プロ野球選手乱闘件数は近年減少した理由とは?ペナルティが重くなったから?

プロ野球は見ていて面白いですが、そのプロ野球の珍プレー好プレー特集で頻繁に登場するのが昔の殴り合いにまで発展していた大乱闘シーンです。

今回はプロ野球乱闘について注目し、近年は減少しつつあると言われているので件数はどうなっているのか、実際に乱闘があった場合の退場処分件数はどれぐらいあったのかを見ていきたいと思います。

昔と比べると乱闘が減ってしまった理由は何なのかもご紹介いたします。

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プロ野球の年代別の乱闘件数の比較はできるの?

それではプロ野球の乱闘回数をデータとして引っ張って比較を行いましょう、と意気込んで色々とデータ集めをしたのですが、乱闘は負の歴史になってしまうので公式がデータとしてまとめていることはなく、過去の映像を全部見て比較でもしない限り発生回数の比較ができないことがわかってしまいました。

Yahoo!知恵袋でも『プロ野球の乱闘回数のデータってありますか?』という質問に対する回答がほとんどないので、データ比較は諦めるしかありません。

プロ野球の乱闘回数のデータってありますか? 全体にはやっぱり減っているの?

とりあえず参考になるのは、こちらの『乱闘 – Wikipedia』と『警告試合 – Wikipedia』と『日本球界 歴代衝撃の乱闘劇TOP10 | 野球コラム – 週刊ベースボールONLINE』ぐらいでしょう。

参考資料

乱闘(らんとう)は、明確な敵対意識を持った人間同士が、正対した形ではなく入り乱れた様相を呈しながら戦うこと

警告試合

警告試合

こちらを見てみると話題になっている乱闘は、1950年代から1990年代までがほとんどであり、2000年代以降で大乱闘になったシーンはあまりありません。

2000年代の殴り合いになっている乱闘はあるの?

1イニング中三死球により、警告地合になった2015年5月8日のオリックスと日本ハムの試合や同年5月6日のヤクルトとベイスターズの2軍試合では、両軍の選手がグラウンドへなだれ込むだけで乱闘に発展していません。

2019年8月13日のライオンズとオリックスの試合も、死球が多発した結果両軍選手によるもみ合いにはなっているのですが、あくまでも突き飛ばしているぐらいで殴り合いにはなっていないのです。

これはちょっとした小競り合い程度であり乱闘とは言えないでしょう。

このように2000年代になると一触即発の雰囲気になるだけで、本気での殴り合いになることはほとんどなく、あったとしても一部の外人が大暴れをして止めに入った人が吹っ飛ばされるレベルに収まっているのです。

ちなみに、その吹っ飛ばしている動画の一部が以下になります。

参考資料

https://www.youtube.com/embed/TJJNaP7ZscM

こちらも見てもらうとわかるのですが、暴れているのはごく一部で大乱闘に発展しているわけではありません。

1989年に清原がデッドボールを食らい、投手へヒップアタックしたのは、少し過激な内容になっています。

退場処分された件数(人数)は?

こちらは記事としてまとめている人達がいたので比較はできます。

ただし、それは年度別ではなく個人にスポットを当てて何回退場をしたのかをカウントするという形になっているので注意しましょう。

具体的な退場をした数の比較は、以下のとおりになっています(選手時代と監督屋コーチ時代の両方を拭くんだ数字であり、監督やコーチをやっていない人は選手時代のみの記録でNPBで選手をしていない人ならば監督時のみの記録となる)。

参考データは、『実は落合も!? 金田正一、星野仙一 、ローズ……退場が最も多かったのは? | 野球コラム – 週刊ベースボールONLINE』です。

参考資料

実は落合も!? 金田正一、星野仙一 、ローズ……退場が最も多かったのは?

14回:タフィ・ローズ氏(近鉄→巨人→オリックス)
12回:マーティ・ブラウン氏(広島、広島監督→楽天監督)
8回:金田正一氏(国鉄→巨人→ロッテ監督)
8回:落合博満氏(ロッテ、中日、巨人、日本ハム、中日監督)
6回:星野仙一氏(中日、中日監督、阪神監督、楽天監督)

こうやって数字で見てみると、昭和の時代から野球を見てきた人ならば納得する人達ばかりが登場したのではないでしょうか。

昭和から本格的に野球を見ている筆者は、ローズがひたすら退場をしたのを今でも鮮明に覚えています。

なぜ乱闘は減少したのか?

