浅春の候を使う期間はいつ?例文や結びを解説

時候の挨拶にも『使い慣れた物』から『わからなくても文字からなんとなく推測できる物』、『推測も難しく見慣れないために最初見た時にはちょっと戸惑う物』など色んなタイプがあります。

今回はなんとなく文字から予想できるため『わからなくても文字からなんとなく推測できる物』に該当している『浅春の候』について、使う期間や例文などをまとめていきます。

結びの例文もきっちりとまとめますので、この『浅春の候』にまつわる情報を一頻り集めたい方はここだけできっちりとわかる内容に仕上げていきましょう。

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『浅春の候』を使う時期や意味について

まずはこの『浅春の候』の読み方や使いタイミング、意味などを紹介します。

例文に特に興味が無いという方は、ここだけ押さえてもらえればOKです。

読み方:せんしゅんのこう
使う時期:一般的には3月上旬から中旬立春から雨水の終わりまで(2月4日頃~3月5日頃)という意見あり
意味と使い方:『春の初めの季節に入った今日この頃』とか『春が浅く寒い日が続く今日この頃』という意味があり、3月に使う人もいれば立春が終わった2月から使う人もいる

まず『~の候』とは『~を迎えた今日この頃』とか『~の季節になりましたが』という意味があり、これに浅春の意味を理解してくっつければ理解できるようになります。

問題は使う時期であり、これが筆者が見た限りだと意見が割れているので使いにくい状態になっているのです。

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使うタイミングについての諸注意

これは筆者が今回の時候の挨拶である『浅春の候』で頭を悩ましている部分であり、使いにくくしている問題点でもあります。

この使う時期は先ほど解説したように『3月上旬から中旬』という説と『立春から雨水の終わりまで』という説があるのです。

それらの説についてどうしてそうなっているのかは以下のとおりです。

  • 3月上旬から中旬という時期になっている理由

・新暦の暦に合わせて用いる必要があり、一般的な春のイメージは3月上旬からなのでそこに合わせるべきという意見があるから

・2月は寒すぎて冬というイメージしかないので、この浅春と言われてもしっくりこないからという意見があるから

・3月下旬までいっちゃうと本格的な春が到来して暖かくなる傾向にあるので、浅春ではもはや無いという意見があるから

  • 立春から雨水の終わりまでという時期になっている理由

・元々が二十四節気における初旬を示す立春と雨水の時期を表す言葉なのだから、その時期に使うべきという意見があるから

・春の初めの時候を表す言葉であり早春の候にもほぼ置き換えられる言葉なのだから、初旬の期間中に用いるべきという意見があるから

これは筆者から見てもどちらも納得できる部分ですので、正解がありません。

もはや受け取り方次第というなんとも厄介な状態になっています。

二十四節気について解説

時候の挨拶と二十四節気は切っても切れない関係ですが、今回も登場してきたので、期間やサイクルについて簡単に解説します。

  • 二十四節気のサイクル

立春(2月4日~2月19日)→雨水(2月19日~3月5日)→啓蟄(3月5日~3月21日)→春分(3月21日~4月5日)→清明(4月5日~4月20日)→穀雨(4月20日~5月5日)→立夏(5月5日~5月21日)→小満(5月21日~6月6日)→芒種(6月6日~6月21日)→夏至(6月21日~7月7日)→小暑(7月7日~7月23日)→大暑(7月23日~8月8日)→立秋(8月8日~8月23日)→処暑(8月23日から9月8日)→白露(9月8日~9月23日)→秋分(9月23日~10月8日)→寒露(10月8日~10月23日)→霜降(10月23日~11月7日)→立冬(11月7日~11月22日)→小雪(11月22日~12月7日)→大雪(12月7日~12月21日)→冬至(12月21日~1月5日)→小寒(1月5日~1月21日)→大寒(1月21日~2月4日)

今回のお話はこの二十四節気における立春から雨水の終わりまでを『浅春』として判断するかどうかというお話です。

昔はそのように判断して使われていたのですが、今の春のイメージに合わせるべきという言葉を通すのならば3月の上旬が当てはまってくるでしょう。

参考資料

国立天文台令和4年(2022年)暦要項

具体的な『浅春の候』を使った例文

それでは具体的な使い方についてまとめていきましょう。

ここでは仕事で使うパターンと、プライベートに近い形で用いるパターンで分けていきます。

例文

の例文

それでは具体的に見ていきましょう。

  • ビジネス上のお付き合いをしている相手での例文

・拝啓 浅春の候、皆様にはいっそうご活躍のことと慶賀の至りに存じます。

・拝啓 浅春の候、貴社におかれましてはなお一層のご発展のことと大慶至極に存じます。毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

・拝啓 浅春の候、〇〇様にはいっそうご活躍のことと慶賀の至りに存じます。

・拝啓 浅春の候、貴店に置かれましては、いよいよご発展の由、大慶の至りに存じます。

・拝啓 浅春の候、○○様には、いよいよご壮健にてご活躍の由、心からお喜び申し上げます。

・拝啓 浅春の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

・拝啓 浅春の候、御一同様にはいよいよご壮健のことと拝察いたしております。

  • ある程度仲がいい人への例文

・拝啓 浅春の候、桜の便りが聞かれるようになった今日この頃。ご家族の皆様はお変わりありませんか。

・拝啓 浅春の候、春まだ浅き今日この頃、ご家族の皆様もお元気でお過ごしのことと拝察いたします。

・拝啓 浅春の候、桜の花が待ち遠しい毎日です。

基本的に仕事でのやりとりはテンプレート化しても問題ないです。

ただし、プライベートでのやりとりは中身が重要なので、自分である程度は考えないといけません。

結びの例文

結びの言葉の方も仕事と友達で別途解説します。

  • ビジネス上のお付き合いをしている相手での例文

・今後とも変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。敬具

・寒暖定まらぬ時期ですので、健康管理に十分ご留意下さい。敬具

・不順な天候が続いておりますので、何卒ご自愛下さいませ。敬具

・天候不順の時節柄、どうかご自愛専一に、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。敬具

・今後とも末永くお引き回しのほど心よりお願い申し上げます。敬具

  • ある程度仲がいい人への例文

・桜の便りが待ち遠しいこの頃、暖かくなったら遊びに行きます。敬具

・季節の変わり目は風邪をひきやすくなりますので、ご自愛専一にてお過ごしください。敬具

・寒さもあと一息です、元気な春を迎えましょう。敬具

こちらも一緒で、仕事に関する文章はほぼテンプレートでOKです。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか。

今回は『浅春の候』について色々とご紹介いたしました。

正直使うタイミングについて意見が分かれてしまっているので、とっても使いにくい時候の挨拶です。

受け止め方次第の所もあるので、筆者としては使わない方がいい時候の挨拶だと思います。

相手に不快感を与えた時点で挨拶としては大失敗なのです。

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