2022年4月現在、新型コロナウイルス感染症により家で過ごす機会が昔よりも圧倒的に増えました。
その結果、今までは趣味で出かけることが多い人でもテレビやストリーミング配信を見る時間帯が増加したのです。
しかし、スポーツ界では視聴率がむしろ低下している傾向にあり、何故そうなってしまったのかと頭を悩ましている方が多数います。
そこで、今回はこのように何故か視聴率低下が発生してしまっている現象について、色々と情報を集めて考察をしていきたいと思います。
コロナの影響で視聴率は上がることが予想されていた
新型コロナウイルス感染症による被害がそこまで大きくなかった2019年初頭では、一部の方々からは『無観客になったとしても視聴率は確保できる』とか『むしろ視聴率は増える』といった声があったのです。
しかし、蓋を開けてみると実質的には視聴率や視聴数は大きく減少してしまいました。
つまり『スタジアムで見ることができないのなら見ることができずにイライラしている層がストリーミング配信やテレビで見ることになるので視聴率は結果的に増える』と考えられていたのです。
視聴率が増えるといった声もこういった根拠があったが故の声だと思います。
しかし、現実的には大きく視聴率を落としてしまい、スタジアムにいくことが出来ずにイライラしていた層も見ていない可能性すら出てきてしまったのです。
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具体的にどれだけ視聴率が落ちたの?
新型コロナウイルス感染症で苦しめられた2019年と2020年はスポーツ界にも大きな影響をもたらしましたが、その悪影響は視聴率にもはっきりと出ています。
こちらの動画は『MLBはどれほど人気がないのか?』というタイトルでアメリカのメジャーリーグにスポットを当てていますが、他のスポーツとの視聴率比較などもやっているので大変参考になります。
こちらの動画でアメリカのメジャーリーグとバスケットがどのような視聴率になっているのかが具体的な数値で出ているのでそちらを下記に記載します。
これを見るとはっきりわかることは、新型コロナウイルス感染症が大きく流行しだした2019年からであり本格的に無観客試合や観客動員制限などが始まったのは2020年です。
2021年はいくらか緩和されて試合は進行しましたが、それでも観客動員制限は発生していたので流行前と比べるとどうしてもスカスカのスタジアムを見て寂しい気持ちになってしまいます。
新型コロナウイルス感染症の影響が出始めるのは2019年からですが、すかすかなスタジアムを明確に見ることになるのは2020年からで、最もテレビ的な影響が出たのは2020年からと言えると思います。
NBAのファイナルだけを見ても、2019年から2020年で視聴率が半減していますし、MLBのワールドシリーズを見ても、2019年から2020年は大きく下落していることがわかってくるのです。
2021年は大谷翔平の活躍もありMLBにはある程度の顧客ゲットには成功しているのですが、それでも新型コロナウイルス感染症が流行する前の水準には戻っていません。
なぜここまで視聴率が下がったの?
それでは本題に入ります。
何故視聴率がそこまで低下してしまったのでしょうか。
筆者はスタジアムに行かなくなった層が、そのままテレビやストリーミング配信を見る層に移行すると思っていたのですが、それも上手くいかずに視聴率や視聴者数は激減しているのです。
スカスカのスタジアムを見ても面白くない
スポーツを見る人達には様々な考え方を持って試合を見ることになります。
その中には純粋に試合のみを見る人達もいれば、スタジアムにいるような臨場感を味わいたいから見るという人もいるでしょう。
後者の人達にとっては無観客試合というのは非常に味気ないものに見えてしまうので、試合を見ても面白くないと感じてしまうでしょう。
すると、試合を見ることもなくなってしまうので、結果的に視聴率や視聴者数の減少に繋がってしまうのだと思われます。
筆者は欧州サッカーを頻繁に見るのですが、無観客試合はやっぱり見ていても寂しいと感じてしまいましたしやっぱり迫力に欠けると思ってしまいました。
見ているとやりたくなるけどできないから嫌
これは筆者の『特に応援するチームはないけど野球そのものが好きだから暇があると試合を見ている』という友人からの意見です。
その意見としては、『スポーツは見るものでもあるけど実際にやるから面白いものがある、しかし新型コロナウイルス感染症の影響で練習も試合もすることがかなり難しくなってしまった。スポーツを見るとどうしても体を動かしたくなるたちなので、もはや見ることもしなくなった』というものでした。
要するに、いいプレーや参考になる動きがあると実際にチャレンジしたくなる人にとって、実行できない状況にあると見ることそのものをストップしてしまうということです。
これもかなり納得できてしまう意見なので、こういった層の取り込みは相当難しいでしょう。
スポーツに対する熱がなくなった
個人的な推察のなかでも圧倒的に致命的となっているのが、この『スポーツが好きだったけどライフスタイルから外れて熱がなくなってしまった』という層がいる可能性が高いことです。
先ほど記載した『スカスカのスタジアムを見ても面白くない』といった人達も、『見ているとやりたくなるけどできないから嫌』といった人達は、ある程度スタジアムに入ることができるようになって規制や制限がある程度なくなれば戻ってくる可能性が高い層と言えます。
しかし、元々スポーツが好きだった人達が、ライフサイクルからスポーツが除外されてしまったためにスポーツそのものへの興味が薄れてしまったというケースでは、新型コロナウイルス感染症の影響が薄れたとしても戻ってくる可能性は薄いでしょう。
同じような警鐘を鳴らしている人がいて、そちらは『観客減に苦しむスポーツ界が見誤っている本質 | スポーツ | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース』という記事に記載しています。
このライターは、サッカー関連の情報を中心に記事をあげているのですが、本文章において『情報に飢えたファンがサイトに戻ってくると思ったら予想以上に少なかった』と記載しているのです。
つまり、待望されていると思った情報を欲している人そのものが減っていると言えます。
これは今までファンとなっていた人達が行動様式そのものが大きく変化してしまったことで、スポーツが生活の中から消滅してしまったことを示唆しており由々しき事態です。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は新型コロナウイルス感染症によって各種スポーツの視聴率が低下してしまった原因について色々と考察して参りました。
ライフスタイルが変わったことで、スポーツに興味がなくなってしまったという人が多くなっているのなら、これはとてつもなく大きな問題でありどうにかしないといけない課題となってしまいます。
解決するのは難しいのですが、どうにかしないといけないのは確かなので、それぞれのスポーツ業界が打ち出す解決方法に期待するしかないでしょう。
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