昭和や平成の初期の時代は本格的に殴り合うレベルの乱闘が多かったのですが、2000年代になると一気に減ってしまいました。

昔ながらの野球ファンならば乱闘は見慣れたものであり、日常茶飯事に感じているだけ、ちょっと寂しいと思っている人もいるでしょう。

このように乱闘が減ってしまった要因は、一言でまとめてしまうと『他球団の選手と仲良く交流する機会が昔と比べると圧倒的に増えたから』となります。

昔は他球団の選手は敵であるという認識が圧倒的に強く、一緒に戦うのはオールスターぐらいだったのです。

仮にリーグが違う場合は永遠に敵のままでしょう。

しかし、現代は携帯電話も普及に伴って色んなSNSが発達し、野球選手同士でのSNSのやりとりも容易になって他球団の選手は敵という認識が薄れます。

またWBCやオリンピックといった国際試合が誕生したことで、日本人同士で一緒に戦うことが多くなり、敵という認識よりも同じ日本人であり野球をする同士という認識が一気に広がります。

切磋琢磨する仲間であるという考え方が当たり前となったのです。

こういった流れもあり、他球団の選手とオフシーズンは合同で自主トレをすることが当たり前となり、シーズン中は敵だけどシーズンが終わったら同じ野球仲間という扱いになりました。

これが昔と比べて乱闘がなくなった大きな要因です。

逆に、外国人選手の場合はそういった日本人同士の横の繋がりが一切ないので、今でも遠慮なく殴りに行く可能性があります。

乱闘を起こした選手や監督コーチへのペナルティは厳しくなった?

また、乱闘を起こした選手や監督やコーチに対するペナルティが昔と比べると多くなったために乱闘が減ったという意見もあります。

こちらの『乱闘バレンティンに罰金20万 矢野コーチは15万 – 野球 : 日刊スポーツ』を見ると、阪神対ヤクルトで退場処分騒ぎがあり、ヤクルトのバレンティンが厳重注意と制裁金20万円、阪神矢野コーチに厳重注意と制裁金15万円というペナルティがあったのです。

こういった制裁金以外にも報復行為や乱闘行為を未然に防ぐために、選手や監督を退場させる警告試合も増えているため、乱闘がかなり減りました。

ちなみに、メジャーでは2019年にも最多10試合を含む合計40試合の出場停止と罰金処分が大乱闘に関わった11人以上に発表されたので、やはり暴れる人は暴れています。

参考資料

乱闘バレンティンに罰金20万 矢野コーチは15万

暴言や侮辱行為だけでも退場になったのはいつから?

暴言や侮辱行為だけでも退場になってしまうために乱闘が減ったという意見があります。

たとえば、2010年7月27日の楽天対ソフトバンク戦において、山崎選手が球審の白井一行氏に対し暴言を吐いて退場しています。

しかし、こういった暴言や侮辱行為での退場というのは公認野球規則9.02にはっきりと記載してあるのです。

『2018 野球規則集』に明確なルールとして、『審判員は、プレーヤー、コーチ、監督または控えのプレーヤーが裁定に異議を唱えたり、スポーツマンらしくない言動をとった場合には、その出場資格を奪って、試合から除く権限を持つ』

『審判員がボールインプレイのとき、プレーヤーの出場資格を奪った場合には、そのプレイが終了して、初めてその効力が発生する。』とありますので、暴言や侮辱行為はアウトであることがわかります。

このルールがいつからあるのかまでははっきりとできませんでしたが、2010年の記事にも記載がありまし、おそらくかなり前から明文化されていたのでしょう。

参考資料

2018 野球規則集

まとめ

以上、いかがだったでしょうか。

今回は日本プロ野球における乱闘についての情報をまとめました。

以外と乱闘に関する情報はネット上でもまとまっていなかったために、資料探しが非常に難航しました。

それでも昔と比べると殴り合うレベルの乱闘は、かなり減っているのでとてもいいことだと思います。

確かに、日本代表チームとして一緒に戦う機会があるのならば、殴り合うのはちょっと難しいでしょうし、これからも乱闘のないエキサイティングな試合を多くのファンは見たいはずです。

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