カレンダーを見ると、日付以外に言葉が書かれているのを見たことがないでしょうか。
『立春』や『春分』などがそれに当たるのですが、これらの言葉はカレンダー以外にも天気予報の際のニュースなどで聞いたことがある人は多いと思います。
それでは『清明』はどうでしょうか?
あまり聞いたことがないという方が多いのではないでしょうか。
清明も立春や春分と同じように季節を表す言葉の一つなのですが、意味や由来はほとんど知られていません。
そこで今回は、清明について調べてみました。
時候の挨拶である『清明の候』の使い方や、清明の期間の旬な食べ物なども合わせてご紹介します。
2024年【清明】はいつ?
2024年の清明は、4月4日となっています。
後に詳しくご紹介していますが、清明や立春などの言葉は二十四節気と呼ばれる季節を表す言葉の一つです。
1年を24等分に分けて季節を考えることで、農業が主体であった時代には天候や気候の変化を知る目安としていました。
ちなみに、清明はその日だけを指す場合と、次の節気である穀雨までの15日間を表す場合の2通りがあります。
そのため、清明はいつ?と言う問いについては、「2024年は4月4日になります」と答える他に、「穀雨が4月19日なので4月4日から4月18日までになります」と答えるパターンも存在します。
清明の意味や由来は?
清明は、江戸時代に発行された暦便覧(こよみびんらん)という書物に、『万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也』と言う意味だと記載されています。
これは、全ての生き物が清らかで明るい様子を記しているとされるため、清明はその言葉にふさわしい季節と言えるのでしょう。
そもそも、清明は二十四節気と呼ばれる、季節を表す言葉の一つです。
現代の日本では一年を1~12月の月で表しますが、かつては1年を24等分し、その1つ1つに季節に合った言葉をつけていました。
例えば、夏至や冬至と言う言葉は今でもよく聞きますが、これも二十四節気の一つです。
昔は、1年をまず最も昼の長い夏至、最も夜の長い冬至に分け、さらに昼と夜の長さが同じ春分、秋分に分け、それぞれを春、夏、秋、冬の中心として定めていました。
しかし、それだけでは細やかな天気の移ろいに対応することができないため、そこから季節ごとに6つに分けていったのです。
清明は春の節気になりますが、春の節気には清明の他に、立春、雨水、啓蟄、春分、穀雨があり、清明は春分に次ぐ春の節気の5番目にあたります。
例年、4月の上旬から中旬が清明になるのですが、この時期は緑が青々とし、つばめが子どものためにエサを求めて飛び交う姿や、芽吹いた花が咲くなど、生き物達の生き生きした表情が見られる時です。
まさに、清明という言葉にふさわしい季節と言えるのではないでしょうか。
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清明の候の意味と使い方?いつからいつまで使えるの?
清明の候は、「せいめいのこう」と読み、時候の挨拶に用いられる言葉になります。
具体的には、“謹啓 清明の候 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。”のように使います。
近年は、インターネットの普及に伴い、手紙を書く機会が激減してしまいましたが、今でもこのような季節柄の挨拶を重要としている企業は数多くあります。
また、お世話になった方などへの連絡時には、丁寧な言葉を使いたいと考える人も少なくないでしょう。
もちろん、このような時候の挨拶は手紙に限らず、メールなどでも使うことができます。
覚えておくといざという時に使うことができますし、社会人としてのマナーも保たれるので一石二鳥と言えますが、一方で間違った使い方をしてしまっては、逆に一般常識のない人だと捉えられてしまいます。
清明の候は、清明の期間にしか使えない時候の挨拶です。
清明の期間はその年によって変わるため、しっかりと日付を確認した後、届く日数も考えて使うようにしましょう。
ちなみに、2024年は4月4日から4月18日までとなっています。
それ以後に手紙が届く場合には、『穀雨の候』となるため、注意するようにして下さい。
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清明節にある代表的な風習は?
立春や春分に比べ、日本では知名度の低い清明ですが、二十四節気の発祥の地である中国では、毎年清明の日に『清明節』と呼ばれる大きな行事が行われます。
清明節は、日本で言うところのお盆に似た行事となっていて、お墓の掃除をした後にお墓の近くで親戚一同が会食を行うことから、『掃墓節(そうぼせつ)』とも呼ばれるそうです。
実は、日本でもこの清明節を行っている地域があります。
それは沖縄です。
沖縄では清明祭(シーミー祭)と呼んでいて、中国と同様にお墓にて先祖供養を行い、会食を行います。
ただし、中国では清明の日以外にこのような行事を行いませんが、沖縄では清明の日以外にも、お盆やお正月にも同じようにお墓の掃除の後でそのまま会食を行います。
清明の時期の旬な食べ物は?
清明は、4月の上旬から中旬にかけてがその期間になることから、旬の食べ物もこの期間に該当するものになります。
代表的な物には、初カツオがあります。
初カツオは、4~5月にかけて獲れるカツオのことを言うので、まさに清明の旬の食べ物と言えるでしょう。
また、初カツオ以外にも、さわらやさよりも旬となります。
さらに、しらすは3月中旬まで禁漁となっているので、清明の時期に漁のピークがやってくる魚と言えるでしょう。
そして、どんどんと暖かくなって生物が元気になる時期のため、野菜や果物などが旬を迎えます。
清美という名前のみかんも、清明の時期に旬を迎える代表的な果物です。
その他に、アスパラガスやキャベツ、びわなども4月に旬を迎えます。
私達人間は、動物、植物に限らず、別の命を頂いて自分の命を繋いでいます。
その時の旬を頂くということは、体だけではなく心にもよい栄養となりますよね。
食べることが当たり前になり、つい忘れてしまいがちなことですが、清明という命の輝きを感じる季節に、ぜひ食べることのありがたみを改めて感じて頂けたらと思います。
『清明』という言葉が花言葉になっている花の名は?その由来は?
清明を花言葉とする花は、ヒエンソウになります。
ヒエンソウは、キンポウゲ科デルフィニウム属の植物で多年草ですが、日本の暑い夏を越せないため、園芸店では1年草として販売しているところもあるようです。
花の色は、白や青、紫、水色などがあり、南ヨーロッパが原産の外来種です。
(ちなみに、セリバヒエンソウは中国が原産となっています)
デルフィニウム(delphinium)属の花は、蕾の形がイルカに似ていることからdelphisを語源していると言われています。
また、和名のヒエンソウは花が開いた時の姿が燕(つばめ)が飛ぶ姿に似ていることから、『飛燕草』と書いてヒエンソウと呼んでいます。
なお、関東の一部では持ち込まれたヒエンソウが野生化し、自生している場所もあるそうですが、ヒエンソウには毒があるため、むやみやたらに持ち帰ったりしないようにして下さい。
まとめ
清明は二十四節気の一つで、春を表す言葉です。
春分と穀雨の間の節気で、春の節気の中では5番目にあたります。
なお、2024年の清明は4月4日となっていますが、場合によっては4月4日から次の節気である穀雨までの4月18日までを指すこともあります。
特に時候の挨拶に用いる時は、この期間が重要になってくるため、日付を間違わないようにして正しく使いましょう。
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