これらは二十四節気と呼ばれるもので、夏至や冬至などよく聞く言葉も含まれています。
それでは、寒露は聞いたことがあるでしょうか。
寒露も二十四節気の一つですが、あまり聞き慣れない方が多いと思います。
もしかしたら、読み方もわからないと言う方もいるかも知れませんね。
そこで今回は寒露について調べてみました。
寒露の意味や由来はもちろん、旬の食べ物などもご紹介したいと思います。
【寒露】2024年はいつ?読み方は?
2024年の寒露は10月8日4時00分になります。
寒露のような言葉を二十四節気と言いますが、二十四節気はその名の通り24つあり、寒露の次は霜降となっています。
節気はその日一日を指す場合もあれば、次の節気までの期間を示すこともあります。
寒露であれば、次の節気の霜降が10月23日となっているので、10月8日から10月22日までの15日間が該当します。
なお、寒露の読み方は『かんろ』になります。
意味や由来については後述していますが、音の響きだけだと何となく甘いイメージを持つ言葉ではないでしょうか。
寒露の由来や意味は?
寒露は二十四節気の一つで、秋の節気の5番目にあたります。
二十四節気は中国が発祥で、月の満ち欠けによって一年を決めていた当時、それでは季節感にズレが生じてしまい農作業に支障が出てしまいます。
そのことから、太陽の天球上の運行を元に一年を24等分にし、それぞれに季節にちなんだ名称をつけ二十四節気としました。
日本でも旧暦(陰暦)が使用されていた明治時代の始めまで二十四節気を取り入れていましたが、その後現在の新暦(太陽暦)に変わったことから、実際の生活の上では二十四節気を利用することはほとんどなくなりました。
しかし、長く親しまれていたことから、現在でもカレンダーに二十四節気が記されてあったり、天気予報などでキャスターが『今日は立秋です。暦の上では秋となりました』のように使用することがあります。
なお寒露の意味は、朝晩に草木につく露が凍るくらい寒い時期に入ることとなっています。
10月になると、日中はまだ日差しがあっても朝や夜は半袖ではいられないほど寒さを感じるようになりますが、気温差によって植物の葉についた露が、寒さによって冷たくなることを表しています。
寒露の頃の季節感はどんな季節?
寒露の時期や意味などについてはわかったものの、それでは寒露はどのような季節なの?と聞かれると、少し言葉に迷ってしまう方もいるかも知れませんね。
二十四節気は農作業のために天候を知る目安とされていましたが、より細かく区切って動物や植物の移ろいを感じることで季節感を知るものに七十二候があります。
七十二候は、二十四節気によって分けられた24の節気をさらに3つに分けたものになります。
それぞれの期間が5日ほどになっているので、二十四節気よりも詳しく季節を伺うことができます。
それでは寒露の七十二候はどのようになっているのでしょうか。
・初候(10月8日頃) 『鴻雁来る(こうがんきたる)』
雁が北のツンドラ地域から、北海道などに南下してくる時期になります。
・次候(10月13日頃) 『菊花開く(きっかひらく)』
菊の花が咲く時期という意味です。
菊は日本の国花となっており(菊以外にも桜も国花です)、紋章は皇族の家紋となっています。
・末候(10月18日頃) 『蟋蟀戸在(しっそくとにあり)』
蟋蟀とはコオロギのことですが、当時はキリギリスと呼んでいました。
秋の虫が戸口で鳴く声が聞こえる時期という意味になります。
いかがでしょうか?
より寒露の季節感がわかりやすくなったのではないかと思います。
このように、二十四節気だけではわかりにくい季節の雰囲気も、七十二候によって知ることができます。
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寒露頃に食べる旬な食べ物は?
寒露の時期に旬を迎える食べ物には栗があります。
栗は秋の味覚として人気ですが、ちょうど寒露の頃に行われる十三夜はそのために『栗名月』と呼ばれることもあるそうです。
また、お米が新米に変わるのも寒露の時期。
新米は古米に比べて水分量が多く、粒が壊れやすいことから、いつもより水分を少し少な目にして優しく研ぐのがよいと言われています。
甘味が強くてつやつやの新米は、食欲が増進する秋にはマストアイテムと言えるでしょう。
この他に、きのこも旬を迎えます。
きのこは人工栽培が主のため、スーパーでは一年中購入することができ、必ずしも秋が旬というわけではありませんが、きのこの王様と言われる松茸は人工栽培ができないので秋に旬を迎えます。
なお、きのこは安い時に買っておいて冷凍すると、常温保存よりも繊維が壊れやすくなり、旨味が増して美味しくなると言われています。
寒露の頃の代表的な風習やイベントは?
寒露の時期は、旧暦の9月13日に行われる十三夜にあたります。
十五夜は知っているけれど、十三夜は初めて聞くという方もいるかも知れませんね。
十五夜は言わずと知れた「中秋の名月」と呼ばれるもので、中国が発祥のお月見となっていますが、十三夜は日本独自に行われるお月見となっています。
そもそもの十三夜とは、新月から数えて13日目の月のことを言います。
満月ではありませんが、十五夜にも負けないくらい綺麗な月を眺めることができます。
なお、十三夜はちょうどその頃に収穫を迎え、それをお祝いする収穫祭が始まりとも、宇多天皇が観月の宴を9月13日に行ったのが始まりとも言われています。
また、旧暦の9月9日は重陽の節句と言って、1月7日の人日の節句、3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕の節句に並ぶ五節句の一つが行われていました。
重陽の節句では、菊酒を飲んで厄払いや長寿祈願をしていたと言われています。
旧暦の9月9日もまた、新暦では10月の上旬にあたり、ちょうど寒露の時期に行われていたと言われています。
寒露の頃の季節の花は?
菊は天皇家の紋章にもなっており、桜と双璧を成す日本を代表する花と言えます。
また、秋に咲く花と言えば菊が思い浮かぶ人が多いほど、秋のイメージがある花でもありますが、菊の原産地は中国で日本へは奈良時代に伝わったと言われています。
菊の他には、マーガレットやコスモス、パンジー、サルビア、ダリアなどが開花の時期を迎えます。
これらは種類が多いため、寒露の時期だけ咲いているというよりは、それ以前から開花が始まり、比較的長い期間人々の目を楽しませてくれます。
さらに、秋の花と言って忘れてはいけないのがキンモクセイです。
9月下旬頃から咲き始めますが、花が開くと独特な香りが周囲を包み、花を見なくてもキンモクセイが咲いているのがわかるほどになります。
まとめ
寒露は二十四節気の一つで、秋の節気の5番目にあたり、朝晩の冷え込みがだんだんと強くなって草木につく露が凍る時期になるという意味があります。
2024年は10月8日、もしくは10月8日から10月22日の15日間が寒露になります。
寒露の時期には、旧暦では十三夜や重陽の節句が行われており、月を見て楽しんだり、菊酒を飲んで長寿を願ったりしていました。
現在ではあまり聞かない風習かも知れませんが、十三夜の月は中秋の名月と謳われる十五夜に引けをとらないくらい美しいとも言われているので、寒露の時期に月を眺めてみてはいかがでしょうか。
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