日が長くなってくると、誰でも『夏が近づいているな』と感じますよね。
このように思う背景には、夏至や冬至という言葉が私達にとって、馴染み深いものであるからと言えます。
しかし、その一方で『今さらながら聞けないけれど、じつは夏至の意味や由来について、よくわからない・・』という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、夏至について調べてみました。
2024年の夏至の日にちや、夏至の風習、食べ物、日の出や日の入りなどをご紹介したします。
2024年夏至はいつ?
2024年の夏至は、6月21日5時51分となっています。
詳しくは後述していますが、夏至は二十四節気の一つで季節を表す名称となっており、これを節気と呼びます。
夏至の次の節気は小暑なのですが、場合によってはこの小暑の前日までの6月21日から7月5日までを夏至とすることもあります。
なお、夏至の詳しい意味や由来については、次の『夏至とは何?由来や意味を教えて!』に記載していますが、一年で最も昼が長く夜が短い日となるため、一般的には夏至=夏至の日と捉えることが多いようです。
ただし、ビジネスシーンなどで使える『夏至の候』という時候の挨拶は、夏至から小暑までの期間内に出す手紙やはがきに入れることができるものなので、日にちだけではなく、期間も覚えておくとよいでしょう。
参考資料
夏至の由来や意味を教えて!
夏至は、上記で少し触れた通り二十四節気の一つで、夏の節気になります。
二十四節気とは、一年を24等分にしてそれぞれに季節にちなんだ名称をつけたもので、中国から伝わって日本に入ってきました。
その昔、中国や日本では太陰暦と言って、月の満ち欠けによって一年を決める暦の作り方をしていたのですが、月は29.5日のサイクルで新月と満月を繰り返すため、今の太陽暦と比べると一年で11日の誤差が生じてしまいます。
そのため、年月が重なるごとに実際の季節感とのズレが起こってしまうことから、これを修正するために二十四節気が作られました。
二十四節気は、太陽が通る見かけ上の通り道(黄道)を15度ずつ24等分にし、太陽が15度進むごとに季節に合った名称を割り当てることで季節を知ることができるものです。
夏至の場合は太陽黄径(黄道の角度)が90度になり、日本のある北半球一年で最も昼が長く、夜が短い日となります。
ちなみに、南半球はこれとは逆に一年で昼が最も短く、夜が長くなるので冬至となります。
なお、江戸時代に太玄斎(たいげんさい)によって書かれた著書「暦便覧」に、夏至の意味は“陽熱至極しまた、日の長きにいたりなるを以てなり”と記されています。
これを現代語に訳すると、太陽が高い位置に上がり、日が長くなるという意味となるそうです。
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夏至の日の『日の出』や『日の入り』は?
二十四節気の夏至は、夏至から次の節気の小暑までの期間を示す場合があると言いましたが、一年で昼が最も長く夜が短くなるのは、2024年であれば6月21日の一日のみです。
その日を『夏至の日』とした場合に、日本の主な都市の日の出、日の入りは次の通りになります。
・東京 出4:25 入19:00
・名古屋 出4:38 入19:10
・大阪 出4:45 入19:14
・福岡 出5:08 入19:32
なお、夏至の日の日の出と日の入りの時刻については、下記の国立天文台『各地のこよみ』にて見ることができます。
一年で日の出を気にするのは元旦くらいしかないと思うので、この機会に自分の住んでいる地方が、何時に太陽が昇り、何時に沈むのかを確認してみてはいかがでしょうか。
参考資料
※日照時間については気象庁のHPを見てみましたが、データがありませんでした。
夏至の日の頃の代表的な風習やイベントは?
冬至はゆず湯に入るなど、冬至ならではの風習がありますが、夏至には日本全国で行われる昔ながらの行事はないようです。
しかし、伊勢神宮が有名な三重県伊勢市にある二見興玉神社では、夏至にちなんだお祭りの夏至祭が行われます。
夏至祭では、2つの岩が夫婦が寄り添うように見えることから名付けられた夫婦岩に向かって海に入り、朝日を浴びながら身を清めて禊を行います。
夫婦岩のある二見浦は、昔から伊勢神宮に参拝に訪れた人が、禊を行う場所として有名でしたが、夏至の日の禊は、一年で最も太陽から与えられる力が強くなると言われています。
夏至祭への参加は一般の方もOKで、二見興玉神社社務所に参加の申し込みが行えます。
また、日本ではありませんが、日照時間が短いスウェーデンでは、ミッドサマーディ(夏至祭)が大々的に行われます。
ミッドサマーディは、スウェーデンではクリスマスの次に重要なイベントと言われており、前日から田舎に向かう車で高速道路が渋滞してしまうほど人々が大移動を行います。
夏至の日に食べる『食べ物』は何?
夏至は、全国的な行事がないだけではなく、夏至だからと全国的に食べられている食べ物もないようです。
冬至にはかぼちゃ(南瓜=なんきん)を始め、冬至の七種と呼ばれる、運がよくなる食べ物(「ん」が2つ重なる食べ物)を食べる風習があります。
とは言え、全国的ではないものの、地方では昔から受け継がれる伝統の夏至の食べ物が存在します。
・関西 夏至から半夏生の間にタコを食べる風習があります。これは、タコの足のように稲の根が張 りますようにという願いが込められています。
・京都 水無月という和菓子を食べます。邪気を祓う力があると言われている小豆が乗った水菓子です。
・香川 夏至から半夏生の時期に、収穫した小麦でうどんを作って振舞う風習があります。
・福島 栄養豊富な鯖を食べて、暑さが厳しくなる前に英気を養う風習があります。
夏至と冬至の違いを教えて!
一年で最も昼が長く、夜が短いのが夏至であるのに対し、冬至はこれとは逆に一年で最も夜が長く、昼が短い日となります。
より詳しく説明すると、太陽が真南に来て、一番高く上がった時の地平線との間の角度(これを南中角度と言います)が高いほど太陽が出ている時間が長くなりますが、夏至の場合はその角度が一番高くなるため、昼が長くなります。
これに対し、冬至の日は南中角度は最も低くなるため、太陽がすぐに沈んでしまい、昼が短くなり夜が長くなります。
なお、日本のある北半球が夏至の場合、南半球では冬至となり、北半球が冬至の場合は南半球は夏至になります。
また、北半球が夏至の時、北極では一日中太陽が沈むことのない百夜になり、南極では一日中太陽が昇らない極夜となります。
これも、北半球が冬至になると北極は極夜、南極では白夜になります。
まとめ
2024年の夏至は6月21日となっています。
夏至などの節気は、次の節気までの期間を指すこともありますが、夏至の場合は『一年で最も昼が長く、夜が短い日』という定義に基づき、一般的にはその日のみを指すことが多いよいです。
夏至は冬至のように、全国的に行われている昔ながらの風習や食べ物はありませんが、自然信仰心の高い日本では、太陽の日差しが長く降り注ぐ夏至にはたくさんの力をもらえると考えられていました。
夏至の日は、ぜひとも日の出とともに朝日を浴びながら、太陽の光をたくさん浴びてみてはいかがでしょうか。
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