マラソン世界記録の歴史!好タイムが出やすい条件とは?

マラソンの高速化がいろいろと騒がれている昨今ですが、このタイムはいよいよ2時間を切ると言われています。

今回はマラソン世界記録の歴史を解説しつつ、好タイムが出やすいコースの商況および環境についても解説していきましょう。

マラソンの世界記録はどうなっているのか、2時間を切るという噂はどれだけ信憑性があるのか、いろいろと気になる世界記録の歴史を追いかけていきましょう。

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男子マラソン世界記録の歴史

参考資料

男子マラソンの日本記録の推移

こちらはとってもわかりやすく、男子のマラソン世界記録の歴史と日本記録の歴史をまとめている推移の表になります。

これがとてもわかりやすく、1960年代に日本人の重松氏が2時間12分という記録を出しており、そこからの歴史が簡単にわかってきます。

最新の世界記録がケニアのエリウド・キプチョゲ選手がベルリンマラソンで記録した2時間1分39秒となっているのです。

約60年で10分程度短縮したことになります。

マラソンの記録はかなり古くから残っており、最初のマラソン大会は第1回アテネマラソンと言われているのですが、このときのマラソンは距離が異なり40kmだったのです。

当時の記録は2時間58分50秒だったのですが、これを今の距離に直すと3時間8分程度になります。

そこから考えると100年で1時間も短縮したことになるのです。

しかし、この情報を改めて見てみると第1回アテネマラソンは1896年に開催されていたので、そこから60年で50分程度短縮できたが、そこからさらに60年では10分程度しか短縮できていないということでもあります。

このように世界記録の推移がかなり鈍化しているので、限界説も出ているのですがこれからがどうなるのかが注目されているのです。

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女子マラソン世界記録の歴史

参考資料

女子マラソンの世界記録・日本記録の推移

こちらの表は『図録▽女子マラソンの世界記録・日本記録の推移』というサイトにあるもので、とてもわかりやすく世界記録の変遷をデータ化しているものになります。

これを見るとわかるのですが、1980年代に2時間20分台だった記録が今では2時間14分4秒に名手います。

つまり10分程度短縮できたということです。

いろいろと古い記録を調べると、女子マラソンでは1926年に3時間40分22秒となっていました。

そこから60年間で1時間20分ほど短縮できましたが、その後は10分程度の短縮になっていることもわかっています。

こういったデータを見ると、女子の方もタイム的にはかなりギリギリの可能性が高く、ここからタイムをより短縮するのは難しいという意見も納得できます。

東京マラソンの歴代優勝者のタイムは?

こちらは東京マラソンの優勝者の記録をまとめたものになります。

これを見るとわかるのですが、ケニアやエチオピアというアフリカ勢がものすごい強さでひたすら優勝し続けています。

男子で優勝した日本人は2010年の藤原正和氏、女子は2011年の樋口紀子氏にまで遡るので、かなり苦戦していることがわかります。

昔は日本人のマラソンランナーもオリンピックでメダルを獲得することが結構多かったのですが、これだけ見てもかなり苦戦していることがわかります。

前述した世界記録と日本記録について見てもらえるとわかるように、男子は3分、女子は5分ほど差がついてしまったので、この差を詰めるのは非常に難しいのではないでしょうか。

東京マラソンこそ日本人が記録が出るホームコースという意見もあるのですが、近年ではひたすらアフリカ勢の後塵を拝する状態になっており苦しい立場になっているのでしょう。

東京マラソンはタイムが出にくいという指摘もありますが、2022年に優勝したケニアのエリウド・キプチョゲ選手が2時間2分台で優勝しているので、そのいいわけは通用しないでしょう。

ちなみに、この人は現世界記録保持者であり、複数のペースメーカーが何度も入れ替わるとか自転車から飲み物を受け取るといったスペシャルルールを採用したレースでは、2時間切りを果たした鉄人です。

非公認記録ですが1時間59分40秒で走ったというのは伝説になるでしょう。

マラソンで好タイムが出る条件とは?

ここでは具体的にタイムが出やすい条件についてまとめていきましょう。

これは人によって意見が違うところがあるので、その中から納得できるものを抜粋してまとめるという形にしていきます。

気温は3〜10℃

これは学術論文としても世の中に出ており、詳しくは『Impact of Environmental Parameters on Marathon Running Performance | PLOS ONE』をご覧ください。(言語を日本語に選択してご覧ください)

参考資料

マラソンのランニングパフォーマンスに対する環境パラメータの影響

この論文を見てみると、どうやらフルマラソンで最高のタイムが出る気温は3.8℃から9.9℃とのことです。

走行中に体から出る熱をある程度空気で冷やせるレベルが最適とのことなので、この温度が理想的なのでしょう。

11℃から13℃でもある程度の好タイムが出るという意見もあるので、3℃から13℃と考えた方がいいかもしれません。

それ以下やそれ以上となると、寒すぎたり熱すぎたりするので高パフォーマンスを維持できなくなるとのことです。

つまり、これらの温度になっている場所を選んで走るのが理想となってきます。

雨や風はNGで悪天候は論外

最高のタイムを出すには悪天候は論外であり、雨や雪の中を走ってもタイムは伸びません。

さらに注意すべきなのが風の存在で、強い風がある環境ではタイムが出ないと言われております。

風による影響は追い風でも向かい風でもあまりいい影響を与えないとのことなので、できる限り無風の環境が理想なのでしょう。

また、多少風があったとしても先導車があり、風よけをしっかりとしてくれる環境が整っているのならばタイムは出やすいと言われていました。

選手のモチベーションが上がるかどうか

やっぱりこういったレースというのはモチベーションが大事なので、やる気がアップするモチベーションがある大会ならば必然的に好タイムは出やすいと言われています。

わかりやすく優勝賞金や賞品がある大会で好タイムが出るのは納得です。

高低差が少ないコース

当然ですが、高低差があるとそれだけ体に負担になってしまうのでタイムは落ちます。

なので、できるだけ平坦な道を走れるコースを選ぶことが好タイムを選ぶ条件になってきます。

シューズの進化はかなり影響は大きい

こういった足を使って走ったり飛んだりする競技はシューズの進化が非常に大きな影響を与えます。

しかし、今はその進化もストップした状態にあるので、記録的にも2時間切りは難しいと言われているのです。

近年の話題になったのが2017年にナイキから登場した厚底シューズです。

世界は超薄型にシフトしている中、突然登場したこの厚底シューズは分厚いソールがとても特徴的で非公認ですが、キプチョゲ選手が2時間0分25秒というすさまじい記録を出します。

この厚底シューズは2015年からちょくちょく登場していたのですが、2017年に一般販売となったこと、そして履いた選手がとんでもない記録を出したことでとてつもなく有名になり、ほかのスポーツメーカーが模倣するに至ったのです。

しかし、席巻しすぎてしまったのか、世界陸連が厚底シューズの利用ルールを規定するに至り、ソールの厚さやトラックでの使用NGなどかなり制限がされる状況になってしまいました。

こういった制約がなければ2時間切りもすぐに見られたかもしれませんが、ルールによる縛りがあるので靴の進化はしばらくは停滞すると思われます。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか。

今回はマラソン世界記録の歴史についてまとめ、どのようなコースで好タイムが出やすいのかをまとめてきました。

タイムを見ると、男子は2時間を切りそうなところまで来ています。

非公式記録で2時間切りがあるので時間の問題と言われていますが、陸連が靴に関する規制をいろいろとしてしまったので靴の進化による後押しはしばらくは難しいでしょう。

こういった事情を加味すると、この2時間切りというのは難しい課題になり続けると思います。

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