インターネットが発達したことでより、売上が確保しやすくなった市場の一つがゲーム市場と言われています。
その中でも大きな躍進が進み開発会社も増えて、ユーザー数も激増していたのが中国市場です。
また、驚きのニュースが入り込みゲーム業界に激震が走っているのも中国市場となります。
今回は中国におけるゲーム市場はどうなっているのか、これからどうなってしまうのかを予測を交えて見ていきます。
中国のゲーム市場はどうなっているの?
参考資料
上記の画像は世界No.1のゲーミングプラットフォームである『Steam』における、2021年11月現在で、どこの国の言語でプレイしているのかを割合で表示したものです。
つまり、英語でプレイした人がSteamユーザーの約4割で、中国語でプレイしたのが約2割ということになります。
参考までに、日本語でのプレイ人口はたったの2%です(これでも昔よりは圧倒的に増えた)。
これだけでも、中国ではどれだけのユーザーを抱えているのかがよくわかります。
さらに見て頂きたいのが、こちらの『ついに市場規模が6兆円に。さらなる躍進を遂げた2020年の中国ゲーム市場は,アメリカと日本が重要な2国に』という記事です。
これを見ると、2020年度の中国ゲーム市場全体の売り上げはなんと6兆円といったすさまじい数字になっていることがわかります。
元々人口が10億人を超えている超大国であり、ユーザー数も6億人を超えていると言われている市場だけあって影響力も絶大だったのです。
中国製ゲームの中国国内での売上も、2020年度で約3.82兆円と言われており、規模が日本とは比べものにならないことが見えてきます。
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激震って何があった?
このようにすさまじい市場を誇る中国なのですが、その中国でSteamに接続できない状態になっているようです。(2021年12月26日現在)
詳しくはこちらの『中国国内からグローバル版Steamストアへのアクセスが不能に、政府の意図的なブロックか | TechCrunch Japan』を見ていただきたいです。
要するにグローバル版Steamストアに、中国国内からアクセスできなくなっています(2021年12月26日現在)。
これが何らかのトラブルならばいつかは解消されると思いますが、意図して政府がブロックしているのなら大きな問題です。
中国のゲーム会社と連携して中国国内向けのSteamも存在しますが、あちらはソフトがほとんどなく使用者も少ないという声もあります。
中国から世界に配信されるゲームが消える?
今中国では、アニメやゲームなどの市場に大きな影響を与える政府からの規制が次々と発表されており、このSteamに対する規制も政府側の計画の一つであると言われているのです。
中国国内では世界向けに発表されている大規模タイトルもいくつかあったのですが、もしかするとそういったゲームも中国国内向けの消費だけとなり、国外には売られなくなる可能性が出てきてしまいました。
中国市場は中国国内市場だけでもものすごい規模があるのでゲーム会社は生き残れるのではという声もありますが・・・。
逆に大きな影響を受けることになるのが、中国の市場を狙って作られているゲーム作品です。
今では多くのゲームユーザーを抱えている中国ですが、そのユーザーがぽっかりと穴の空いた状態になってしまうのは痛すぎます。
先ほど解説したSteamにおける言語プレイ割合でも、全体の2割をオーバーする市場というのは圧倒的に魅力であり、2%しかない日本よりも優先されても仕方のない市場になっていたのです。
しかし、こういった規制によってそもそもプレイすることができないとか、購入することができない状態になってしまうのでは、ゲーム会社側からしても手が出しにくい市場となってしまうでしょう。
日本にも大きな影響があるのか
中国におけるゲームやアニメ市場が停滞してしまうことが、日本企業にも大きな影響を与えてしまうでしょう。
中国市場を頼りにしていたゲームやアニメ作品は、否が応でも方向転換する必要が出てきます。
筆者がSNSなどを調べた限り、中国が資本となっているアニメやゲームの依頼費用は日本での依頼費用よりも圧倒的に高く、アニメ業界や声優業界やゲーム業界の方々は中国資本のゲームに喜んで参入している人が多く見受けられます。
声優業界では、面白いことに日本の声優が中国ゲーム市場でも好まれることが多く、日本の声優による日本語音声が初期で搭載された後に、後付けで中国語音声が追加されるというパターンすらあるのです。
このようなちょっとしたバブル状態にあったのですが、中国国内から世界に向けて配信されるグローバル向けのゲームやアニメ開発が滞ってしまうとこういったバブルは、一瞬ではじけて消えてしまうでしょう。
他にも有名なクリエーターが中国資本のゲーム会社に移籍することもあったので、彼らがどうなるのかといった不安の声があります。
たとえばこちらの『ネットイース、セガの著名ゲーム制作者獲得で交渉-日本進出を拡大 – Bloomberg』という記事を見てみましょう。
中国ゲーム大手のネットイースが、セガサミーホールディングスで『龍が如く』シリーズを監修してきた名越稔洋氏が移籍するという噂が2021年9月に出たのです。
その後名越稔洋氏は2021年10月にセガを退職し、その後はどうなったのかは情報がありません。
多くの方々は、退職前から接触してきたネットイースに移籍することが濃厚であると考えています。
しかし、このように中国政府から中国のゲーム業界への締め付けが発表され続けているのでこの移籍話も消えてしまうかもしれないのです。
このように日本のゲームやアニメや声優業界にも大きな影響を及ぼしていたのが中国市場なので、そこが凍結するとなると大きな影響が出てしまいます。
中国ゲーム市場の未来予想
これはなかなかに難しいのですが、2極化すると考えています。
まず、中国国内市場だけでも十分に儲かっている中国在住のゲームやアニメ業界の方々は国外への配信をストップしてそのまま残り続けるでしょう。
逆にグローバル展開して世界向けの超大規模なゲームやアニメなどを作っている企業は、蓋(フタ)をされる形になるので、中国国内から脱出する可能性があります。
どこまで規制されるのかはわからないのでなんとも言えませんが、開発をするところが中国国外というスタイルで行くかもしれません(それすらもNGという法律がでたらどうしようもないですが・・・)。
要するに、国内向けの集中する企業と世界展開するために色々と画策する企業に分かれるということです。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は中国のゲーム市場についてお話しし、超有名なゲーミングプラットフォームSteamに中国国内からアクセスできなくなったことについてお話ししました。
このニュースは確実に日本にも影響が出てしまうでしょう。
一時的なネットワークの障害ならば、笑って済ませてくれればいいのですが、これが政府による意図的なブロックならば確実に影響が出てしまうでしょう。
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