二十四節気の一つである大雪は、その言葉からもなんとなく多く雪が降る季節というイメージがありますが、具体的にいつなのか、由来や意味はどうなっているのかは知らないという人も多いでしょう。
そこで、今回はこの『大雪』について詳しく解説しつつ、この二十四節気の考え方についても情報を集めて参ります。
二十四節気の考え方がわかると、ちょっとした風習や文化に対しての知識も集めやすくなるでしょう。
大雪(たいせつ)の意味は?
大雪とは冬の節季の一つです。
二十四節気における冬の節季は、立冬⇒小雪⇒大雪⇒冬至⇒小寒⇒大寒という順番であり、3番目の冬の節季と言えるでしょう。
冬至の前の節季と言えばかなりわかりやすい表現となります。
より詳しく解説すると、太陽の位置を表す黄経が255度から270度の間のシーズンとなっており、『雪が盛んに降る頃』という意味を持っております。
日本における二十四節気や雑節が、いつなのかを公式に発表している機関『国立天文台』では、この大雪を『雪がいよいよ降りつもってくる』と表現しておりますので、雪が降る時期がこの大雪なのだと考えましょう。
黄経とは何?
二十四節気を理解するためには、この『黄経』についての理解を深めないといけません。
太陽黄経とは、太陽の移動経路である『黄道』の春分が始まる地点を0度として、360度に分けたものと言えます。
この0度といった地点の決め方は、地球の赤道をそのまま延長した『天の赤道』と『黄道』が交わる点となります。
もちろん、交点なので2点ほど発生するのですが、南から北へ交わる点が『春分点』でもう一つの交点が『秋分点』という考え方で、春分点が0度になり秋分点が180度となるのです。
二十四節気はこの360度の移動を24分割しているものであり、360度を24で割ると15度となります。
基本的に太陽は、この黄経を365日かけて移動しますので、だいたい1度移動すると1日有するという仕組みになっているのです。
つまり、一つの節季はだいたい15日となっております。
ただし、二十四節気は太陽の位置によって明確に決まっているので、二十四節気が始まるタイミングや終わるタイミングは、○月×日△時□分と明確な時間として表すことができます。
区切りが日にちではなく、明確な時間となっているのが二十四節気なのです。
2021年の大雪はいつ?
2021年の大雪は、12月7日6時57分から12月22日0時59分までとなっています。
詳しくは国立天文台の公式ホームページである『令和 3年(2021)暦要項 二十四節気および雑節 – 国立天文台暦計算室』をご覧ください。
日本でも冬至が何時なのかを知っている人も多いので、冬至から15日前までが大雪の期間であると覚えるのがわかりやすいでしょう。
クリスマスになる前の12月が大雪となりますので、冬のイメージと大雪の季節感はマッチしやすいと思います。
ただし、雪が全く降らない地方の人にとっては大雪という表現もちょっとわかりにくいかもしれません。
大雪における七十二候とは?
二十四節気をより深く掘り下げるには、七十二候について知る必要があります。
七十二候とは、簡単に記載すると360度を24分割して15度ずつに割り振ったのが二十四節気ならば、その15度をさらに3分割して5度ずつに割り降ったのが、七十二候となるのです。
この七十二候はそれぞれの二十四節気を初候・次候・末候の3つに分けているのですが、日本向けのものと中国向けのモノがありますので、どちらもセットで見てみるといいでしょう。
日本向けのモノは、江戸時代に渋川春海ら暦学者によって改訂された『略本暦』と呼ばれるモノで、古代中国から伝わったままの変えていないモノは『宣明暦』となります。
また、2020年における大雪の『初候』は12月7日から12月11日まで、『次候』は12月12日から12月16日まで、『末候』は12月17日から12月21日までとなっています。
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大雪における『初候』
大雪における『初候』は以下の通りです。
略本暦(日本):閉塞成冬⇒天地の気が塞がって冬となる
宣明暦(中国):鶡鴠不鳴⇒鶡鴠(かつたん)は鳴かなくなる
宣明暦のほうは『鶡鴠』というすさまじく難しい漢字が出ていますが、日本風に表現するとミミキジという取りのことです。
略本暦は『閉塞成冬』という表現は空が寒くなって冬になるという意味になっており、イメージがしやすいでしょう。
大雪における『次候』
大雪における『次候』は以下の通りです。
略本暦(日本):熊蟄穴⇒熊が冬眠するために穴にこもる
宣明暦(中国):虎始交⇒虎が交尾を始める
日本でももはや知らない人がいない動物である虎ですが、古代中国では野生にいたのでより馴染みがあったのでしょう。
そのため、なんとも言えない表現が古代中国の大雪の七十二候として表現されています。
略本暦も熊が冬眠するという表現はかなりわかりやすいと思います。
大雪における『末候』
大雪における『末候』は以下の通りです。
略本暦(日本):鱖魚群⇒鮭が群れとなって川を上る
宣明暦(中国):茘挺出⇒ネジアヤメが芽を出し始める
鮭が産卵のために生まれ故郷の川を遡ってくる季節というのはかなり日本風な表現でありわかりやすいと言えます。
大雪の時期にあるイベントや風習について
2021年の大雪は、12月7日6時57分から12月22日0時59分までとのことなので、この時期にあるイベントや風習をチェックしていきましょう。
クリスマス前のこの時期に代替的なイベントはあるのでしょうか。
針供養
現代日本ではかなり馴染みがなくなってしまった風習ですが、例年2月8日か12月8日に針供養を行うという風習があったのです。
現在でもその風習に則って、浅草寺や鐡砲洲稲荷神社などのお寺や神社で針供養にまつわるイベントが行われています。
クリスマス前にちょっと気分を上昇させたいという人は、針供養にまつわるイベントに参加してみましょう。
年の市
こちらは地域によって開催タイミングが異なりますが、大雪のタイミングで開催されることが多いので紹介します。
年の市は年末に開催される市のことで、しめ飾りや水引などのお正月用品からちょっとした日用品まで売られるようになるので、買い物が好きという人にとってはなかなかにインパクトのあるイベントといえるでしょう。
2021年は新型コロナウイルスの影響で市の開催そのものがされない可能性もありますので、いつも参加しているという人も開催するかどうかを調べた方がいいでしょう。
2021年がなくても2022年の年の市に期待したいです。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は二十四節気における大雪とは何かを解説しつつ、2020年だと何時になるのかも調べて参りました。
大雪での有名な風習は、針供養と年の市の2つでしょう。
特に年の市は場所によっては、かなりの賑わいを見せますので、楽しみにしているという人も多いと思います。
2020年は新型コロナウイルスの影響で、年の市そのものの開催が不透明なところも多いのですが、2021年以降は通常通りに楽しみたいと願うばかりです。
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