日本が誇る文化の一つがアニメ文化ですが、元々はサブカルチャーという位置づけでした。
しかし、いつの間にか大きな産業となり、ストリーミングサービスが世界で圧倒的に普及することで、さらにその勢いは増していると思われます。
そこで今回は日本のアニメ文化や漫画の歴史や海外での人気はどうなっているのかをご紹介いたします。
日本のアニメや漫画の歴史をざっくりと解説
アニメ文化が根付いた背景や、日本における漫画やアニメの歴史はどうなっているのかをより掘り下げていきつつ、なぜここまで世界に展開できたのかを考察していきましょう。
戦前まで
まず、日本の漫画のスタートは平安時代から続いている絵巻物と言われています。
いわゆる『鳥獣人物戯画』と呼ばれる物であり、そこから江戸時代になると浮世絵が発達していき様々な絵が庶民にも見られる環境になりました。
明治時代に突入すると新聞紙にイラストがセットでつくようになり、さらにメジャーとなります。
明治時代の後期には『團團珍聞』にて『江の島鎌倉長短旅行』と呼ばれる作品が連載されるようになり、これが初の連載漫画と言われております。
大正時代になると、日本初の漫画家団体『東京漫画会(のちの日本漫画会)』が誕生し、少年漫画や少女漫画といった作品が登場するようになります。
この頃の漫画はすでに複数のコマを使うとか、吹き出しを使うというやり方が導入されており、今の漫画に通じるスタイルがある程度確立されているのです。
昭和に入り漫画雑誌が当たり前のように刊行されるようになり、この時点でも漫画文化は根付いています。
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戦後から現在まで
しかし、戦争によってあらゆる物がストップし、これまでの系譜もほぼ断絶してしまいます。
戦後は紙芝居が始まることで子供達の漫画に対する人気が高まり、戦前の漫画家である田河水泡とディズニーに憧れた天才手塚治虫氏がデビューしたことで、日本の漫画界とアニメ界は一気に時代が進みます。
その結果、今までは均等的なコマ割りだけだった漫画を自由に改変し、今でも通じる技法や考え方や手法が生み出されて模倣されるようになり爆発的に進化していきます。
時代は進んで1970年代に突入すると、アニメは映画作品としての需要の高まりによって次々と映画として乗り込むようになりました。
アニメ映画としての起点となったのが、『さらば宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士たち-』と言われており、そこから『AKIRA』や『ドラゴンボール』やスタジオジブリの様々な作品が登場して一気に盛り上がったのです。
テレビの方も好調で様々な有名シリーズ作品が登場するようになり、1990年代になると深夜帯で放送する枠も登場して、深夜アニメがアニメ好きには欠かせないコンテンツになります。
さらにケーブルテレビ局やインターネットを通じた配信ができるようになって、ストリーミングサービスが始まることで、世界にまで広がり瞬く間に世界的需要が発生するようになりました。
それ以前にも一部のコンテンツが世界的に人気でしたが、ストリーミングサービスの誕生が日本のアニメが世界に大きく受け入れられ、代表する文化になった主要因だと思います。
なぜ海外でも日本の漫画・アニメがここまで人気になったのか?
要するに戦前も漫画の原型のような物はあったけど、戦争でいったん全部吹っ飛んで再構築する羽目になり、手塚治虫という天才が現れることで漫画文化や漫画の基本そしてアニメが根付いて急速に発展したということです。
そのような発展をし続け世界でも人気のコンテンツとなった漫画やアニメですが、なぜここまで人気になったのかを考えていきましょう。
優れたクリエイターがたくさんいるから
日本の漫画やアニメが優れている理由としてまず浮かぶのが、優れたクリエイターがたくさんいることでしょう。
この土台になっているのは漫画文化やアニメが根付いているというのもありますが、筆者的には美術や音楽といった学校での授業が必須科目になっていることが大きいと思います。
こういった授業って海外だと必須ではないところが多いのですよ。
アニメーターや漫画家を目指さないという人でも、絵がうまい人が日本人に非常に多いのはこういった背景があります。
宗教的排斥がなく何でも受け入れるから
日本人は無宗教と言われていますが、これは逆に何でも受け入れる国民性だから結果的に無宗教になっていると筆者は考えています。
仏教からキリスト教まで何でも入り乱れまくっているのは日本ぐらいですよ。
その結果、他国の文化や娯楽も受け入れてそれらを刺激に様々な作風の漫画やアニメが誕生する事になります。
この何でも受け入れるという姿勢は海外では非常にうるさくて様々なコンテンツの弊害となっているポリコレの悪影響も受けづらい状況になっているのかもしれません。
海外では連載系のアニメが少なかったから
海外にも昔からアニメはありましたが、基本的にそれらは『トムとジェリー』に代表されるかわいいキャラが動いて1話で完結するような作品が主体です。
つまり、ストーリー性が薄いのです。
いわゆるカートゥーンと呼ばれる作品群なのですが、これらのアニメによって欧米の人たちはアニメ=子供向けの作品という認識をされました。
しかし、日本のアニメは様々なカテゴリーがあり、いろんなストーリーが楽しめる作品が大量にあったのです。
このように、次の展開が楽しみになるアニメ作品が少なかったがために、日本のアニメは受け入れられてからの伝搬が早かったと考えられています。
深く狭く刺さるコンテンツが多いから
ディズニーやピクサーの作品は世界で売れるコンテンツを作るために、多くの方々に受け入れられる作品を目指します。
いわゆる浅くても良いから広く受け入れられる作品を作るというスタイルです。
逆に、マニア向けを狙ったかのような深く狭くを地でいくアニメコンテンツは海外では少なかったと言われています。
そんな中登場したのが日本のアニメや漫画というコンテンツで、海外の人にアピールできる段階に来たときには、多くの方が満足できるであろう多種多様な作品が提供できるようになっていました。
各種ストリーミングサービスがものすごい後押しになっているから
様々なコンテンツを気軽に見られるコンテンツがストリーミングサービスです。
ストリーミングサービスによって好きな作品を気軽にいつどこでも見られるようになったのは大きいでしょう。
そのことで、自分に深く刺さるようなコンテンツを際限なく探すことができるようになりました。
筆者が知っているだけでも、日本のアニメを扱っているストリーミングサービスは『Netflix』『Amazon Prime Video』『Hulu』『Crunchyroll』『Funimation』『HIDIVE』『VRV』とこれだけ多く存在しており、多くの方々に触れられる機会が圧倒的に増えたのです。
まとめ
今回は日本の漫画・アニメ文化はなぜここまで世界に普及したのかを解説しました。
ここまで大きく広がった背景にはやはり手塚治虫先生という天才によるところが大きいです。
今でも通じる様々な考え方や手法を取り入れたことで、日本の漫画文化もアニメ文化も劇的に進みました。
筆者も調べる前から手塚治虫先生の影響が大きいのではと薄々感じていましたが、調べた結果改めてその通りだったので脱帽しています。
一人の天才でやはり時代は大きく変わっていくのは本当なのですね。
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