大雪は『おおゆき』と読む場合は聞き馴染みがあっても、『たいせつ』と読むとあまり聞き馴染みがないかも知れません。
大雪は、実はカレンダーに小さく書かれていたり、テレビの天気予報などで耳にする機会があるものですが、どのような意味があるのかよくわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、『大雪』についてご紹介いたします。
大雪の意味や由来、旬の食べ物などをご紹介したいと思います。
【大雪】2023年はいつ?読み方は?
2023年の大雪は12月7日となっています。
大雪は、夏至や春分などと同じ二十四節気の一つになります。
二十四節気の説明については後述しているためここでは省きますが、陰暦(旧暦)を採用していた時代では月の満ち欠けによって一ヵ月、一年を決めていました。
月は29.5日の周期で満ち欠けを行い、一年に換算すると354日となります。
つまり、現在の太陽暦(新暦)の一年365日とは、11日もの差があるというわけです。
そのため、旧暦では閏(うるう)月を設け、一年を13か月にして修正していました。
しかし、これで数字上の誤差は修正することはできても、実際の季節感のズレを修正することはできません。
昔は多くの人が農業に従事していたため、季節感をより正確に知る必要がありました。
そこで作られたのが二十四節気です。
大雪は二十四節気の冬を表す名称(節気)となります。
なお、節気はその日一日を指す場合もあれば、次の節気までの期間を示すこともあります。
大雪の場合は、次の節気である冬至が12月22日(2023年)になるので、12月7日から12月21日までを指すこともあります。
参考資料
大雪の由来や意味を教えて!
大雪とは、雪が多く降る時期という意味になります。
大雪の前の節気が小雪なのですが、小雪にはそれまで雨が降っていたのが雪に変わる、雪が少量降るという意味があります。
時期的に日々寒さが増してきて、最初はハラハラと降る程度だったのが道路や脇の草木、車の屋根、遠くの山などが雪に覆われ始める頃と言えるでしょう。
大雪や小雪は、二十四節気と呼ばれる季節を表す名称の一つになります。
陰暦で生じる季節感のズレを補うために中国で生まれたものですが、日本でも取り入れられ、農作業の目安に利用されてきました。
二十四節気は、太陽の天球上の運行(黄道)を24等分にしたもので、一年で昼が最も長い日を夏至、最も夜が長い日を冬至、昼と夜が同じ日を春分、秋分とし、それぞれを四季(春夏秋冬)の中心に据え置いています。
一つの季節に6つの節気を設けて、それが4つあるので二十四節気となるわけです。
ただし、二十四節気の発祥が中国であることから、日本とは気候が異なります。
ゆえに、二十四節気も季節感の目安として完璧というわけではありません。
大雪をとってみても、12月上旬に積るほど雪が降るという意味に、違和感を覚える方もいるのではないでしょうか。
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二十四節気では季節感が掴みにくいという場合は、七十二候を参考にしてみるのがよいでしょう。
七十二候は、二十四節気をさらに3つの季節に分けたもので、動物や植物の移ろいが記されています。
七十二候も元は中国が発祥となっていますが、二十四節気と違うのは、日本の気候に合った七十二候が作られているという点です。
そのため、二十四節気は中国で作られたものをそのまま日本でも取り入れたため季節感にズレがありますが、七十二候ではその違和感が解消されています。
このようなことから、実際の季節感を知る上で七十二候が役立ちます。
そこでここでは、大雪の七十二候を見てみたいと思います。
●初候(12月7日頃) 「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」
本格的な冬の訪れを感じる時期という意味です。
塞ぐという言葉には、あまりの寒さ家に閉じこもって身を守るという意味もあるようです。
●次候(12月12日頃) 「熊蟄穴(くまあなにこもる)」
冬眠に向けて熊が山籠もりを始める時期という意味になります。
冬眠をするのは熊以外にも、蛙やしまりす、へび、とかげなどがいます。
●末候(12月16日頃) 「鱖魚群(さけむらがる)」
鮭が川を遡上して産卵に訪れる時期という意味です。
鮭は自分の生まれた川を記憶していて、海に出た後、産卵のために再び故郷に戻ってきます。
北海道では冬の風物詩として有名な光景です。
大雪の頃に食べる旬な食べ物は?
大雪の時期に旬となる食べ物には、白菜や大根などの冬野菜があります。
同時にカニやタラ、ブリ、サケなどの魚も旬となるため、寒い時期に欠かせない鍋の食材の定番となっていますよね。
なお、かぼちゃは冬に食べるため冬野菜のイメージが強いですが、実は夏に収穫される夏野菜です。
かぼちゃは収穫したてを食べても糖度が足りずに美味しくないので、貯蔵して2~3ヵ月熟成させるため冬の時期に出回るようになります。
同様に、洋梨も夏に収穫したものを保存して、冬に出荷される果物となっています。
そのため、旬を収穫した直後と捉える場合には、かぼちゃも洋梨も冬が旬の食べ物とは言えないでしょう。
また、これとは逆に、スーパーで一年中見かけるほうれん草は、冬が旬の野菜です。
旬のほうれん草は栄養価が高く味も美味しいので、青物野菜が不足しがちな冬は積極的に摂るのがよいでしょう。
大雪の頃のイベントや風習は何があるの?
大雪の節気にあたる12月7日(その年によっては12月8日が大雪となることもあります)は、『事八日(ことようか)』と言って、昔の農家では作業を終え、お正月の準備を始めていました。
これが元になり、道具を使う仕事をしている人は、その道具に一年の感謝を込めて片付けたり、供養する風習があります。
代表的なものに『針供養』があり、折れて使えなくなった針や古くなった針を神社に参納し、裁縫の上達を願ったと言われています。
また、二十四節気の発祥の地中国では、さつまいものお粥を食べる風習があるそうです。
大雪の時期が近づくと、気温が下がり、体が冷えないように厚着をして過ごす中国の人達は、家に閉じこもることも多くなりますが、その間さつまいものお粥を食べて寒い冬を乗り越えます。
さつまいもは栄養豊富な上、胃にも優しく、体を温める効果があると言われています。
大雪の頃の季節の花は何?
12月は気温が一気に下がり、本格的な冬の到来となるため、花にとっては厳しい時期になりますが、一方で寒さに負けず咲く花もたくさんあります。
例えば、シンビジウムはランの一種ですが寒さに強く、華憐な花を咲かせます。
シンビジウムは白、黄色、ピンク、オレンジ、緑など花の色の種類が多く、風通しのよい日差しのあたる場所で管理すると、初心者でも以外と簡単に育てることができます。
また、黄色やオレンジと言った鮮やかな色の花を咲かせるキンセンカも、寒さに強く、冬の期間でも咲く花です。
キンセンカは品種によって花の大きさや花びらの数が違うため、好みに応じて選ぶ楽しみのある花と言えるでしょう。
まとめ
大雪は二十四節気の一つで、冬を表す節気の名称です。
大雪には雪が多く降る時期という意味があり、冬の到来が本格化し山間部や東北、北海道などでは雪が積もるようになります。
2023年の大雪は12月7日となっていますが、次の節気である冬至の前日12月21日までを大雪とする場合もあります。
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