五色の短冊の意味や願い事が叶う書き方とは?
七夕飾りと言えば笹に願い事を記載した短冊を飾る事にありますが、この行為ははたしてどのような意味があるのでしょうか。
今回は七夕飾りの意味について詳しく解説し、その由来や短冊の意味、笹を使う理由や七夕を、「たなばた」と読む理由などをセットで解説して参ります。
子供に七夕に対する疑問をぶつけられてしまいそうな大人の方々にも、読んでいただきたい内容です。
七夕の笹飾りの意味について
七夕の笹飾りには様々な願いが込められています。
織姫と彦星の力で願いが叶えられるという伝承がありますが、基本的に七夕の由来を辿ると、何かがほしいといった物欲をぶつける場ではなく、技術上達や無病息災や家内安全を願う場所でした。
それがいつしか願いを叶えるための場所として用いられる様になり、様々なモノが飾られるようになったのです。
個人的な見解ですが、古くから飾られていたモノほど、家内安全や無病息災といった意味が込められます。
また新しく付け足された飾り物ほど、お金といったわかりやすい願いを込められていると感じております。
具体的に一つ一つをピックアップして紹介すると以下のとおりです。
・短冊:願い事を書いて成就するように祈願するモノ、これが青or緑・赤・黄・白・黒or紫の5色を用いたモノなら、陰陽五行説における魔除けの効果を発する
・折り鶴:亀は千年鶴は万年という言葉にあるように「長寿祈願」で飾られる
・彦星と織姫:彦星と織姫が飾られる場合は二人が寄り添う形にすることで「永遠の愛」を表現する
・星飾り:星飾りは織姫と彦星の願いを成就する力を高めるべく「星に願いを」という意味がある
・くずかご:くずかごはゴミを捨てるためのモノだが、そこから倹約や清潔を意味する飾りとなる
・吹き流し:吹き流しは織姫が機織りで用いる糸をモチーフにしており「魔除け」や「裁縫や習い事の上達」と
いう意味がある
・紙衣や神衣:これは機織りの神様である織姫にあやかって「裁縫や習い事の上達」を願っていますがそれ以外
に、「着るモノに困らないように」という昔ながらの願いも込められている
・くす玉:笹飾りに用いるくす玉は基本的には「魔除け」の意味がある
・提灯:道やその場を照らす提灯を飾る場合は「心を照らす」という意味がある
・菱飾りや輪飾り:これは天の川そのものをイメージしているが陰陽五行説にお
ける色分けをしている場合は「魔除け」の意味もある
・茄子や西瓜:茄子や西瓜といった食べ物を再現して飾る場合は「豊作祈願」に通じている
・財布や巾着:財布や巾着はいわゆるお金が欲しいというアピールであり「金運アップ」のために飾られている
人によっては折り紙の財布や巾着ではなくリアルな財布や巾着を飾ることもある
・網飾り:網飾りは漁場で使う投網をイメージしており基本的には「豊年豊作大漁祈願」に用いられている、
また何かをすくい上げるという意味から「幸せをすくい上げる」という意味もある
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七夕の由来は?
七夕の由来は中国にあります。
七夕は中国の七夕伝説にあり、この七夕伝説に織姫や彦星が登場するのです。
その内容には「天の川を渡って年に一度再会する」といった今に通じるエピソードがきちんと記載されており、変わっていない部分も多々あります。
中国でもこの七夕伝説の織姫と彦星を願って、機織りなどの技芸の上達を願い、「乞巧奠」というお祭りが開催されていたのです。
これが日本に伝わって、日本でも七夕の行事が取り入れられるようになりました。
ただし、日本の場合は中国から伝わった七夕伝説と、日本古来の棚機津女信仰が混ざり合ってできた物なので、若干内容が異なります。
短冊の意味について
短冊は願いを叶えるための七夕毛のツールであり、魔除けの意味があります。
短冊は願いを記載するために用いられていましたが、昔は短冊を6日の夜まで笹ではなく軒下に飾って、7日には七夕飾りを海や川に流して、神様に持っていってもらうという風習があったのです。
笹竹が用いられる様になったのは、民衆がある程度裕福になった江戸時代以降で、そこから短冊を用いて願いを書くようになったとされています。
江戸時代以前は、短冊ではなく絹の布に字を書いていたようですが、絹の布は高価だったので、広まった民衆では短冊が中心になったようです。
七夕飾りをなぜ笹に飾るの?
日本では古来より、笹竹が神聖なモノとして扱われていたため、七夕飾りの基本が笹竹になったと言われております。
竹はものすごく生命力が強く寒波にも耐えられるので、そこから生命力の象徴として重宝されていたのでしょう。
また、サラサラという笹の葉が揺れる音も日本では強く好まれていたので、この音も神様に通じると考えられていたようです。
このように神様に通じているとか、神聖なモノとして考えられていた笹竹が、いつしか神様への願い事をするという行事の七夕とセットで運用されるようになったのです。
なぜ『タナバタ』と読むの?
中国から伝わった時は、七夕伝説を「たなばた伝説」とは呼んでいませんでおらず、「しちせき伝説」と呼んでいたのです。
七夕と呼ぶようになったのは、日本古来より信仰されていた「棚機つ女(たなばたつめ)」と融合したことにあります。
この「棚機つ女」は、棚機(たなばた)と呼ばれる機織り機で、神様に捧げるための異称を織り上げる女性であり、機織りの神様である織姫と同一視されるようになったのです。
その結果、「七夕」は「しちせき」ではなく、「たなばた」と呼ばれるようになりました。
なぜ五色の短冊なの?
短冊や輪飾りが、5色になっている理由は陰陽五行説にあります。
具体的にその色が何を表しているのかをチェックしてきましょう。
大前提として、陰陽五行説は「木・火・土・金・水」の五行で成り立っているという事を認識しておいてください。
青色または緑色
青または緑色は陰陽五行説における「木」を表しています。
「木」は方角における東や春を意味しており、青竜が守る方角でもあります。
赤色
赤色は陰陽五行説における「火」を表しています。
「火」は方角における南や夏を意味しており、朱雀が守る方角でもあります。
黄色
黄色は陰陽五行説における「土」を表しています。
「土」は中心や、土用の丑の日で用いる土用を意味しており、黄麟が守ります。
金色
白色は陰陽五行説における「金」を表しています。
「金」は方角における西や秋を意味しており、白虎が守る方角でもあります。
紫色または黒色
紫色または黒色は陰陽五行説における「水」を表しています。
「水」は方角における北や冬を意味しており、玄武が守る方角でもあります。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は七夕にまつわるお話を色々とご紹介いたしました。
このように七夕には色んなお話があるので、調べれば調べるほど面白くなっていく題材なのです。
しかも、飾るモノの種類に特徴が出ますので何を飾っているのかを比較するだけでも楽しくなってくるでしょう。
そこが地域性や風習の違いが出るポイントでもあるので、注意深く見てもらいたいです。
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