【立冬】2023年いつ?『立冬の候』の使い方と意味は?

立冬の由来や意味と旬な食べ物と風習も!

11月は秋が深まり、紅葉が見ごろを迎える時期となりますが、カレンダーを見ると『立冬』という言葉を見かけることがあります。

秋なのに冬?と思いますが、そもそも立冬とはどういう意味なのでしょうか。

そこで今回は、立冬について調べてみました。

立冬の由来はもちろんのこと、旬の食べ物や、立冬の候の使い方なども合わせてご紹介したいと思います。

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【立冬】2023年はいつ?

2023年の立冬は11月8日となっています。

立冬は二十四節気(詳しくは後述しています)の一つで冬を表す名称なのですが、近年の気候の状況から言うと、11月の上旬はまだまだ秋の気配を強く感じる地域も多いのではないかと思います。

また、立冬を始めとした節気は、その日一日を指す場合もあれば、次の節気までの期間を示すこともあります。

立冬なら次の節気となる小雪(2023年は11月22日)の前日までを立冬とすることもあるというわけです。

参考資料  令和 5年(2023) 暦要項
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立冬の由来や意味は?

立冬には『冬の始まり』と言う意味があります。

立という字は中国では始まりという意味があるからです。

でも、ここで『どうして中国が関係しているの?』と疑問を感じる人もいるかも知れませんね。

そもそも立冬は、二十四節気という季節を表す名称の一つなのですが、その二十四節気の発祥が中国なので、文化の影響を強く受けています。

二十四節気は、太陽の天球上の運行の角度(太陽黄径)を24等分にし、それぞれの角度に入る日を節気として定めたものです。

例えば、夏至や冬至という言葉を聞いたことがあると思いますが、これらも二十四節気の一つとなっています。

二十四節気は、陰暦(旧暦)で生じてしまう季節感のズレを修正するために生まれたもので、昔から農作業を行う際の目安として活用されてきました。

一年で最も昼が長い日を夏至、夜が長い日を冬至とし、さらに昼と夜の長さが同じ日を春分、秋分とすることで、まずは春夏秋冬(四季)が分けられます。

そしてその際、春分夏至秋分冬至をそれぞれの季節の中心としました。

そこから今度は、季節に入る日を先ほどの「」を用いて、春に入る日なら立春、夏に入る日なら立夏のように決めていきます。

これを四立と言いますが、夏至、冬至、春分、秋分と合わせて、季節の目安として重要な役割を持つことから、二至ニ分四立八節と呼ばれ、二十四節気を作る上での基本としています。

『立冬の候』の使い方と意味は?いつからいつまで使えるの?

立冬の候は、手紙やはがきを書く場合に時候の挨拶として使う言葉になります。

立冬の、となっている通り、使えるのは立冬の時のみで、他の節気では使うことができません。

より詳しく説明するなら、2023年の立冬は11月8日から11月21日(次の節気である小雪が11月22日のため)の期間であれば使うことができます。

例文としては『拝啓 立冬の候 皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます』のように使います。

主にビジネスシーンで利用されることの多い時候の挨拶ですが、お世話になった恩師や友人、知人などにも使うことができます。

その際は「拝啓 立冬の候 街路樹の葉もすっかりと落ち、朝晩の寒さも体に堪える季節となりました」のように、健康を伺う文面を変えて使うこともできます。

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『立冬の三候』意味

立冬三候の三候とは、七十二候のことです。

七十二候とは、二十四節気をさらに節気ごとに3つに分けたものになります。

一つの期間が5日程度と短いため、二十四節気より細かく季節を分けることができるので、こちらも農作業を行う際に欠かせないものとして利用されてきました。

なお、二十四節気は発祥の中国と日本とでは風土や気候などの違いがあるものの、現在まで中国で作られたものがそのまま採用されていますが、七十二候に関しては日本の気候に合うように幾度も改定されています。

そのため、二十四節気と比べて、より日本の気候に合った記載がなされています。

立冬の三候』(七十二候)は次の通りになります。

初候11月8日頃) 『山茶始開(つばき はじめて ひらく)』
山茶とは山茶花(さざんか)のことです。
山茶花が咲き始めるのが、ちょうど立冬に入った頃と言われています。

次候11月13日頃) 『地始凍(ち はじめて こおる)』
朝晩と霜が降りるようになり、大地が凍り始めるのがこれくらいの時期からと言われています。

末候11月18日頃) 『金盞香(きんせんか さく)』
金盞(きんせんか)と読みますが、花は水仙のことを指しています。
11月も下旬になるとあちこちで水仙の開花が見られるようになります。

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立冬の頃に食べる旬な食べ物は?

立冬の時期に旬を迎える食べ物に銀杏(ぎんなん)があります。

銀杏はイチョウ並木がある場所では、銀杏拾いが行われるほど晩秋の味覚として人気がありますよね。

しかし、銀杏はそのままでは食べることができません。

拾ってきた後は、食べられない果肉と食べられる核の部分を分けるため、水に一週間程度浸けておき腐らせる必要があります。

そして、腐った銀杏を袋に入れて足などで踏んで核だけを取り出します。

銀杏は落ちている状態ですでに強い匂いが漂っていますが、この核を取り出す作業でも強烈な匂いを放つため、下処理が必要な状態のものを安易にお裾分けをするのは止めた方がよいでしょう。

また、銀杏は素手で拾ったり作業をすると、かぶれるなどのアレルギー症状を起こすことがあるので、作業を行う場合は手袋などをしてしっかりと保護するようにして下さい。

この他に、さつまいもなどの秋を代表する味覚も、立冬に旬を迎える食べ物となっています。

立冬の頃の季節の花は何?

七十二候でも触れた通り、山茶花水仙は立冬の時期に咲く花となっています。

また、それ以外にも紅葉のベストシーズンは11月の上旬から中旬となっていて(ただし、地域によって差はあります)、秋の行楽イベントの一つとして紅葉狩りを楽しむ人が多くなるのもこの時期です。

さらに、ツバキ科のチャノキも開花するのがちょうど立冬の時期となります。

チャノキはその名の通り、お茶の原料となる木です。

私達が普段飲んでいる緑茶や烏龍茶、紅茶などは全てチャノキの葉を原料としています。

しかし、これらのお茶は全て色も味も違いますよね?

同じ植物にも関わらずこのような違いが生じるのは、製法が違うからです。

緑茶の最上級ブランドである玉露煎茶は、発酵をさせずに茶葉を乾燥させています。(不発酵茶と言います)

紅茶は、乾燥させた茶葉を揉んで酸素に触れさせることで、酸化による発酵を促しています(発酵茶と言います)。

そして、烏龍茶は不発酵茶と発酵茶の中間である半発酵茶となっています。

同じ茶葉でも、製法が違うだけでまったく違う味わいになるのは、何とも不思議な感じがしますよね。

まとめ

立冬は「冬の始まり」と言う意味を持つ二十四節気の一つです。

2023年は11月8日が立冬となっていますが、次の節気までの期間を表すこともあるため、その場合は11月8日から11月21日までを立冬と呼ぶこともあります。

とは言え、現在の気候では11月中は秋の気配を感じる機会も多く、紅葉狩りに出かける人もピークを迎え、一年の中でも比較的穏やかで落ち着いた天気の中、レジャーを楽しむ人が多いと思います。

しかし、そのような中でも朝晩は確実に冷え込みが強くなるため、体調管理には十分に注意をして、やがて本格的にやってくる冬に備えるようにしましょう。

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