野球を日常的に見ている人でもなかなか見ないプレイというのは色々あります。
今回はそのなかなか見ないプレイの一つとなっている3塁打について掘り下げ、プロ野球においてどの球場が出やすいのか、そもそもどれくらいの割合で出てくるものなのかといった情報をまとめていきます。
筆者も野球は最も身近なスポーツで一番見るスポーツではあるのですが、3塁打を見る回数は改めて考えるととっても低く、実際の数字がとても気になっているところです。
3塁打が出やすい球場について
現代日本野球においてどの球場が3塁打が出やすいのか、パリーグとセリーグを分けて見ていきます。
今回はこちらの『日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog』で、まとめてあるパークファクター
から出やすい球場かどうかをチェックしていきましょう。
参考資料
パークファクターは本拠地とするチームの成績ではなく、打席数ベースでの計算となるので、チーム力とは関係なく、あくまでも球場の状態を見る指標として最もわかりやすい数値になっています。
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セ・リーグにおける3塁打が出やすい球場
まずはセ・リーグのデータです。
参考にしたページはこちらの『セリーグ三塁打パークファクター[1957-] – 日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog』になります。
参考資料
これを見るとわかるのですが、3塁打が出やすいのは甲子園・ナゴヤドーム・マツダスタジアムで、逆に出にくいのは東京ドーム・明治神宮野球場・横浜スタジアムになります。
どうしてこのような差が出てしまうのか詳細は後でまとめていきますが、球場の広さが間違いなく関係しているのはよくわかります。
パ・リーグにおける3塁打が出やすい球場
次はパ・リーグのデータです。
参考資料
これもかなり極端な数値が出ている球場があります。
3塁打が圧倒的に出やすいのは西武ドームです。
大阪ドームもそこそこ出やすいのが、マリンスタジアムと楽天と札幌ドームは普通ですね。
問題はソフトバンクの福岡ドームで、ここはものすごい3塁打が出にくい球場となっています。
これは極端すぎる数値です。
2021年はどれくらい3塁打が出ていたの?
次はより具体的に2021年度のシーズン成績から、そもそもどれくらい3塁打が出ているのかを見ていきましょう。
これはシーズン成績をまとめているサイトならばどこでも見られる情報になりますが、今回はこの『2021年度 公式戦成績 | NPB.jp 日本野球機構』さんのサイトを参考にさせていただきます。
参考資料
それぞれの球団の2021年シーズンの3塁打が出た数は以下のとおりです。
この数値を見てどのように感じましたか。
年間試合数143試合でだいたい3塁打が20本程度と、かなり少ないです。
1週間に1回3塁打が見られたら、ラッキーぐらいに考えた方がいいでしょう。
本塁打の5分の1程度の発生頻度なので、ホームランよりも圧倒的に3塁打を見られる確率は低いのです。
かなりレアなプレイと考えた方がいいでしょう。
ちょっとひどい話をすると盗塁刺よりも発生確率が少ないので、盗塁刺のほうが頻繁に見る光景になってしまっています。
2021シーズンは誰がどれくらい3塁打を打ったのか
シーズン成績から色んな数値が見られますが、3塁打をどれだけ打ったのかも見ることができます。
2021シーズンにおける3塁打を最も多く打ったのは、セリーグだとヤクルトの塩見泰隆選手の7本で、パリーグだとオリックスの宗佑磨選手と源田壮亮選手の7本になっていました。
ようするに、多い人でも1シーズン10本も打てないということなのです。
この数字を見ると、どれだけ発生確率が少ないのかも間接的に見えてきてしまいます。
これでは、発生確率も低くなるはずです。
なぜこんなに球場別に差があるの?
ここまで球場別に差が発生する理由を大まかにと説明すると、『球場の広さによる差が色々と激しいから』となります。
より具体的に記載すると、フェンスの高さとフェンスまでの距離が大きく関係しているでしょう。
要するに、『外野が広くてフェンスが高い球場』がホームランが出にくいために3塁打が出やすくなり、『フェンスまでの距離が狭くフェンスも低い球場』はホームランが出やすくフェンスに直撃しても早く捕球できるので3塁打が出にくくなるのです。
今回のパークファクターで出やすい球場と出にくい球場がはっきりと分かれましたが、3塁打が圧倒的に出にくいソフトバンクのホーム球場はテラス設置によって外野が狭くなりました。
また、フェンスも低くなったことでホームランが出る数が圧倒的に増え、3塁打の発生確率がものすごく減少したのです。
これがセリーグにも当てはまり、3塁打が出にくい東京ドーム・明治神宮野球場・横浜スタジアムは、その代わりホームランが出る数がとっても多い球場となっています。
逆に、ナゴヤドームや甲子園は3塁打は出やすいけど、ホームランはかなり出にくい球場として有名です。
3塁打は守備シフトが大きく関係する?
ここからは筆者の個人的な感想や考え方を色々と述べていきます。
『その考え方は納得できない』という点もあるかもしれませんが、あくまでも個人的見解ということでそこはスルーでお願いします。
筆者は少年野球から高校まで外野手を経験し、またそれこそ様々な野球のゲームもしてきました(『パワプロ』とか『ファミスタ』とか『プロスピ』とか『プロ野球チームを作ろう』等・・)。
特に、新しい作品となっている野球ゲームは、現実のプロ野球における戦術や監督の考え方もある程度トレースできていると考えています。
そこで、必ず発生するのが守備シフトです。
いわゆる引っ張り打ちが得意な選手を操作しているとCPUは、『引っ張り警戒』のシフトを敷くので、右か左に寄ります。
これが強打者になると、『長打警戒』のシフトを敷かれて1塁手や3塁手がよりラインに寄って、外野は後退します。
このシフトを組まれると、2塁打や3塁打が発生する確率がかなり減って単打が増えます。
足の遅い強打者はフェンス直撃で単打なんてシーンも多発するのです。
ゲームのように極端ではないかもしれませんが、長打を打てる選手は非常に警戒されて3塁打がめちゃくちゃ出にくくなっているのではないでしょうか。
筆者的に3塁打のランキングに足も速く長打も打てるヤクルトの山田選手やソフトバンクの柳田選手あたりが入ってくると思っていたので、ランキングにいないときにはびっくりしました。
あくまでも個人的な意見ですが、この3塁打のランキング上位にいる人はおそらくこういった長打警戒のシフトもほとんど組まれなかったのではと邪推してしまうのです。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は3塁打が出やすい球場についてお話ししました。
やはり3塁打もホームランも出やすい球場と出にくい球場がはっきりと分かれています。
しかし、3塁打が出やすい球場はほとんどがホームランが出にくい球場となっているので、筆者的には3塁打は減ってもいいのでホームランが出やすい球場の方がうれしいです。
かといってアメリカのようなフライボール革命に突き進むのも問題だと思っているので、なかなか難しいところではあります。
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