人気の日本酒『獺祭』(だっさい)の語源とは?何のお祭りなの?

今では日本を代表する日本酒の代名詞のように扱われている『獺祭』は、お酒を嗜む人達にとっても美味しい日本酒としても有名です。

そこで、今回はこの獺祭とはどのような意味がある言葉なのかを解説しつつ、どうしてそこまで有名な日本酒になったのか、過去に何があってここまで知名度の高い日本酒になったのかを解説致します。

獺祭という言葉を聞いたことがある方ならば間違いなく知りたい情報満載です。

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獺祭とはどんなお酒?

獺祭とは山口県岩国市にある旭酒造株式会社が作る日本酒です。

旭酒造がある位置は山口県の山奥であり、知る人ぞ知る銘酒という扱いだったのですが、今では日本で一番有名な日本酒の地位を得ています。

この獺祭は純米大吟醸仕込みで作られており、この酒造で作られている銘柄も純米大吟醸仕込みの獺祭しかないことが有名なのです。

また、この純米に使われているお米にもこだわっており、栽培が難しい品種として有名な酒米の『山田錦』に限定されているのです。

酒造もかなり歴史があり、会社としての創業は1958年ですが、1770年には酒蔵として活動がスタートしたという記録があり、そちらを含めると200年以上もの歴史がある超老舗ブランドであることも判明しています。

元々は獺祭以外の普通酒も扱っていたのですが、ひたすら純米大吟醸仕込みの獺祭にこだわるスタイルになったのは3代目と言われております。

どんな特徴があるお酒なの?

お酒としての特徴は、杜氏をおかずに徹底的にデータ管理されることで味が均一化していることです。

温度管理も制度管理も徹底して作られているお酒は常に高品質な日本酒を提供できるようになっており、常に質の高いお酒を楽しめるようになっています。

また、獺祭には磨きの違いによって種類も変えていますが、これも徹底的にデータ管理されることで誕生した商品の一環でしょう。

ちなみに、獺祭の商品ラインナップには『磨き二割三分』とか『磨き三割九分』といった商品が並んでいますが、これは精米割合のことです。

つまり、二割三分とは23%まで山田錦を精米した獺祭となります。

磨きが少ない獺祭ほどコクが深く甘くなり、磨きが多い獺祭は繊細な香りや新鮮な味を堪能できるようになります。

商品ラインナップについて

獺祭が扱っている商品は基本的に獺祭オンリーですが、色々と種類は豊富なのです。

具体的に記載すると『獺祭 磨き』『獺祭 遠心分離』『獺祭 磨きその先へ』『獺祭 梅酒』『獺祭 焼酎』『獺祭 発泡にごり酒』『新生獺祭』『獺祭 甘酒』などかなり豊富です。

これ以外にも獺祭のアイスショコラ、そして消毒用エタノールフェイシャルマスクまで売っています。

獺祭だけでもかなり種類が豊富なことが見て取れるのです。

 獺祭の由来について

獺祭の由来は所在地の『獺越』からきていると言われております。

この獺越は『川上村にいる古い獺(カワウソ)が子供を化かして追越してきた』という意味があります。

この獺という言葉は動物の獺という意味もありますが、古来からいる妖怪の一種とカテゴリーされていたのです。

気になる方はこちらの『妖怪大図鑑 其の四拾弐〜獺(カワウソ/おそ)』をご覧ください。

参考資料

妖怪大図鑑 其の四拾弐〜獺(カワウソ/おそ)

まず、地名からこのの文字をとりました。

次にこの言葉に祭をつけることで、カワウソが捕まえた魚を岸に並べている様子である獺祭という言葉に変化するのです。

この様子が人々がお供え物をして先祖の霊を祀るのに近いため、そういった意味もあると言われております。

さらに、このカワウソの様子が中国では詩人が文書を書くときに大量に参考文献を作業場に散乱させている様子に見えることから、そういった状態を表す表現としても用いられるのです。

さらにさらに変化して、この中国人の詩人の様子を表す言葉であると聞いた俳人の正岡子規が、自らの屋号を『獺祭書屋主人』にしました。

正岡子規は言わずと知れた日本文学における寵児であり革命児です。

この正岡子規にあやかり、酒造りにおける革命を引き起こしたいという意志の元に獺祭という名前がつけたと言われております。

つまり、元々は地元の地名からあやかるつもりだったが、色々と調べると革命児である正岡子規に繋がり、正岡子規にあやかるためにこの名前になったということなのでしょう。

何故ここまで有名になったのか?

参考資料

旭酒造の獺祭ラインナップです

獺祭が有名になったのには色々と理由があります。

そこでそれらの理由をまとめていきましょう。

味が初心者にも飲みやすかった

これがシンプルですが、最も美味しいと広まりブームになった最大の理由だと思います。

それが飲みやすいと言われている味です。

いわゆるフルーティな飲み口と表現されるこの日本酒は、お酒好きの男性以外にも若い世代の女性にも人気になり、いわゆるお酒から遠いと言われていた客層を引き寄せることに成功したのです。

ただし、手に取られるようになった理由は他にもたくさんあるので、それらとミックスされることで飲みやすさが色んな方に伝わったのでしょう。

有名テレビ番組に出た

今では問題を起こして打ち切りになってしまいましたが、昔はかなりの人気番組の一つとなっていた、フジテレビ系列の『ほこ×たて』という番組がありました。

これはいわゆる分野を極めた人達による対決を放送する番組ですが、この番組において旭酒造桜井博志社長が登場しました。

その対決内容は三菱レイヨン・クリンスイが作った浄水器で用意された水道水から濾過された水を見分けるという対決です。

対決内容は5つのグラスが用意されており、その中の4つが日本名水百選に選ばれた名水で1つだけが濾過された水で、濾過された水がどれかを見極めて名水だけを選ぶという内容でした。

その結果、臭いから濾過された水を見極めて旭酒造が勝利したのです。

この番組は当時かなりの人気があり、勝利したことも相まって獺祭の名前が一気に広まりました。

ちなみに、獺祭のホームページにも当時の記事が残っているので、気になる方は是非とも見てみて下さい。

参考資料

蔵元日記vol.287【ほこ×たて】

こちらの記事を見てみるとわかるのですが、この放送があったタイミングでホームページが落ちて、グーグルの検索ワードでも上位に食い込み、SNSでも取り上げられる回数が劇的に増えたようです。

値段がお手頃

日本酒は割高というイメージがありますが、獺祭は種類によって3,000円程度購入することが出来るのでとてもリーズナブルです。

このリーズナブルな価格も顧客をゲットしている要因なのでしょう。

安倍元総理が広めた

広報活動としては先ほど紹介した『ほこ×たて』が最強クラスだと思いますが、それ以外にも山口県出身の安倍元総理が外交でもプレゼント対象として使ったことがかなり有名になりました。

その結果、このテレビを見ていなかった人達にも知れ渡り売れ行きが上がったという見方もあります。

まとめ

以上、いかがだったでしょうか。

今回は獺祭の由来などをまとめてきました。

筆者は『ほこ×たて』というテレビ番組が大好きで、特に深夜に放送していたときは頻繁に見ていました。

あれで話題になった人は一躍時の人になるほどの影響力があったので、その影響を大きく受けたお酒が獺祭だったのです。

あの番組がやらせ疑惑でつぶれてしまったのは心底残念ですが、一部のメーカーや品種が有名になったのは功績だと今でも思っています。

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