門松はなぜ飾るの?いつからいつまで飾ればいいの?
むかしから日本のお正月に飾られる縁起物のひとつに門松(かどまつ) があります。
全国的にほとんどのお店や学校等は門松を飾り、新年を迎えます。一般のご家庭でも飾るところが多いですよね。
では、門松はいつごろから飾られるようになったのでしょうか?
また、年末年始のいつからいつまで飾ればいいのでしょうか?
今回は、門松の意味や歴史についてご案内いたします。少しでも皆様のご参考になれば幸いです。
門松の意味や歴史は?
古くから日本では、松や竹には神様が宿る樹木とされており、飾ればおめでたい樹木とされて、正月に年神様を招く目印とするために、門松を飾る習慣となったと言われております。
平安時代には、松を長寿祈願のために愛好する習慣があり、門松はこれが変化したものといわれています。
平安時代 1,105年の長治年間の『堀河百首』(ほりかわひゃくしゅ)には、藤原顕季(ふじわらのあきすえ) が門松を詠んだ歌が残されております。
『門松をいとなみたてるそのほどに春明がたに夜や成ぬらん』
すなわち門松は、今から900年以上も前からの歴史があることが分かります。
その後も、江戸時代以降も『徒然草』や『略中略外図』にも門松が描かれております。
また、大正時代には竹がない門松や二階の高さ程の竹を使った門松が写真に残されています。
しかし、地域によっては言い伝えにより、松を使わない所もあります。( 松=待つ等の理由により )
永年に渡り現在の門松へ変化してきたようですね。また門松は松飾り、立て松、飾り松とも言われます。
門松を飾る意味は、縁起の良い物を飾って、良い新年を迎えたいという事です。それは今も昔も同じだったのですね。
門松は、玄関に左右対称に並べます。本来ならば、片方を黒松で『雄松』(おまつ)、片方を赤松で『雌松』(めまつ)という松で飾るのが正しいのですが、現在は赤松のみで飾られる事も多いようです。
門松はホームセンター等で販売されていますが、材料だけ購入して自分のオリジナル門松を作ってみても縁起がよいでしょう。
門松はいつからいつまで飾ればいいの?
年末の飾り付けは、12月13日(またはそれ以降)を『松迎え』、また『正月事始め』といい、山から松の木(枝)を取ってくる日と言われています。
年末の29日は『二重苦』( にじゅうく ) のごろ合わせを気にして避ける場合もあります。
また31日は『一夜飾り』 ( いちやかざり ) といわれ、避けたほうがいいでしょう。
縁起のいい末広がりの8の付く28日がよいそうです。
学校では12月22日頃の終業式までに飾り付けをしたり、会社関係では仕事納めの日に併せてする場合が多いようです。
一般家庭ではクリスマスが終ってからの方が、行事のメリハリがあってよいのではないでしょうか。
門松が飾られている期間を『松の内』といい、伝統的には元旦から1月15日ですが、関西では依然15日までの文化もありますが、関東を中心に7日までとするのが多くなってきているようです。
松の内につきましては、当ブログの日本文化と季節ラボの中で詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
門松の処分はどうすればいいの?
一番いいのは、近くの神社で『どんど焼き』で処分するのが一番好ましいです。多くの方が利用しているようです。
全国的に『どんど焼き』と言われておりますが、京都では『左義長』(さぎちょう)、九州では『鬼火炊き』(おにびたき)と言われています。
しめ縄やお守り等の縁起物もどんど焼きで処分いたしましょう。
もちろん、行われる日は自治体により異なりますので、事前に確認いたしましょう。
どんど焼きで処分できなかった場合で、自宅の庭で焼却する場合は、まず塩や酒で清めてから廃棄しましょう。
煙やにおい等、近所に迷惑が掛からないように、注意して焼却しましょう。
しかし、庭で焼却処分ができない場合は、ごみとして出しましょう。
ただし、塩や酒で清めてから単独できれいな袋に入れて出しましょう。
一度神様が宿った縁起物ものなので、絶対に他のごみ混ぜて袋に入れて捨てるのは避けましょう。
また、縁起物なので、来年も使いまわしをするのは止めましょう。
まとめ
門松の準備は、12月13日以降に飾り付けをして、12月29日と31日はなるべく避けましょう。
また、門松の後片付けは鏡開きの日にしましょう。
手作りの門松は処分するのはもったいないですが、写真に残して思い切って処分してしまいましょう。
せっかく新しい年を迎えるのですから、最後まで気持ちよく丁寧に片づける事が大切ですよね。
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