立春という言葉はなんとなく春が始まったというイメージがありますが、具体的に一体何時なのかと言われるとすんなり答えられる人は少ないと思います。
そこで、今回は二十四節気における立春とは一体いつなのかを記載しつつ、その意味や由来についてまとめていきたいと思います。
二十四節気の時期を覚えにくいという人はその時期にあるイベントや風習と結びつけながら覚えていくとやりやすいでしょう。
立春の意味とは
立春とは、春の始まりを意味する二十四節気の一つです。
詳しくは後述しますが、地球と太陽の位置関係からなる太陽黄径が、315度から330度の間のシーズンとなります。
立春や立夏や立秋や立冬は『四立』と言って、春夏秋冬の始まりの日という意味がある重要な節季なので覚えやすいと言えます。
また、1年で昼と夜の長さが一緒になる春分と秋分、昼の長さが最長になる夏至、夜の長さが最長になる冬至を、二十四節気では『二至二分』と扱っております。
先ほど紹介した『四立』とセットで、『八節』という二十四節気で最も大切な節季として扱います。
太陽黄径について
太陽黄径とは簡単に記載すると、『太陽が1年かけて1周するように見える移動経路を「黄道」として、その黄道を春分が始まる地点を0度として360度に分けたもの』となります。
いわゆる天動説ではなく、地動説での考え方によって誕生しているのが太陽黄径の考え方なのです。
この黄道と地球の赤道をそのまま延長した『天の赤道』の交点が、2箇所できるのですが、太陽が南から北に移動した考えられる始点が春分点で0度、北から南に移動したと考えられる始点が秋分点で180度となります。
今回紹介する立春は、春分点から太陽が315度から330度移動したように見える地点になるということです。
2022年の立春はいつ?
2022年における立春は、2月4日5時51分から2月19日1時42分までとなります。
2月の上旬から中旬にかけてが立春なのです。
詳しくは国立天文台がアップしている『令和 4年(2022)暦要項 二十四節気および雑節』をご覧ください。
立春が『春』というイメージが全くわかないのはなぜ?
立春は先ほど記載したように、2月4日から2月18日(雨水の前日)です。
この時期が立春と言われると多くの方が『全く春の始まりと言われてもイメージできない』とか『春というイメージは全くない』と思ってしまいます。
いわゆる二十四節気との季節感のズレを強く感じるということです。
このように思ってしまう最大の理由は日本の気候にあるでしょう。
日本は1月と2月が最低気温を更新することが多く、1月も2月も同じくらいかなり寒いです。
しかし、この二十四節気が発祥となっている中国の内陸地方では、1月が一番寒くて2月からはだんだんと暖かくなります。
日本のように1月も2月も同じように、寒いという状態ではないのです。
少しずつ暖かくなる気配が中国の内陸部では感じられるので、『春が始まった』といった表現がされるのでしょう。
こればかりは国による気候の違いが原因ですので、イメージとマッチしないというのは仕方が無いことと受け入れるしかないでしょう。
季節感やイメージとマッチしない二十四節気が出てきた場合は、その時期にあるイベントだけを考えて受け入れると覚えやすいです。
関連記事
立春における七十二候は?
二十四節気を理解するためにも重要な要素が七十二候です。
この七十二候は二十四節気をさらに初候・次候・末候と3等分して表現したモノであり、その時期はこういったモノであるという紹介までセットであります。
ただし、中国の気候に沿って作られた七十二候ではマッチしないことが多々あるので、江戸時代に日本向けに編纂された『略本暦』を中心に見ていった方がいいでしょう。
ちなみに、編纂する前の中国の気候にあわせた七十二候は『宣明暦』という名前です。
ここではどちらも紹介しますので、その違いも見ていきましょう。
なお、『宣明暦』と『略本暦』が同じ時もあります。
関連記事
立春における『初候』
立春における『初候』は以下の通りです。
略本暦(日本)と宣明暦(中国):東風解凍(はるかぜこおりをとく)⇒東風が吹き始めて氷が溶ける
立春の初候は宣明暦も略本暦も一緒です。
陰陽五行説における春は東を司っているので東風とは春風という意味になります。
立春における『次候』
立春における『次候』は以下の通りです。
略本暦(日本):黄鴬睍睆(うぐいすなく)⇒ウグイスが山里で鳴き始める
宣明暦(中国):蟄虫始振(ちっちゅうはじめてふるう)⇒冬ごもりしていた虫が動き始める
『ホーホケキョ』と鳴くウグイスは、現代日本でも馴染みのある鳥ですが、寒冷地のウグイスは冬季に暖地へ移動する傾向にあります。
このウグイスは環境適応能力がかなり広いのですが、警戒心がかなり強めなので、声はするけど姿が見えないというケースもあります。
立春における『末候』
立春における『末候』は以下の通りです。
略本暦(日本)と宣明暦(中国):魚上氷(うおこおりをのぼる)⇒割れた氷から魚が飛び出てくる
こちらも略本暦と宣明暦が一緒で、氷が割れて魚が飛び出てくるというわかりやすい意味になります。
春先の氷は『薄氷』という表現をしますが、2月中旬だとまだまだ寒く薄氷じゃなくてカチカチの氷という地方も多いでしょう。
立春の時期にある風習やイベントは?
2月4日5時51分から2月19日1時43分までが立春であると紹介しましたが、この時期はどのようなイベントや風習があるのでしょうか。
ちなみに、とあるサイトでは節分も立春のイベントとして紹介していますが、日本の節分は立春の前日が基本で、2022年では2月3日に該当しており、立春のイベントとしてはカウントできません。
バレンタインデー
立春における最大のイベントと言えばやっぱりバレンタインデーでしょう。
日本では某お菓子メーカーの策略によって、チョコレートをプレゼントする日となってしまいましたが、本来はキリスト教圏におけるカップルの愛の誓いの日となっております。
海外ではチョコレートを、女性が男性にプレゼントをするという習慣はありません。
逆に欧米では、多くの男性が恋人や妻などにプレゼントを贈る日となっているのです。
建国記念の日にまつわるイベント
建国記念の日は、明治神宮で奉祝パレードが行われます。
このように建国記念の日には、この日を記念して何らかのイベントや祭りを行っているところもありますので、そちらに参加すると思いで作りに繋がるでしょう。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は二十四節気における立春について解説しました。
立春は春の訪れと言われても、全くイメージできない時期と個人的に感じました。
特に東日本にお住まいの方々にとっては、2月上旬に春と言われても、まだ実感が沸かないものです。
しっくりこないとイメージとマッチしないため覚えにくいという状態になってしまいますので、この節季にあるイベントと結びつけられるようにするといいでしょう。
コメント