前回2020年11月に発売されたPS5がどうなっているのかを記載しましたが、さらにいろんな情報が舞い込んでいます。
そこで今回(2021年3月3日現在)は、それらの情報を整理しつつ世界的にゲーム業界がどうなっているのかをチェックしながら、PS5はこれからどうなるのか、現在どのような状況になっているのかを見て参りたいと思います。
はたして日本国内で明るい話題はあるのでしょうか?
以前紹介した内容の簡単なまとめ
PS5に関する情報を以前記載させていただきましたが、そちらの内容を簡単にまとめると以下のとおりです。
というお話でした。
要するに、国外では力をある程度入れているので、世界的な視点で見ればライバルとされているXBOXに一応僅差で勝利していると言えそうです。
しかし国内では任天堂スイッチが圧倒的に強く、存在そのものがほとんどなかったことにされているのが実状ということです。
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初動で大コケした商品はなかなか伸びない
あらゆる商品に言えることですが、基本的に初動で大敗している商品というのは、そこからの巻き返しが非常に困難です。
これはゲーム業界についてもある程度同じ事が当てはまり、特にゲーム機となった場合は高確率で当てはまってしまいます。
上のグラフは『【月間総括】PS5の初動はワンダースワン程度。
ソニーは日本市場を見限った』という記事内にあるグラフです。
参考記事
GamesIndustry.biz Japan Edition
わかりやすく説明すると、ゲーム業界的に『失敗ハード』とか『負けハード』という扱いをされている『ドリームキャスト』や『ワンダースワン』や『ゲームキューブ』と、同列な存在になってしまっているという証になっています。
初動で10万台程度のハードで、とりあえず成功と言えるラインを突破しているのは、PS3ぐらいで他のハードは事実上の負け状態になってしまいました。
発売1ヶ月の売上はどうだったのか?
先ほど『ドリームキャスト』や『ワンダースワン』といったゲーム機と同等な売上状態になっていると解説しましたが、具体的に発売1ヶ月(5週間)でどれだけ国内売上を達成したのかを数字で追いかけた結果、以下のような状態になりました。
要するに初動の比較対象とされていたドリームキャストやワンダースワン以下の状態になってしまっているということです。
さすがにこれは想像以上にひどい状態なので、ここから上昇気流に乗って巻き返すという未来はほぼないでしょう。
そもそも、PS5を販売しているSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は、アメリカの会社が本社で日本は支部という状態になってしまっており、日本市場そのものが見捨てられている状態にあるので、巻き返すという気持ちそのものが存在しない可能性が高いのです。
そもそも日本市場における売上分布図はどうなっているの?
『日本市場は任天堂スイッチとスマートフォン向けアプリ以外死んでいる』という表現を非常に多くされる日本ゲーム市場ですが、実際に売上的にはどうなっているのでしょうか。
機種別のソフト売上本数やシェア率が、こちらの『ゲーム売上定点観測』というサイトにまとめられていますので、そちらのデータを見てみましょう。
参考記事
任天堂スイッチが登場した2017年からのデータを見てみましょう。
(※2021年のデータは3月13日集計分まで)
これを見てもらうと一目瞭然なのですが、スイッチは発売した年ですでにかなりのシェアを確保しておりました。
そして発売翌年の2018年には、すでにシェアナンバー1になっているのです。
そこからシェアを奪い続けて2020年の集計では、約8割が任天堂スイッチがシェアを確保するという状態になっています。
さらに2021年の3月初旬までのデータを見てみると、非常に衝撃的な状態になっていることがわかり、なんと96.9%が任天堂スイッチのシェアとなっているのです。
要するにプレイステーションは、2021年の段階ではほとんど浮上しておらず、日本国内ではほとんど存在していない状態になっていると言えます。
なぜここまで日本のPSシェア率は低下したの?
2021年は日本国内におけるプレイステーションのシェアがほとんど存在しておらず、存在そのものが空気となってしまっていますがどうしてこのような状態になってしまったのでしょうか。
最大の理由は『プレイステーションで発売される日本向けのソフトが非常に少ないこと』と『海外の人気ソフトが日本では全くヒットしないこと』にあります。
その理由を詳しく見ていきましょう。
海外のゲームソフト売上との違いから見えてくる
これはいくつかデータがありますので、色々とみていきましょう。
参考にサイトは以下のとおりです。
・2020年,米国のゲーム支出は過去最高となる569億ドルに|米国年次レポート –
・アメリカとイギリスのAmazonが2020年に最も売れたビデオゲームの販売ランキングを発表、Switchタイトルが米TOP10を席巻 « doope!
国内外のゲーム情報サイト
・【NPD】2019年の米国ゲーム売上トップ20 (全体・プラットフォーム別)、ハードなども含めた市場規模は1.6兆円 | t011.org
French games market reaches record high of €5.3bn | France Annual Report | GamesIndustry.biz
これらのサイト情報をまとめると出てくる結果が、『FIFAやNBAといったスポーツゲームが海外では非常に強く、特にFIFAはフランス国内だけで100万本を超えている』ということです。
そして『一人称視点や三人称視点の銃を撃ち合うゲームが海外では非常に強い』ということです。
アメリカでは2020年に最も売れたゲームソフトが、『Call of Duty: Black Ops Cold War』という戦争もののゲームで、次点が『Call of Duty: Modern Warfare』という同じ戦争ものとなります。
アメリカの2019年の売上を見てみると、同じように銃を撃つゲームとスポーツゲームが上位を占めているのです。
要するに、海外では任天堂スイッチのゲームソフトシェア率は、日本のように圧倒的な状態にはないと言えます。
しかし、こういった人気ゲームソフトは日本ではほとんど人気がないため、日本国内のソフト売上におけるシェア率アップにあまり貢献できていません。
結論『PS5は日本市場は無視』と思われても仕方がない
筆者個人的な推測ですが、このように海外では売れるソフトがあまり日本ではヒットしないという状態になってしまっています。
SIE側から見ても日本は全く魅力がない市場であり、放置しても問題ない市場とみられてしまったのでしょうか。
はっきり言って日本市場というのは、かなり独特の市場となっているので、海外では大ヒットしたけど日本ではさっぱり売れないという商品はかなりあります。
今のゲームソフト売上市場がまさにその状態にあり、売上がある程度確保できると見込まれているソフト群が売れる気配が全くない日本では、PS5を発売する理由は薄いのではないでしょうか。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回はPS5の現在とこれからという記事を以前書いたものに補足するように、色んなデータを交えて紹介しました。
海外でのヒットソフトが日本市場ではほとんど売れないため、それらのソフトを売りにしたいSIE側からすると、日本という市場は不要と見なされてしまったのでしょう。
新型コロナウイルス騒動によって家にいる時間が非常に増えた筆者も、ゲームで遊ぶ時間が増えましたが、確かに海外の戦争とスポーツを主眼としたゲームを一切しないので仕方ないと思ってしまいます。
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