点が関わってくる季節なので、時候の挨拶もこの区切りで大きく変わってきます。
なので、同じ時候の挨拶でも3月と4月では使い分けるようにしましょう。
ただコピーして貼り付けしていると大きなミスをしかねないので、本当に注意してください。
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