金庫のダイヤル式の鍵はいつから?その仕組みはどうなっている?
大切なモノを保管する金庫ですが、この金庫の歴史は非常に古くダイヤル式になる前から大切なモノを保管するための技術がふんだんに使われていました。
今回はこの金庫の歴史を掘り下げて、どのような鍵があったのか、ダイヤル式の鍵はいつから導入されたのか、そもそもダイヤル式の鍵の発明者は誰なのかを調べて参ります。
2020年における最新金庫の技術もどうなっているのかも見ていきましょう。
日本製の金庫の歴史とは!どんな鍵だった?
鍵の歴史は非常に古く、海外の歴史を辿ると約6,000年前のメソポタミア文明が栄えていたときに用いられた、『かんぬき錠』にまでさかのぼるようです。
ちょっと海外の鍵の歴史までさかのぼってしまうと、ものすごく大量の歴史書を紐解かないといけないので、ここからは日本に搾ります。
日本の場合は、今のところ最も古いと言われているのが画像で紹介している『海老錠』です。
これは1998年に大阪府羽曳野市の野々上遺跡から見つかった鍵で、なかなか面白い細工になっている鍵です。
ただし仕組みは『鍵を差し込んでV字型に広がったバネを閉じて金具を引き抜く』というシンプルなもので、鍵がなくてもバネが閉じられる何かがあれば、簡単に開けられるようになっています。
この鍵は飛鳥時代に中国などの大陸から伝わったモノと言われており、庶民にはまったく縁がなかったので、開けられる人は少なかったのでしょう。
ピッキングツールも流行らなかったと推測されています。
そこから日本における大きな鍵の進化のお話はストップして、色んな鍵が登場するのはなんと戦国時代が終わった江戸時代なのです。
そこで、やっと阿波錠や土佐錠や安芸錠や因幡錠などといった鍵が誕生します。
江戸時代の鍵が流行った理由
画像は江戸時代に流行したカギの一つである『阿波錠』です。
日本の戦国時代というのはいろんな武将が華々しい活躍をする時代でもありますが、鉄砲が登場することで戦場が大きく変化していく時代でもあります。
その象徴が織田信長と徳川家康連合軍と武田勝頼が率いる『長篠の戦』でしょう。
いわゆる鉄砲と騎馬隊が戦うあの戦こそが、技術が大きく表れる象徴となっております。
そこからさまざまな武器や防具が大量に開発生産されて、鍛冶師が重宝されるようになります。
そして鍛冶師そのものが一気に増えていくのですが、いつしか戦争は終わります。
江戸幕府になると一気にそれらの技術は不要なものとなってしまうのです。
そのように鉄砲技師や刀鍛冶としての技術があったけど、必要なくなってしまいました。
そして手に職がなくなってきてしまった人達が、方向転換の行きつく先の一つとして『鍵師』にたどり着きました。
そこで阿波錠や土佐錠や安芸錠や因幡錠などのカギが誕生するのです。
それに戦争がなくなったことで財貨をためることが可能となり、ためた財貨を保管する場所が必要になったというのも大きいでしょう。
とりわけ頑丈な造りと複雑なからくりを造ることが得意だったのが、阿波の国で、特殊な鍵の生産地となったのです。
金庫のダイヤル式の鍵はいつからなの?
ダイヤル式の情が歴史に誕生するのは1857年です。
これが物理的な錠前から切り替わる転換期であり、鍵が大きく進化するための第一歩となります。
ダイヤル式金庫の鍵を発明したのは、残念ながら日本ではありませんでした。
この新たな鍵を生み出した人物は、『ジェームズ・サージェント』と呼ばれる方ですが、インターネット上でよく利用されるWikiにも詳しい人物像が記載されておらず、わからない部分が多いです。
この人は1873年に時限錠の特許も取得しており、1880年にはインターバルの後に開錠できる「タイム・ディレイ・ロック」システムも発明しているのです。
このころから鍵のレベルが一気に上昇していることが良くわかります。
アメリカ合衆国財務省もこのダイヤル式を率先して取り入れており、まさに望まれた泥棒を弾き飛ばすハイテク技術だったのでしょう。
最新式の金庫とは?
2020年の最新式の金庫および鍵とはいろいろとあります。
鍵という視点でみると、ボタンタイプやリモコンタイプ、カードタイプやシールタイプなどいろいろとありますが、金庫となるとある程度限定されるでしょう。
金庫の場合に使われている鍵は、ダイヤル式・シリンダー式・テンキー式・磁気カード式・マグネット式の5種類でしょう。
ダイヤル式というのはいわゆる防犯性に優れている一般的なタイプで、数字合わせを行うものです。
シリンダー式は鍵だけで開錠が可能なタイプですが、鍵も質がかなり上昇しているのでこちらを購入する人も多いでしょう。
テンキー式というのはいわゆる暗証番号を入力して鍵開けするタイプで、磁気カード式は磁気カードを差し込む事で開錠することが可能です。
マグネット式は金庫の錠前にマグネットキーをあてるだけという非常に簡単に開けられるタイプで、開錠回数が多い人向けとなっています。
このように多様性がいろいろと登場しており、自分で選ぶのが現代の金庫となっています。
金庫の選定基準とは?
金庫はこのようにいろんな鍵が存在しているので、はっきりと何をしたいのかで選ぶ必要があるでしょう。
何をしたいのかを、はっきりさせて金庫を選んでください。
例えば、ダイヤル式はいわゆる一般的な金庫というイメージがありますが、やはり防犯性が非常に高く精密構造というメリットがあるのです。
しかし、頻繁に開けるような金庫では結構な時間がかかってしまうので、面倒くさいというデメリットがあります。
逆に、先ほど紹介したマグネットタイプは『金庫の錠前にマグネットキーをあてるだけ』という非常に簡単な操作で開錠が可能なので、頻繁に開ける人にとっては最高に使い勝手がいいでしょう。
ただし、マグネット式はこのマグネットキーが泥棒の手に渡ってしまった場合に、その泥棒を食い止める方法が、なくなってしまうというデメリットがあるのです。
また、一般紙用の耐火金庫の場合は熱に圧倒的に強いのですが、宝飾類や磁気カードやCDなどを保存するのには向いていないというデメリットがあるのです。
というのも、耐火金庫は気泡コンクリートを使っている為、経年劣化があるのでデメリットが発生してしまいます。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は金庫についての情報をまとめました。
日本の金庫は鍛冶師が作り上げた芸術にも近かったのですが、昨今のものは便利なものや防犯性が高いものなど用途によって使い分けるのが基本となっているのです。
簡単に開けられる金庫というのはそれだけデメリットもありますので、使い方をよく理解して選んでください。
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