文字だけを見るととても寒そうに見える大寒ですが、冬の時期を表すことがわかっても明確にいつからいつまでなのかを知らないという人もいるでしょう。
そこで、今回は二十四節気における大寒とは一体なんなのか、由来や意味について解説しつつ、その時期に発生するイベントや風習についても細かく記載して参ります。
ちょっとした豆知識としても用いることができる情報が満載なので是非ご覧ください。
大寒の意味とは?
『大寒』とは太陽の位置を表す黄経が300度から315度の間のシーズンのことで、冬を意味する二十四節気の一つです。
冬を表す二十四節気は、立冬⇒小雪⇒大雪⇒冬至⇒小寒⇒大寒という順番で移り変わりますので、冬の最後の節季であるということがわかります。
ちなみに、この大寒の『寒』という表現は『最も寒い時期』という意味があるので、大寒とは非常に寒い時期という意味になるのです。
また、『寒の入り』という表現がありますが、それは『小寒』に入ったタイミングを意味しており、大寒の最終日は『寒の明け』という表現をします。
寒中見舞いで何らかのお見舞いを出す場合は、小寒と大寒のタイミングとなるので、配送時期に気をつけましょう。
太陽黄径と春分点とは
二十四節気を理解するためには、太陽黄径を含めたワードを理解する必要があります。
詳しく説明すると、『太陽が1年かけて1周するように見える移動経路を黄道として、その黄道を春分が始まる地点を0度として360度に分けたもの』となります。
地球が太陽の周りを回っているのはもはや当たり前のことではありますが、太陽黄径を理解する上では、地球の周りを太陽が回っていて、その軌跡が太陽黄径になっているというイメージを持った方がわかりやすいです。
また、1年は365日なので、1日で『360度÷365日=0.986度』移動しているという計算ではありますが、1日で1度移動していると考えた方がわかりやすいでしょう。
ちなみに、出発点つまり0度になっている点というのは、地球の赤道をそのまま延長した『天の赤道』と『黄道』が交わった2つの点のうち、南から北へ交わる方が春分点となります。
反対側の北から南へ交わる点が秋分点なのです。
この考え方を基本として成り立っているのが二十四節気です。
二十四節気はこの360度ある太陽黄径を24分割して、15度ずつの等間隔に定めたモノとなっています。
今回の主役である大寒も春分点から300度ほど移動した地点から315度ほど移動した地点となっているのです。
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2022年の大寒はいつ?
2022年の大寒は1月20日11時39分から2月4日5時51分までとなっています。
地球と太陽の位置関係から二十四節気は決まるので、分刻みでどこからどこまでなのかがわかるのです。
他の二十四節気について知りたいという人は国立天文台がアップしているサイトである「令和 4年(2022)暦要項 二十四節気および雑節をご覧ください。
参考資料
寒の入りが小寒の始まりである1月5日で、寒の明けが大寒が終わる2月3日になるというのもセットで覚えておきましょう。
寒中見舞いを出すタイミングはこことなります。
個人的に1月の中旬~下旬はいっきに冷え込むイメージがあったので、最も寒い時期というのはかなり納得できています。
大寒における七十二候は?
二十四節気をより深く知るためには、太陽黄径と一緒に知るべき要素として七十二候が取り上げられます。
七十二候はザックリと説明すると、『二十四節気をさらに3分割したもの』となっており、だいたい5日サイクルになっているのが七十二候です。
ただし、七十二候は日本向けにアレンジしている『略本暦』と、アレンジすることなく古代中国の二十四節気にそって考えられている『宣明暦』があります。
ここでは両方ともご紹介しますので、その違いも見ていきましょう。
また、七十二候は1つの二十四節気それぞれに初候・次候・末候の3つで構成されているので順番にチェックしていきます。
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大寒における『初候』
大寒における『初候』は以下の通りです。
略本暦(日本):款冬華(ふきのはなさく)⇒ふきのとうがつぼみを出す
宣明暦(中国):鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)⇒鶏が卵を産み始める
ふきのとうの『ふき』を漢字で書くと『蕗』と書きますが、別の書き方では『款冬』となります。
ふきは冬に黄色い花を咲かせますが、若い花芽は山菜としても食べられるので知っている人も多いでしょう。
山菜として食べる場合は春になりますので、芽が出るタイミングが冬の終わりが近くなった大寒であるとイメージするといいと思います。
大寒における『次候』
大寒における『次候』は以下の通りです。
略本暦(日本):水沢腹堅(さわみずこおりつめる)⇒沢に氷が厚く張りつめる
宣明暦(中国):鷙鳥厲疾(しちょうれいしつす)⇒鷲や鷹といった鳥が空高く速く飛び始める
略本暦では『沢に厚い氷が張りつめる頃』という表現を使っていますが、沢に流れている水が完全に凍るその姿は、まさに真冬というイメージが出てきます。
東北や北陸地方では冬になるとよく見る光景と言えるのではないでしょうか。
大寒における『末候』
大寒における『末候』は以下の通りです。
略本暦(日本):鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)⇒鶏が卵を産み始める
宣明暦(中国):水沢腹堅(すいたくあつくかたし)⇒沢に氷が厚く張りつめる
ここで面白いのが次候で略本暦として紹介していたのが、こちらでは宣明暦になっているということです。
略本暦ではこの時期に鶏が卵を産み始める頃と記載してありますが、春が近づくと卵を産むのは確かなので、日本人的には馴染みやすかったと思います。
大寒の時期にある風習やイベントは?
大寒は2022年では1月20日11時39分から2月4日5時51分とのことでした。
この時期に有名な風習やイベントはあるのでしょうか。
やはりこの大寒の最大のイベントは節分でしょう。
2022年は2月3日が節分となっております。
他にもこの時期は一気に冷え込むので、地方では滝に打たれる水行を行うところもあれば、寒中水泳といった根性試しのようなイベントが行われているようです。
水行や寒中水泳といった地方ならではのイベントは、地方のニュースとして取り上げることが多いので、夕方に良くある地方ニュースで見たことがあるという人も多いと思います。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は二十四節気における大寒についてご紹介いたしました。
大寒は小寒と続いて寒の入りの時期に該当しており、日本でも非常に寒い時期となっています。
二十四節気を全部覚えるのはちょっと難しいという人でも、小寒と大寒が『寒の入り』という言葉は、『寒中見舞い』という言葉を密接的な関係にあるということを覚えて、ビジネスでも使えるようにするといいですね。
メールのやりとりで定型文的な挨拶をする人でも、こういった言葉の意味を覚えておくと必ず役に立ちますよ。
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