2月になると耳にする言葉に『立春』があります。
春という字が入っているので、何となく春が近いと言うイメージで使われている言葉なのかなと思いますが、実際の意味や由来を知っている人はどれくらいいるでしょうか?
また、立春に似た言葉で立春大吉がありますが、この意味もよくわかりませんよね。
そこで今回は、立春について詳しく調べてみました。
立春の時に食べる食べ物、あまり聞き慣れない言葉である『立春朝搾り』のことも合わせてご紹介したいと思います。
2024年の立春はいつ?
2024年の立春は、2月4日となっています。
多くの場合は、立春と言えばその日一日のことを指しますが、場合によっては次の節気までの期間を指すこともあり、それだと次の雨水が2月19日となっているので、立春の期間は2月4日から2月18日までとなります。
参考資料
立春の意味や由来を教えて!
太陽の運行に基づき、1年で最も昼が長い日を夏至、最も夜が長い日と冬至として、さらに昼と夜が同じ長さになる日を春分、秋分として1年を4つに分け、それぞれを春夏秋冬の中心に据えた上で、1年を24等分に分けた暦のことを二十四節気と言います。
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立春は春の節気の中で、最初に来る節気、つまりは『今日から暦の上で春です』となる日が立春になります。
このような季節の始まりの日は『四立(しりゅう)』と言い、立春の他に立夏、立秋、立冬があります。
四立は冒頭に紹介した、夏至と冬至(二至)と、春分と秋分(二分)と合わせて、昔は季節を知るためには欠かせないものとされており、二至二分と四立を合わせて八節(はっせつ)と呼ばれていました。
なお、立春は毎年日にちが前後するものの、2月上旬になります。
しかし、2月上旬が春と言われても、「まだまだ寒いのに?」と疑問に思うことはないでしょうか。
その季節感のズレには、次の2つが原因と言われています。
昼が長い=一年で最も暑い日、ではありませんよね。
これと同じように、夜が長い=一年で最も寒い日、でもありません。
つまり、実際に暑い日も寒い日も、夏至や冬至の後にやってくるため、そもそもの季節感がズレているのが「立春が春と感じない」一つ目の原因と言えます。
二十四節気が作られたのは中国の黄河流域を中心としています。
日本の東京と比べても緯度がかなり違うため、どうしても季節感のズレが生じてしまいます。
立春大吉とは?お札を貼る理由は?
立春に、玄関や門などに『立春大吉』と書かれたお札が貼られている家やお寺を見たことはないでしょうか。
これは元々は禅宗の習慣と言われていて、今でも曹洞宗のお寺や檀家で見られる光景と言われています。
立春大吉という言葉を縦に並べてみると、
立
春
大
吉
4つの文字全てが、真ん中を中心として、左右対称であることがわかります。
左右対称であると言うことは、裏から読んでも同じように読めるということになりますよね。
このお札が貼っている家やお寺に入ると、振り返って読んでも同じように立春大吉のお札が貼ってあるように見えます。
そのため、一度は玄関や門から入った鬼が、「まだ入っていなかった」と勘違いをして、家やお寺から出て行ってくれる、つまりは厄払いの意味があります。
立春大吉のお札は、立春の日に貼ったら一年は貼ったままにします。
そして、翌年の立春に新しいお札と交換するのが通常となっています。
なお、私の家は禅宗や曹洞宗ではないから貼ることができないと思ってしまいますが、お寺で頂かなくても自分で書いて貼っても問題ありません。
今年一年の家族の健康や幸せを願って、心を込めたお札を手作りしてみるのもよいかも知れませんね。
ちなみに、立春大吉のお札を貼る時は、ご飯を糊代わりにするのがよいそうです。
ご飯だと粘着力が心配なら、両面テープを使って留めるのがよいでしょう。
お札が飛んでいかないよう、画びょうや釘などで留める方がいますが、お札は神様そのものなので神様に画びょうなどを指す行為となってしまうため、止めるようにしましょう。
立春と節分の関係は?どう違うの?
節分には季節を分けるという意味があり、立春の前日だけではなく、立夏、立秋、立冬それぞれの前日を全て節分としていました。
季節が変わる時は鬼が入り込みやすいとされ、昔から節分の行事(厄払い)が行われていたと言われています。
その中でも立春は今で言う元日に当たる日であり、それに伴って立春の前の節分は大晦日になるため、季節が変わるだけではなく年も変わることから、特に厄払いが重要とされてきました。
やがて、立夏や立春、立冬の前日の節分の厄払いは行われなくなったものの、立春の前の節分だけは行事として今も残ったと言われています。
立春の期間にやることは何?
節分は立春の前日ですし、今となっては元日も1月1日のため、立春だからと言って特に行うことはありません。
しかし、気温や気候的にはまだまだ春とは言えない時期であっても、暦上には春が登場する時期となるため、季節の始めに何か新しい事を始めたりする、よい切っ掛けにはなるのではないでしょうか。
1月1日の年始めに決意を新たにする人は多いですが、年明けは仕事や学校などで忙しく、ペースを作るのが大変で定めた目標を割と忘れがちですよね。
それと同様に、現在の暦上での春となる4月も新入学や新社会人などは環境に慣れるのが精いっぱいで、なかなか目標に目を配ることができません。
でも、2月の上旬なら落ち着いて物事を見ることができ、一年の目標を立てるにはよいタイミングだと思いませんか?
来年の立春には、その年一年の目標や夢を書き出して、実行に移してみましょう。
立春の時に食べる代表的な食べ物は?立春朝搾りとは?
立春は昔は正月に当たる日だったので、この日の朝一番に汲んだ水は『若水』とされ、神棚にお供えした後にその水を使って食事の用意をするのが縁起がよいと言われていました。
この水を使って入れたお茶は福茶と呼ばれ、煎茶やほうじ茶を淹れたお椀に梅や昆布を入れて飲むのがよいとされています。
また、立春の朝に絞ったお酒は立春朝搾りと言われ、立春のお祝いには欠かせない縁起物となっています。
この他にも、豆腐には邪気を払って身を清める力があると言われているため、豆腐を食べると幸福を呼び込むと言われています。
立春の候の意味や使い方を教えていつからいつまで使えるの?
立春の候は、『りっしゅんのこう』と読みます。
候は昔の言葉で、今で言うところの『~です』『~ます』に当たります。
そのため、立春の候は『立春ですね』『春の始まりですね』と言った意味合いになります。
昔は、手紙の冒頭は季節の挨拶で始まるのが決まりだったので、立春の候は手紙の出だし部分に使います。
ちなみに、立春は次の節気である雨水までの期間を指すため、雨水の前日までは使うことができますが、雨水になったら使うことはできません。
その時は、『早春の候』『春雪の候』『梅鶯の候』など、2月いっぱい使うことができる別の挨拶を使います。
なお、現在は友人や家族に充てる手紙に季節の挨拶を使う人は少ないと思いますが、仕事の取引先などには今でも使うことが多いのではないでしょうか。
その場合、立春を過ぎているのに立春の候を使ってしまうと、相手に「常識も知らないのか」と思われてしまうこともあるので、期間については十分に注意をした方がよいでしょう。
まとめ
2024年の立春の日は2月4日で、立春の期間は2月4日から2月18日までとなります。
立春は季節が冬から春に変わる節目の日という意味ですが、昔は立春が元日であったことから、年が変わるという大きな意味もありました。
現在の暦では、立春はまだまだ寒い冬となっているものの、心機一転するにはとてもよいタイミングとなるため、一年の目標を立ててみるのがよいでしょう。
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