日本の魔法を題材にした漫画やゲームやアニメの演出でよくあるのが、ど派手な魔法陣を用意すると、そこからドラゴンなどが召喚されるという演出です。
ところが、こういった魔法陣の演出を含めたとらえ方は、海外と日本では大きく異なることをご存知でしょうか。
今回は日本人と外国の方々との魔法陣のとらえ方が、どのように違うのかを解説し、どうして解釈が違う状態になってしまったのかをご紹介いたします。
子供の頃に見た漫画やゲームでよく見る魔法陣!
こちらの動画のような魔法陣を見ると、『何か召喚するのかな?』とか『何か強力な魔法でも放つのかな?』と多くの方々が考えると思います。
これは見た目的にも非常に派手なので、現代の漫画やアニメや映画の演出でも頻繁に登場しています。
最近の非常に売れた作品で考えると、マーベルの新しいヒーローである『ドクターストレンジ』が演出で、こういった魔法陣を用いた演出を大量に行って観客を引きつけています。
このように海外でも派手な演出をする時に活用され始めている魔法陣を用いた魔法的な効果の表現が当たり前になりつつあります。
こういった演出の走りは実は日本から始まったのではないのかという指摘もあり、ネット上でもちょっとしたやりとりが散見されるようになっているのです。
今回はハリウッド映画にも影響が出ている魔法陣のとらえ方、または考え方がどうなっているのかを見ていきたいと思います。
日本と海外では認識の仕方が大きく異なるとのことですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
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日本と海外での魔法陣のとらえ方の違いとは?
それでは具体的に日本と海外では魔法陣のとらえ方が、どのように異なっているのかを簡単に解説していきましょう。
まず、日本の魔法陣のとらえ方は、『何かを召喚するときに必要な陣』とか『何か強力な術を行使するときに必要になる陣』となっています。
実際に漫画やアニメやゲームのファンタジー要素が必要になってくる作品では、魔法陣とは『異界と現世をつなぐ装置』とか『魔力を向上させるか変換させるための装置』として機能させることが多いのです。
次に海外(主に欧米)における魔法陣のとらえ方は、『何かを召喚するときに自分自身を守るための陣』とか『強力かつ危険な存在を、そこから出さないようにするための檻』となっています。
魔法陣を書いて何かを召喚するという演出は海外でもありますが、日本の場合は『異界と現世をつなぐ装置』として運搬していることがほとんどです。
一方海外の場合は、危険な存在が自分に害をなさないようにするための保険といった役割が多いのです。
簡単な日本作品かどうかの識別装置にもなっている
今では世界中で様々な映像作品やゲームが開発及び放送されていますし、それらの作品を楽しむのは、インターネットを通じてどこにいても可能となっています。
しかし、こういった状況になってしまっているからなのか、どれがどの国の作品なのかは、ちょっと調べないとわからない状態にもなっているのです。
しかし、先ほど紹介した魔法陣のとらえ方をわかっている方は、その扱いによって日本の作品であることがある程度簡単に識別できると言われています。
それが『召喚された存在が魔法陣の外に簡単に出てくるかどうか』になります。
あくまでも欧米の作品における魔法陣は、『何かを召喚するときに自分自身を守るための陣』とか『強力かつ危険な存在をそこから出さないようにするための檻』です。
召喚された存在の足下に魔法陣があった場合は、高確率で『強力かつ危険な存在をそこから出さないようにするための檻』としての役割があります。
しかし、日本では『異界と現世をつなぐ装置』という認識なので気軽に魔法陣の外に飛び出ていくのです。
そのため欧米では、『召喚された存在が、魔法陣から簡単に飛び出ていくことが可能な作品=日本の作品』と認識しているのです。
また、欧米では魔法陣は悪魔から身を守る装置となっているため、術者は陣の中に入って詠唱によって召喚するという考え方があります。
しかし日本では、円の外に術者を置いて召喚するというスタイルになっているので、召喚するときの立ち位置によって判断することも可能であるという情報もあります。
なぜ日本では魔法陣のとらえ方が違うの?
このように日本の魔法陣のとらえ方と、海外の魔法陣のとらえ方が違うというお話をしましたが、どうしてとらえ方の違いが発生するようになってしまったのでしょうか。
水木しげる先生の『悪魔くん』の影響
原因はいくつかあるとされていますが、最も大きな原因の一つが『水木しげる先生の作品の一つである『悪魔くん』においての演出として、正確な魔法陣を書かなければ悪魔が出現しないとしたから』と言われております。
『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』などの作品を発表している水木しげる先生は、妖怪漫画の第一人者でもあります。
また『悪魔くん』の作者でもあり、『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』よりも『悪魔くん』が好きという方もかなり多いのです。
この『悪魔くん』は最初の連載期間は、1963年から1964年と非常に短く巻数全3巻と短編にの漫画だったのです。
発表当時からかなり人気があったのか、1966年に『週刊少年マガジン』、1970年に『週刊少年ジャンプ』と掲載誌を変えて登場しています。
そして約20年後の1987年と1988年には、『コミックBE!』と『月刊コミックボンボン』にも登場しているので幅広い層に知られている作品となりました。
1989年から翌年にかけてテレビアニメ化もしているので、そちらで知ったという方もいるでしょう。
この『悪魔くん』によって、当時は圧倒的に知名度が低かった『魔法』というオカルトな存在が一気に認知され、多くの方々に『魔法とはこういうもの』とか『召喚とはこういうもの』という認識を与えました。
こういった背景がありますので、現在における日本の魔法陣の演出は水木しげる先生の影響が、非常に大きかったと考えられるようになったのです。
日本人の根本的な認識による差異
これは日本人特有の考え方とも言われていますが、日本では神聖な場所に入る時は必ず門や鳥居といった存在を強く意識すると言われています。
実際に多くの神社では、絶対といっても良いほどに鳥居が用意されていますし、お寺でも非常に立派な門が設置されていることがあります。
日本人間には、神社やお寺というのは非常に身近にある存在ですので、寺社仏閣が存在しているだけでも与える影響は大きいと言えるでしょう。
つまり、こういった文化や風習があるために日本人は、『異界とやりとりをする時は必ず専用の出入り口を設けないといけない』と無意識レベルで考える節があり、悪魔を召喚するときにも魔法陣を用いるのは当たり前と思ってしまうのです。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は日本と海外における魔法陣の考え方やとらえ方についてまとめました。
色々と調べてみると面白い情報が満載だったので、魔法陣について深く考察したことがないという方でも、お話のネタになるような記事になっていると思います。
筆者も実際に欧米のゲームをプレイしたり、映像作品を楽しむことが多いですが、『確かにそうだ』と感じる情報が多かったです。
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