野球における花形といえばやっぱりホームランですが、どうも2022年シーズンはホームランが激減しているようです。
そこで、今回はこのホームランが出なくなっている問題について様々な角度でお話ししていきます。
統一球が再び導入されているのではという声も出てきていますが、はたして真実はどうなっているのでしょうか。
また、この記事は2022年6月下旬現在のデータを基にしているためそれを踏まえてご覧ください。
そもそも統一球問題って何?
2022年シーズンのホームランが減っているというお話で必ず出てくるのが、2011年シーズンと2012年シーズンに導入された結果、すさまじい議論となり話題となってしまった統一球問題です。
この問題を一言で説明すると、『2011年シーズンと2012年シーズンに基準値を下回る反発力が異常に低いボールを導入した結果、このシーズンの打者成績が急激に悪くなり、しかもボールに関しての選手会が側の質問に対して虚偽報告をしていた問題』となります。
元々の動機が主催試合で使う公式球を選択できていたために、飛ぶボールを選ぶ球団も出ており、ばらつきがひどく飛ばないボールに切り替わったときの対応力が低下する懸念があるというものでここまでは納得できます。
しかし、そのために導入されたボールがあまりにも低反発すぎるボールであり、そういったボールに関する情報を正確に選手にも観客側にも教えなかったので、大問題となりました。
その結果、2010年シーズンには総本塁打数が1605本もあったのに、2011年シーズンには939本と大幅に減少し、完封試合といった投手の記録が大量発生したのです。
ちょっと話が長くなりましたが、要するに低反発の飛ばないボールを導入してホームランの数を劇的に減らしたと考えてください。
2022年シーズンはホームランの数が減っている?
それでは具体的に数字を見ていきましょう。
参考にしたのはこちらの『統一球は昨年より飛ばない?西武山川選手「飛ばない。間違いない」…NPB明言「規定内」(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース』というページです。
参考資料
このページは何時消されるのかわからないので、できる限り引用しながら紹介します。
この記事では『12球団合計では1192・6本ペースとなり、昨年の1449本から250本以上の減少』と記載してあります。
その内訳としてセリーグが6月19日までの段階で100本以上減少するペースとなり、パリーグも同じく6月19日までの段階で150本近く減少するというペースとなっています。
西武の山川穂高選手もこちらの『【西武】山川穂高「飛ばない方がありがたい」今季のボール「飛ばない」断言も本塁打への自信不変(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース』の記事で、はっきりと『ボール、飛ばないです。間違いないです。確信は持ってます』と発言していると書いてあります。
さらに『打球速度に対する飛距離を見ても飛んでません。だいたい160キロ、出たらホームランは打てる。僕は速い時は180キロぐらい行くけど、その時の飛距離が飛んでない』とも言っています。
実際にその発言を受けて、日刊スポーツの記者がホームランの飛距離を調べて見た結果、ベルーナドームに限定して見るとホームランの飛距離が4.9mも落ちていることがわかっています。
2011年シーズンのようなびっくりするぐらいの減少にはならないでしょうが、このペースだと250本も減ってしまうというのはかなり衝撃的ではないでしょうか。
NPBの言い分は?
このように数値として色々とおかしいですし、選手側からも飛ばないという声が明らかに出ているのですが、日本野球機構側はなんと言っているのでしょうか。
これはこちらの記事『例年通りの規定値内なのに「飛ばない」今季の統一球、年間本塁打ペースは250本以上減少 – プロ野球 : 日刊スポーツ』を見るとわかりやすいです。
参考資料
この記事を見るとNPB側は『全て規定値内で報告が上がっている』と発言しており、統一で決められている反発係数の『0.4034~0.4234』という数値はクリアしている球を使っていると断言しています。
これが虚偽報告でないのならば球には問題が無いと言えるでしょう。
個人的には一度虚偽報告をしたという歴史があるので、完全には信用できませんが・・・
なぜこんなにホームランが減ってノーヒットノーランや完全試合が増えているの?
NPB側は球には問題ありませんと断言しています。
ではなぜ2022シーズンは何でここまで投高打低になっているのでしょうか。
ここからは色々と筆者が調べているうちに思いついた可能性を、書いていますので、あくまでもそういった可能性あるかもしれないという見方でお願いします。
NPB側が虚偽報告をしている?
実際に過去にNPBが虚字報告をして、実は反発係数が低くなっているというケースです。
個人的には低確率だと思いますが、可能性はあると思います。
許容範囲の下限ギリギリの球ばっかりになっている?
こういった製品及び商品は明確な基準があったとしても、その基準からいくらかの誤差が認められています。
反発係数で見てみると『0.4034~0.4234』となっており、『0.4134±0.01』がクリアの基準となっているのでしょう。
なので、クリアはしているけど全部の球が下限に近い値になっている可能性もあると思います。
保管方法の違いで球に湿気あり?
2022年シーズンから試合球の保管方法が、『アルミ箔を剥く』から『袋から出す』に変わっています。
詳しくはこちらの『試合球は「アルミ箔を剥く」から「袋から出す」に ミズノがNPB球の包装資材を変更へ(Full-Count) – Yahoo!ニュース』をご覧ください。
参考資料
アルミ箔に包んでいた理由は湿気と光からボールを守るためで、新しい包装資材を使うことでアルミ箔から卒業できたというお話です。
しかし、実はこの袋が機能していないので、湿気ってしまい球自体が重くなって飛ばなくなってしまったという可能性もゼロではないと思います。
打者と投手のピークが全体的にずれた?
投手のピークが開幕戦からの2ヶ月ぐらいになっており、打者のピークが暑くなってからの7月ぐらいに変動したという説です。
ただし、これはあらゆる打者と投手のピークがずれることで生ずるものなので、ちょっと可能性としては低いかなと思っています。
投手が全体的に進化した?
基本的にホームランの数以外にも長打率が全体的に下がっているので、打者全体で打てていない状態になっています。
そのため、打者のレベルアップよりも投手のレベルアップが発生しており全体的な投高打低になっているという考え方です。
実際にメジャーでも投手進化がすさまじい事になった結果、フライボール革命が発生して三振かホームランかのどちらかという選手が大量発生しました。
個人的にこの説はかなり有力だと思います。
トラックマンなどの投手側に有利になる様々なマシーンが、日本球界でも導入されており、その効果が如実に出ているとも考えられるのです。
バットが原因?
いわゆる打者が用いているバットが原因という意見もあります。
こちらの『【オリックス】ノーノ―量産の理由、福本豊氏「軽いバットを使って、腕力任せの打者が増えている」(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース』を見てみると、今のプロ野球選手はアオダモではなくメープルやホワイトアッシュなどの材質のバットを使っているとのことです。
参考資料
これも原因としてはありかもしれません。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は2022年シーズンにおけるホームランが激減して、投高打低になっている理由についてまとめました。
2011年シーズンの統一球問題は本当にすさまじく、NPBの信用を損ないました。
あそこまで今シーズンはひどくはないのですが、それでも気になる数字になってきているのでバッター側の何らかの改善は不可欠だと思います。
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